ナキウサギ
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?ナキウサギ[1] Pika |
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アメリカナキウサギ (Ochotona princeps) |
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分類 | |||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||
ナキウサギ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Pika | |||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||
本文参照 |
ナキウサギ(鳴兎、英:Pika, rock rabbit, whistling hare)は、ウサギ目(重歯目)ナキウサギ科 Ochotonidae に分類される動物の総称。現生するものは1科1属で、同科には ナキウサギ属 Ochotona のみが属する。長らく14種とされてきたが、その後の研究により、30種まで増えている。 総じて耳介は小さく、一見ハムスターのような姿だが、(狭義の)ウサギ類の近縁種である。 その名のとおり、高い警戒音でよく鳴く。
属名の Ochotona は、モンゴル語の ogotona または ochodona に由来する。また、英名の Pika はツングース語の piika に由来するため、本来は[/pika/](ピカ)と読むのが正しいが、そのスペリングから [/'paɪ·ka/](パイカ)と読まれることが多い。
日本には、北海道にキタナキウサギ (O. hyperborea, Northern Pika) の亜種、エゾナキウサギ O. h. yesoensis が棲息する。
目次 |
[編集] 棲息地
ナキウサギは、アジア・北アメリカおよび東ヨーロッパの一部の、寒冷な気候の土地に分布する。多くの種は、隠れ家となる割れ目の多く見られる山地の岩場に棲息するが、自ら単純な巣穴を掘る種もあり、その中のあるものは、開けたステップに棲息する。ユーラシアの山地では、しばしばナキウサギの巣穴にユキスズメ類が巣を作り、両者は同じ巣穴の中で共存する[2]。
考古学者の Donald Grayson が、Journal of Biogeography 誌2006年1月の記事で警告しているところによると、人類の活動と世界的な気候変動により、アメリカのナキウサギの生息域の高度は上昇しつつあり、これによりこの個体群が絶滅に至る可能性もあるという。Grayson はシエラネバダ山脈からロッキー山脈に至る地域の過去4万年にわたるナキウサギの棲息域を調査した。これより早く、Journal of Mammalogy 誌にも、同様の結論を導く記事が掲載されている。
[編集] 特徴
ナキウサギは一見ハムスターのような小動物で、短い四肢と丸い耳、短い尾をもつ。サイズは種によって異なるが、体長約18-20cm、尾長2cm弱、体重75-290g。狭義のウサギ類と同様、餌を食べた後、まず緑色のやわらかい糞をし、さらに栄養を摂取するために、この糞を食べる。その後、固形のコロコロした糞をする。
ナキウサギは草食であり、さまざまな植物を採食する。その棲息地により、主に草やスゲ類、潅木の小枝、コケ、地衣類などを食べる。ウサギ目の他の動物と同様、ナキウサギは切歯をもつが犬歯を欠き、また、臼歯の数は狭義のウサギ類より少ない。歯式は 2.0.3.2/1.0.2.3 (切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯)となる。
岩地で暮らすナキウサギは、1度に5頭までの子しか産まないが、巣穴を掘る種は、これより多くの子を産む傾向があり、繁殖の頻度もより高い。この違いはおそらく、後者の棲息地の方が、より豊かな資源を活用できることによるものと思われる。妊娠期間は25-30日程度[2]。
[編集] 習性
ナキウサギは昼行性または薄暮性で、通常は昼間の方が活動的であり、標高の高い地域に棲息する。最も高い活動性を示すのは、冬になる前の時期である。ナキウサギは冬眠しないため、冬の間のあたたかい寝床兼食料として、自ら作った干し草を必要とする。ナキウサギは新鮮な草を集め、それらを積んで山を作り、干し草にする。草が乾ききると、巣穴に運び込んで貯蔵する。他の個体の作った干し草をかすめ取る行動は、あまり見られない。そういった行動の結果として争いが起これば、フェレットや猛禽類のような近隣の捕食者に、漁夫の利を与えてしまうのが通例だからである。
ユーラシアのナキウサギは、一般的に家族単位で暮らし、餌の収集と見張りを各個体が分担する。そのうちの少なくとも数種は、なわばりをもつ。一方、北米のナキウサギ(O. princeps と O. collaris)は単独性であり、繁殖期を除いて単独で暮らす。
[編集] 分類
- 重歯目(ウサギ目) LAGOMORPHA[1]
- ナキウサギ科 Family Ochotonidae: ナキウサギ
- ナキウサギ属 Ochotona
- Pika 亜属: 北方に棲息する種
- アルタイナキウサギ Ochotona alpina en:Alpine Pika / Altai Pika
- Ochotona argentata en:Silver Pika
- クビワナキウサギ Ochotona collaris en:Collared Pika
- Ochotona hoffmanni en:Hoffmann's Pika
- キタナキウサギ Ochotona hyperborea en:Northern Pika / Siberian Pika
- エゾナキウサギ O. h. yesoensis Japanese Pika
- モンゴルナキウサギ Ochotona pallasi en:Pallas's Pika
- アメリカナキウサギ Ochotona princeps en:American Pika
- Ochotona turuchanensis en:Turuchan Pika
- Ochotona 亜属: 潅木帯・ステップに棲息する種
- カンシュクナキウサギ Ochotona cansus en:Gansu Pika / Gray Pika
- クチグロナキウサギ Ochotona curzoniae en:Plateau Pika / Black-lipped Pika
- ダウリナキウサギ Ochotona dauurica en:Daurian Pika
- Ochotona huangensis en:Tsing-ling Pika
- Ochotona nubrica en:Nubra Pika
- ステップナキウサギ Ochotona pusilla en:Steppe Pika
- アフガンナキウサギ Ochotona rufescens en:Afghan Pika
- チベットナキウサギ Ochotona thibetana en:Moupin Pika
- トーマスナキウサギ Ochotona thomasi en:Thomas's Pika
- Conothoa 亜属: 山地に棲息する種
- アカミミナキウサギ Ochotona erythrotis en:Chinese Red Pika
- Ochotona forresti en:Forrest's Pika
- Ochotona gaoligongensis en:Gaoligong Pika
- Ochotona gloveri en:Glover's Pika
- Ochotona himalayana en:Himalayan Pika
- Ochotona iliensis en:Ili Pika
- コズロフナキウサギ Ochotona koslowi en:Kozlov's Pika
- ラダックナキウサギ Ochotona ladacensis en:Ladak Pika
- オオミミナキウサギ Ochotona macrotis en:Large-eared Pika
- Ochotona muliensis en:Muli Pika
- Ochotona nigritia en:Black Pika
- ロイルナキウサギ Ochotona roylei en:Royle's Pika
- アカナキウサギ Ochotona rutila en:Turkestan Red Pika
- Pika 亜属: 北方に棲息する種
- ナキウサギ属 Ochotona
- ナキウサギ科 Family Ochotonidae: ナキウサギ
[編集] 脚註
- ^ a b Hoffmann, Robert S.; Andrew T. Smith (November 16, 2005). in Wilson, D. E., and Reeder, D. M. (eds): Mammal Species of the World, 3rd edition, Johns Hopkins University Press, 185-193. ISBN 0-801-88221-4.
- ^ a b Kawamichi, Takeo (1984). in Macdonald, D.: The Encyclopedia of Mammals. New York: Facts on File, 726-727. ISBN 0-87196-871-1.
[編集] 参考文献
- 川道武男 1994.『ウサギがはねてきた道』紀伊国屋書店.ISBN 4-314-00602-1
[編集] 外部リンク
- The Trek of the Pika "A story complete with sounds of pika calls" 2002-10-30
- [1] "A radio feature on how Pikas in the Rockies are coping with climate change. " 2007-07-31