トランスヒューマニズム
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トランスヒューマニズム(英: Transhumanism)(省略して>HやH+と書かれる場合もある、超人間主義などと訳される)は、新しい科学技術を用い、人間の肉体と認識能力を進化させ、人間の状況を前例の無い形で向上させようという思想である。また、トランスヒューマニズムは人間の機能拡張やその他将来の科学技術の開発・使用により、将来起こりうることを研究する学問でもある。
トランスヒューマニズムの根は古くはルネサンスにも見られるが、着想自体はJ.B.S.ホールデンの「ダイダロス、あるいは科学と未来」Daedalus or Science and the Future(1923年)が先駆けとされている[1]。なお、Transhumanismという語を最初に用いた人物は、幼少期からホールデンと親友であるオルダス・ハクスリーの兄のジュリアン・ハクスリーである。
トランスヒューマニズムは新興の哲学として、一般的なヒューマニズムのカテゴリーの中では低く見られている。
一般的に、トランスヒューマニズムでは新しい科学技術、たとえばNBICと呼ばれるナノテクノロジー、バイオテクノロジー、情報技術に認知科学、また未来技術として考えられている仮想現実、人工知能、精神転送に人体冷凍保存などを支持しており、この考え方に則り、実際に薬品や遺伝子操作による寿命の延長・肉体の強化、脳とコンピュータの接続、などの研究が行われている。トランスヒューマニストは、人間は人間以上の存在になるためにこれらの科学技術を使用すべきであり、使用できると考えている。
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[編集] 主なトランスヒューマニスト
[編集] 関連項目
- クローン
- デザイナーベビー
- 技術的特異点
- 人間強化
- 強化人間
- サイバーカルチャー
- Orion's Arm
- シミュレーテッドリアリティ
- 『スキズマトリックス』 ブルース・スターリングのサイバーパンクSF
[編集] 参考文献
- ^ Bostrom NickのA history of transhumanist thought 2005
- 太田述正ホームページ 時事コラム 「トランスヒューマニズム(その3)」、2005年6月9日
- ラメズ・ナム、『超人類へ!-バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会-』、西尾香苗訳、河出書房新社、2006年。
[編集] 外部リンク
- 世界トランスヒューマニスト協会(英語)