スウェーデン・アカデミー
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スウェーデン・アカデミー正面 |
スウェーデン・アカデミー(Svenska Akademien)はグスタフ3世により、1786年に設立されたスウェーデンの学士院である。グスタフ3世がフランス文化の愛好者であったため、フランス学士院に倣っての設立であった。その大部分がグスタフ3世自身によって書かれた学士院規則にもフランス学士院の影響が見られる。
スウェーデン・アカデミーはノーベル文学賞の選考委員会を兼ねる事でも知られ、選考結果の発表には国内のみならず、海外からも多くのメディアが集まる。
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[編集] 目的
スウェーデン・アカデミー設立の目的はスウェーデン語の表現の明瞭化、多様化、言語としての純化にある。その目的を達成するためにスウェーデン・アカデミーはスウェーデン語の文法書、単語集など、スウェーデン語についての書籍を出版している。特に、「スウェーデン・アカデミーのスウェーデン単語集(Svenska Akademiens ordlista över svenska språket)」は行政文書等の公文書に限らず、各種の学術論文を執筆する際のガイドラインとなっている。
言語学の分野だけではなく、スウェーデンの古典文学の出版も行っており、アウグスト・ストリンドベリやセルマ・ラーゲルレーヴの作品を出版している。
アカデミーがノーベル文学賞の選考委員会も兼ねるようになったのは19世紀末の1900年であり、アカデミーの歴史の中では比較的新しい時代の事である。
[編集] 立地・建物
スウェーデン・アカデミーは首都ストックホルムの、かつて証券取引所であった建物を利用している。建物は現国王カール16世グスタフが執務する王宮にほど近く、中心部でありながら中世の面影を残すガムラスタンに位置している。
アカデミー内にはそれまでにアカデミーが出版した書籍を所蔵する図書館がある。
アカデミーが入っている建物が面している広場はスウェーデンがカルマル同盟から離脱(デンマーク支配からの脱却)する発端となったストックホルムの血浴の舞台ともなった。
[編集] 定員
スウェーデン・アカデミーの会員数は設立当初から18名で、終身会員である。死亡により会員に欠員がでた場合は、残りの会員の投票によって新会員が選ばれる。その結果は公表前にアカデミーの保護者たるスウェーデン国王に報告され、現在でもその承認を受ける慣例になっている。
長く定員が18名であるため、「あの18人(de aderton)」と言う表現がスウェーデン・アカデミーの代名詞にもなっている。
終身会員であるため、原則として生存中はアカデミーから脱退できない事になっている。しかし、ノーベル文学賞の選考基準をめぐって何度か会員相互に意見の対立があり、一部の会員が脱退宣言をしたり、意図して選考会議を欠席するような事態に陥った事もある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- スウェーデン・アカデミー (Svenska Akademien) 公式サイト