スティールガンナー
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スティールガンナーはナムコ(現バンダイナムコゲームス)が1991年に発表したマシンガンタイプのガンシューティングゲーム(アーケードゲーム)。日本国外版のタイトルはSteel Gunner。
[編集] 概要
近未来を舞台にSFの要素を多く取り入れた世界観と、拡大・縮小機能をフル活用したスピード感溢れるゲーム展開や派手な演出で人気を博した作品で、タイトーの『オペレーションウルフ』シリーズやセガの『アフターバーナー』シリーズ(両作品とも1987年発表)などと同じ世代の、ポリゴンがコンピュータゲーム内で利用される以前に盛んに用いられた擬似3D表示(2.5Dなどとも呼ばれた)によるゲームシステムである。
プレイヤーは警察の特殊部隊隊員として飛行型パワードスーツ「ガーゴイル」と呼ばれる装備を身にまとい、凶悪テロリスト集団「シュツルム」を蹴散らすという内容で、武装は基本的に弾数無制限の機関砲のみだが、高速機動と多少の被弾はものともしない強固な装甲で街を襲撃する敵中を駆け巡る内容となっている。プレイヤーキャラの名前は1P側が「ガルシア」、2P側が「クリフ」である。
ゲーム台(筐体)はアップライト型で、プレイヤーは可動台に固定された銃を模したコントローラを操作して射撃場所を指示、所謂「攻撃される前に敵を撃て」タイプのゲームで、ステージによっては地下鉄と追いかけっこしたり、ビル壁面に沿って急上昇して上空の敵を急襲したりするが、進路方向は選べないようになっており、このゲームシステムは後の同社製「砲撃手シューティング」の『スターブレード』などにも採用されている。
本作には、専用の特殊大型筐体が用いられている。プレイ時、据付の銃座のトリガーを引くと、操作部分であるモデルガンの銃口部が音を立ててピストン運動する仕組みになっており、ゲームの迫力を演出する。またゲームの内容そのものも、敵だけでなく画面内に見える物全てを破壊できるシステムになっており、非常に爽快感溢れる作りとなっていた。フルブレイク系ゲームの走りである。
一方で、地形物を破壊することで敵を巻き込んだり、敵への命中率を高める(=無駄弾を撃たない)ことで面クリア時のライフ回復値が増えるなど、単に撃ちまくるだけではないテクニカルな要素も持ち合わせている。また、地形物を必要以上に破壊すると、警察への苦情件数が増大し評価(ライフ回復値など)が下がるといった演出もある。
翌1992年には、敵を生体メカなどとした続編『スティールガンナー2』が制作されている。家庭用機種への移植はない。
[編集] 関連項目
- SYSTEM II
- 高速感を演出するためか、同ゲームではこのシステムボードを2枚使用するという構造をしていた。
- ガーゴイル
- 本作パワードスーツ名称の語源。建物の魔除け的に用いられた建築装飾で、醜い容姿と翼を持つ。ファンタジー分野では石の肌を持ち鋭い爪で攻撃してくる空を飛ぶ怪物としても描かれる。
- エースコンバット6 解放への戦火
- 友軍の地上部隊として「スティールガンナーズ」が登場。