ダルバート
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ダルバート(daalbhaat)は、ネパールの代表的な家庭料理で、ダル(daal=豆スープ)とバート(bhaat=米飯)の合成語であり、それにカレー味の野菜などのおかず(タルカリ)、漬物(アツァール)の2つを加えた4つがセットになった食事をいう。ネパールでは毎日食べられている、日本でいう定食にあたるものである。
[編集] 概要
日本でいえば、「味噌汁、ご飯、副食」の組み合わせにあたるもので、ネパールで普通、料理といえばダルバートを指す。
ダル(daal)は、小粒の豆を使ったスープであり、さらっとしており通常、米飯にかけて指先で混ぜ込んで食べる。ネパールは300種類にも及ぶ豆を料理に使うため、ダルが食事の主役といっても過言ではない。レンズマメ、キマメ、リョクトウ、ケツルアズキなどがよく食べられる。
ライス(bhaat)は、バスマティと呼ばれるインディカ米(長粒種米)であり、細長くパサパサしている。
タルカリ(tarkaarii)はおかずであり、炒めた野菜やカレー(野菜が主)などで、ときに肉料理などもつくことがあるが稀であり、おかずがない場合はダルとバートだけの組み合わせになることもある。最低ダルとバートだけは入るため、ダルバートと呼ばれ、名の由来ともなっている。
以上にアツァール(またはアチャール)(acaar)と呼ばれる辛口の漬物がつくのが一般的であり、大根やジャガイモなどがよく使われ、乾燥させたグリーンピース、ティンブール(tinbur サンショウ)、 焦がしたフェヌグリークなどの風味が入り混じる。食事全体としては大変に栄養のバランスが取れている。
[編集] スパイス
おかずであるタルカリ(tarkaarii)には、スパイス(マサラ)が使われ、日本でいうカレーにあたるが、肉は滅多に使われず、野菜が中心である。ジャガイモ、タケノコなどもよく使われる。以下にタルカリに使われる代表的なスパイスを上げるが、中でもよく使われるのは、ベサール(ウコン)、ラッスン(ニンニク)、モリジ(黒コショウ)、アドゥア(ショウガ)、クルサニ(トウガラシ)などである。
- ラッスン(ニンニク)
- ジラ(クミン)
- モリジ(黒コショウ)
- ベサール(ウコン)
- アドア(ショウガ)
- ダニア(コリアンダー)
- スクメル(カルダモン)
- ティル(ゴマ)
- メティ(フェヌグリーク)
- ジャイパル(ナツメグ)
- クルサニ(トウガラシ)
- ダルチニ(シナモン)
- ケサリ(サフラン)
- トリ(マスタード)
- ルワング(クローブ)
- ガラムマサラ(ミックススパイス)
[編集] ダルバートの食べ方
それぞれの家庭やレストランによって、味付けや使われる素材は微妙に異なるが、ネパールの現地人向けの食堂やレストランでの平均的な価格は20~200円くらいである。食器には普通、金属製のものが使われ、一枚のさらに盛られることが多い。概ね、レストランなどでは外国人向けにフォークやスプーンが出されるが、本来の食べ方は、右手人差し指と薬指で中指をはさむようにして溝を作り、そこにカレーとご飯を混ぜてすくい取り、親指で口に押し込む。
レストランや食堂などでダルバートを食べる際に、料理がなくなるとお代わりを持ってくるなどしてくれる場合があるが、満腹になったときは「プギョ」といえば、止めてくれる。