スーパーシート
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スーパーシートとは、公共交通機関の座席に設けられる特別席の名称の一つである。
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[編集] 航空機の「スーパーシート」
航空機でいうスーパーシートとは、全日本空輸 (ANA)・日本航空 (JAL)・日本エアシステム (JAS)・スカイマーク (SKY)が日本国内の航空路線で設けていた、普通席よりも上級の座席のことを言う。海外における国内の航空路線では国際線と同じようにファーストクラスの名称を用いている。
- 現在ではスーパーシートを発展させ、
- と名称を変えるとともに、各航空会社独自のサービスを展開している。
[編集] 概要
- 普通席より大型で高級な座席をゆとりを持って配置し、別途料金を支払うことで快適な空の旅を味わえる。
- 普通席の搭乗客にない優遇・サービスがある。下に一覧を示す。
○:設定 △:一部設定 ●:設定後に未設定化 ×:未設定 -:該当なし |
旧サービス | 現サービス | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
JAL | JAS | ANA | SKY | JALグループ | ANA | SKY | |||
スーパーシート [1] |
クラスJ | ファースト クラス |
スーパーシート プレミアム |
シグナスクラス | |||||
主なサ|ビス | 優先搭乗手続 | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
手荷物許容量の緩和 | × | × | × | × | × | +25kg | +20kg | × | |
ラウンジ利用 | ● | ○ | ● | - | × | ○ | △ | - | |
優先搭乗 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | |
普通座席より豪華な座席 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
ウェルカムドリンク | × | × | × | ○ | × | × | × | × | |
機内食または茶菓 | ○ | ○ | ○ | ○ | △[2] | ○ | ○ | × | |
優先手荷物引渡し | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | |
ボーナスマイレージ | ○ | ○ | ○ | - | +10% | +50% | +100 | - | |
設定機材 | ボーイング747 | ○ | - | ○ | - | ○ | × | ○ | - |
ボーイング777-200 | ○ | ○ | ○ | - | ○ | △ | ○ | - | |
ボーイング777-300 | ○ | ○ | ○ | - | ○ | × | ○ | - | |
エアバスA300-600R | - | ○ | - | - | ○ | × | - | - | |
ボーイング767-300 | ○ | - | ● | △ | ○ | × | ○[3] | △ | |
ボーイング737-400 | × | - | × | × | ○/△[4] | × | - | - | |
ボーイング737-700 | - | - | - | - | - | - | △ | - | |
ボーイング737-800 | - | - | - | - | ○ | × | ○ | × | |
ボーイングMD-90 | - | × | - | - | ○ | × | - | - |
- ^ JALの機材を使用した日本トランスオーシャン航空 (JTA)便、ANAの機材を使用したエアーニッポン (ANK)便でも設定されていた
SKYは2006年1月31日までの「シグナスクラス」「スーパーシート」のサービス内容 - ^ 茶菓のみ
- ^ 元国際線の機材には設定されていない場合がある(機材運用都合を参照)。国内線機材と同等の座席配置に順次改修が進められる
- ^ JALエクスプレス (JEX)の機材で運航されるJAL便・JEX便は全機に設定、JTAの機材で運航されるJAL便・JEX便は一部に設定、何れかの機材で運航されるJTA便は福岡空港 - 那覇空港便のみ設定
サービス内容の詳細については、下記外部リンクを参照されたい。
[編集] 機材運用都合
国際線機材を国内線で使用する場合、JALはファーストクラス座席とビジネスクラス座席がクラスJとして、ANAはファーストクラス座席がスーパーシートプレミアムとして割り当てられる。ANAのファーストクラスが無くビジネスクラスのみの機材等、上級座席が供給過剰となる機材の場合は、すべて普通席として使用する。
JTAは前述の通り福岡空港 - 那覇空港便のみクラスJが設定されるため、運用の都合によって他路線にクラスJ座席のある機材が運用される場合はすべて普通席として使用する。
[編集] 「スーパーシート」からの変更
「クラスJ」と「ファーストクラス」の違いは日本航空インターナショナル#国内線機内クラスを、「スーパーシートプレミアム」から「プレミアムクラス」への変更は全日本空輸#プレミアムクラスを参照。
スーパーシートからの変更においては、各航空会社で違ったアプローチの仕方が見られた。
- 2004年にJALとJASが統合し新たに誕生したJALは、スーパーシートをJASの中間クラスだった「レインボーシート」に似た「クラスJ」に衣替えした。言い換えれば「スーパーシートの大衆化」である。料金を低廉にし、ほとんどの割引運賃と組み合わせて予約可能とすることで、搭乗客は安い料金でより快適な座席での旅が楽しめる一方で、「クラスJ」導入後に、専用カウンター、優先搭乗、機内食、優先手荷物引渡しのサービスが打ち切られ、座席配置も従来のスーパーシートのそれに比べれば若干窮屈になったことから、従来からスーパーシートを利用していた搭乗客にとってはサービスの簡素化となったと受け止められた。ANAが後に行ったスーパーシートの高級化が好評であったことから、後に対抗措置として「国内線ファーストクラス」を追加導入すると発表した。
- ANAは「スーパーシートの高級化」を行い「スーパーシートプレミアム」とした。2004年12月から羽田空港のターミナルが第2旅客ターミナルへ移転するのを機に、料金をやや引き上げ、スーパーシートサービスをより高級化した。おおむね好評であったが、割引運賃との組み合わせに制限があるうえ、東京 - 大阪間のように飛行時間の短い路線では価格分の効果が出てこない、という声もある。後にJALが導入を発表した「ファーストクラス」に対抗し、「スーパーシートプレミアム」をさらに高級化させながらJALの「ファーストクラス」よりは若干安価に設定した「プレミアムクラス」への変更を発表した。
- SKYはウェルカムドリンクや温めた機内食の提供などで他社との差別化を図っていたが、2006年2月1日に運賃体系、飲物提供などのサービス体系を見直し運賃を大幅に下げた。それと同時にシグナスクラスのサービス・料金が共に見直された。その結果、シグナスクラスにおいて従来提供されていたサービスが大幅に縮小され、普通席との間に見られる差異はシートサイズのみとなった。現在、シグナスクラスが設定されていないボーイング737への機材移行が順次行われており、移行完了と同時にシグナスクラスは廃止される予定となっている。
[編集] 料金
- クラスJ (JAL):手持ちの航空券にプラス1,000円(全路線・全運賃共通)
- JALツアーズ主催の国内旅行においてクラスJが事前予約可能な場合は、一路線につき2,000円(クラスJ料金+事前確約料金)を予約時に支払うことで変更できる。事前予約がない場合もしくは事前予約不可の場合は、当日空港で空席がある場合一路線1,000円支払うことで変更できる。
- ファーストクラス (JAL):対象運賃での予約にプラス8,000円(普通運賃・往復割引・障害者割引・4回回数券・シャトル往復割引・特便割引・株主優待割引で利用可能)
- プレミアムクラス (ANA)
- 普通運賃とは別体系の「プレミアム運賃」を採用(普通運賃の3,000~5,000円増し)。割引タイプの「プレミアム特割」、「プレミアム特割1」も発売(席数限定)。このほか、小児用、身体障害者用、株主優待割引用もある。これら以外の運賃で予約しても、当日予約便の「プレミアムクラス」に空席がある場合、手持ちの航空券に7,000円(全路線・全運賃共通)を追加して支払えば「プレミアムクラス」に変更できる。
- シグナスクラス (SKY):手持ちの航空券にプラス1,000円(全路線・全運賃共通)。
[編集] 歴史
- 1985年11月 1日、ANAが747にスーパーシートを設定。以降、747、777、A321は機材導入と同時に設定。
- 1986年 3月 1日、JALがスーパーシートを設定。以降、737を除き機材導入と同時に設定。
- 1997年 4月 1日、JASが777、A300-600Rにスーパーシートを設定。以降、777、A300-600Rは機材導入と同時に設定。
- 1998年 2月 1日、ANAが767-300にスーパーシートを設定。
- 1998年 9月19日、SKYが767-300にシグナスクラスを設定。後にスーパーシートに名称変更も、再度シグナスクラスとなる。
- 1999年 3月31日、ANAが767-300、A321のスーパーシートを廃止。
- 2004年 4月 ~ JALグループがクラスJ改修機材の運航を開始。本設定まで普通席扱いとなる。改修機材との運用の都合上、未改修機材においてもスーパーシートサービスを行わず普通席扱いとなる便が設定される。
- 2004年 6月 1日、JALグループがスーパーシートに変えクラスJ設定。旧レインボーシートもクラスJとなる。
- 2004年12月 1日、ANAがスーパーシートの名称をスーパーシートプレミアムに変更。従来よりも高級化。
- 2005年10月 1日、ANAがスーパーシートプレミアムの機内食充実化
- 2005年11月 1日、ANAが767-300にスーパーシートプレミアムを設定。同時期にJALがクラスJの増席を開始。
- 2006年10月 1日、JALグループがMD90と737にクラスJを設定。
- 2007年12月 1日、JALグループが国内主要幹線の羽田空港・伊丹空港間にクラスJの上位クラスとなるファーストクラスを投入。ラウンジの利用が認められ、食事も提供されるなど、10年以上前に近いサービスが復活した。
- 2008年4月 1日、ANAがスーパーシートプレミアムをよりグレードアップしたプレミアムクラスを投入。現在のスーパーシートプレミアムから順次改修。
[編集] 外部リンク
[編集] 鉄道の「スーパーシート」
鉄道でいうスーパーシートとは、以下の鉄道会社の列車・車両の一部に設定した、普通席よりも上級の座席(特別席)のことを言う。JRでいうグリーン車の名称を使わないときにこの名称を使うことがある。そもそもJRへの直通列車がある会社を除きグリーン車の呼称は慣例的に使われない。2006年現在、「スーパーシート」の呼称を使用するのは、次の2例のみであるが、これらと同一の趣旨で上級の座席を提供する例は、東武鉄道や近畿日本鉄道にも存在する。
- 小田急電鉄の特急列車ロマンスカーのうち、小田急20000形電車(RSE車)に連結されているグリーン車を、自社線内及び乗り入れる箱根登山鉄道線内で使用する場合の名称。
- 南海電気鉄道の空港特急「ラピート」に連結されている特別車両の座席の名称。
料金体系は、いずれの場合も、運賃、特急料金に加えてスーパーシート料金または特別車両料金を支払う形をとる。
[編集] 外部リンク
[編集] バスの「スーパーシート」
バスでいうスーパーシートとは、以下のバスの一部に設定した、普通席よりも上級の座席のことを言う。
- 京浜急行バス・弘南バスが運行する、品川~弘前間の夜行高速バス「ノクターン号」の3号車に設定された特別席の名称。スーパーシート付きの車両は弘南バスが所有している。3号車のバスの後部にあり、座席は両側1席ずつ3列で計6席、ヘッドレストから足のせ台までの長さが204cmとかなりゆったりしている。ほかに、1席単位で仕切ることができるカーテン、シートヒーターなどがある。料金は3,870円(こども同額)。
- 西日本ジェイアールバス・ジェイアールバス関東は、2005年11月1日~2006年3月31日まで、東京駅~大阪駅間の「スーパードリーム号」、2006年4月1日~2007年3月15日まで、新宿駅~大阪駅間の「スーパーニュードリーム号」を設定。眠るために開発された座席(スーパーシート)、マイナスイオン発生装置、消臭カーテンを設け、快眠グッズ(歯ブラシ、アイマスク、スリッパ、おしぼり、お茶)が配布されていた。通常のドリーム号の座席グレードアップに伴って廃止された。車両はドリーム大阪号等の続行便で使われるが、スーパーシートの呼称は使用されない。
- 同じく2006年4月1日~2007年2月5日まで、東京駅~大阪駅間の「プレミアムドリーム号」、2006年6月1日~2007年2月5日まで、同区間の「プレミアム昼特急号」を設定。2階建て車両を使用し、2階席にはスーパーシートを設定。前述のサービスに加え、FM文字放送によるニュースの提供がされていた。座席の更なるグレードアップに伴ってスーパーシートの設定は廃止された。
[編集] 船の「スーパーシート」
船でいうスーパーシートとは、2等よりも上級の座席のことを言う。「スーパーシート」の名称を使用するのは以下のみであるが、スーパーシート同様に上級の座席(船室)を提供する例としては、各社における1等・特等・特別室等がある。
- 石崎汽船と瀬戸内海汽船が松山港 - 呉港 - 広島港間を共同運航する高速船(スーパージェット)に設定される。2階に大型リクライニングシートが装備され、肘掛けには個人液晶テレビが備わる。料金は500円(こども半額)。
- 石崎汽船が松山港 - 門司港間を運航する高速船(シーマックス)に設定。2階に大型リクライニングシートが設置され、肘掛けには液晶テレビが備わる。専属客室乗務員が乗務し、ドリンクサービスが行われた。航路廃止となり現存しない。