デイヴ・グロール
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デイヴ・グロール(Dave Grohl、1969年1月14日-)はアメリカ合衆国のミュージシャン。フルネームはデヴィッド・エリック・グロール(David Eric Grohl)。オハイオ州ウォーレン(Warren, Ohio)出身。ロックバンド、ニルヴァーナの元ドラマーで、現在はフー・ファイターズのボーカル・ギターを務めている。
[編集] 経歴
幼少期にウォーレンからバージニア州・スプリングフィールド(Springfield, Virginia)を経てワシントンDCへ移る。ワシントン移住から3年後に両親が離婚し、姉と共に母に引き取られる。12歳の時にギターを始める。数年後、熱烈なパンク・ロックファンであった従兄弟の影響でパンクに目覚める。その後、友人と結成したバンドでギターを務めていたが、後にドラムに転向。
16歳の時にワシントンDCのハードコア・バンド、スクリーム(ロサンゼルスのハード・ロックバンド、ザ・スクリームとは全く関係なし)のオーディションを受け、ドラマーとして加入(後のフー・ファイターズのギタリスト・フランツ・ストールも在籍したことがある)。次第にドラマーとしての才能が評価されるようになり、メルヴィンズと親交を持つようになる。メルヴィンズのバズ・オズボーンを介してデイヴはニルヴァーナのカート・コバーン、クリス・ノヴォセリックと出会う。
その後、スクリームが解散し、バズに電話で相談したところ、ニルヴァーナが新たなドラマーを探している事を知る。バズはクリスにデイヴの電話番号を教え、クリスがデイヴをシアトルに誘う。デイヴはドラムセットだけを持ってシアトルへと渡る。シアトルに渡ったデイヴは暫くはカートの家に寝泊りし、ニルヴァーナのオーディションを受ける。それまでドラマーの技術に不満を持ち続けていたカートはデイヴのドラミングを絶賛し、即座にデイヴのニルヴァーナ加入を決める。
デイヴ加入後、初めてリリースされたアルバム『ネヴァーマインド』は全世界で2000万枚近いヒットを記録し、ニルヴァーナを一躍スターダムに押し上げる。『ネヴァーマインド』のヒットは、カートのソングライターとしての才能もさる事ながら、デイヴの優れたドラミングとコーラスワークも貢献していると評価する専門家やファンも少なくない。続く『イン・ユーテロ』からシングルカットされた『ハート・シェイプト・ボックス』のカップリング曲「マリゴールド」ではデイヴが作詞・作曲・ボーカルを務めており、これはニルヴァーナのオリジナル曲では唯一、カート以外のメンバーによる作品となっている。しかし1994年4月にカートがシアトル郊外の自宅で猟銃で頭を撃ちぬき自殺を遂げた事によってニルヴァーナの活動は終焉する。(ニルヴァーナの活動の詳細についてはニルヴァーナ (バンド)を参照)
ニルヴァーナ解散後、デイヴはニルヴァーナ時代から密かに作り続けていた楽曲のレコーディングを開始。ほぼ全ての楽器を自ら担当し、1995年、それらの楽曲を自らのソロプロジェクトフー・ファイターズのファーストアルバムとしてリリースする。その後、ギタリストのフランツなどを含め、メンバーを集いフー・ファイターズはバンドとして活動を開始。デイヴはボーカル・ギターに転向し、こちらでも成功を収め、現在も活躍中である。(活動の詳細についてはフー・ファイターズを参照)
また2000年代からフー・ファイターズとは別にヘヴィメタルのプロジェクト、プロボットも始動。レミー・キルミスター(モーターヘッド)、マックス・カヴァレラ(元セパルトゥラ、現ソウルフライ)、キング・ダイアモンドらをゲストに迎えた同名のアルバムが2004年にリリースされている。
この他、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ (QOTSA) 、キリング・ジョーク、キャット・パワー、ガービッジ、ナイン・インチ・ネイルズなどの作品にドラマーとして参加。QOTSAではフジ・ロック・フェスティバルにもドラマーとして帯同した。
[編集] 人物
- 明るく誠実な人柄として知られる。ニルヴァーナ時代は気難しく人見知りの激しいカートの替わりにスポークスマンを務める事も多かった。
- 1992年のMTV Video Music Awardsではマイケル・ジャクソンの格好で登場し、「I'm king of Grunge」と皮肉めいたギャグを飛ばした。
- 現在の活動よりも以前の活動を引き合いに出される事を嫌うミュージシャンが多い中、デイヴは「元ニルヴァーナ」と呼ばれる事に対して肯定的な態度を取っている。
- 首筋にフー・ファイターズのロゴマークを象った「FF」というタトゥーがある。(3rdアルバムのジャケット写真にも使用されている)
ニルヴァーナ |
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カート・コバーン - クリス・ノヴォセリック - デイヴ・グロール |
オリジナルアルバム: ブリーチ - ネヴァーマインド - イン・ユーテロ |
ライブアルバム: MTV・アンプラグド・イン・ニューヨーク - フロム・ザ・マディ・バンクス・オブ・ウィシュカー |
ベストアルバム: ニルヴァーナ |
未発表&別テイク集: ホルモウニング - インセスティサイド - ウィズ・ザ・ライツ・アウト - スリヴァー |
楽曲: 「スメルズ・ライク・ティーンスピリット」 |
元メンバー: パット・スメア - アーロン・バークハード - デイル・クローバー - デイブ・フォスター - チャド・チャニング - ジェイソン・エバーマン - ダン・ピーターズ |