ジーメンス (単位)
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ジーメンス(siemens、記号:S)は、コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンスの単位で、モーに代わって用いられるようになったSI組立単位の一つである。その名はドイツの物理学者ヴェルナー・フォン・ジーメンスにちなむ。
[編集] モー
コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンスの単位として、かつてモー (mho) が用いられていた。これはオーム (ohm) を逆につづったもので、ムオーと読まれることもある。1モーは1ジーメンスに等しい。単位記号は Ω を上下逆さにした ℧ を用いた。この特異な記号は、手書きで代数を用いて計算をするとき S(ジーメンスの単位記号)よりも変数と見誤りにくいという利点がある。
すでにジーメンスは科学一般や電気・電子工学の分野で広く用いられているが、モーは「モー特性」といった電力工学分野の用語にいまもその名を残している。
[編集] 関連項目
名称 | 記号 | 次元 | 物理量 |
---|---|---|---|
アンペア(SI基本単位) | A | A | 電流 |
クーロン | C | A·s | 電荷・電気量 |
ボルト | V | J/C = kg·m2·s−3·A−1 | 電圧・電位 |
オーム | Ω | V/A = kg·m2·s−3·A−2 | 電気抵抗・インピーダンス・リアクタンス |
オーム・メートル | Ω·m | kg·m3·s−3·A−2 | 電気抵抗率 |
ワット | W | V·A = kg·m2·s−3 | 電力・放射束 |
ファラド | F | C/V = kg−1·m−2·A2·s4 | 静電容量 |
ファラド毎メートル | F/m | kg−1·m−3·A2·s4 | 誘電率 |
逆ファラド(ダラフ) | F−1 | kg1·m2·A−2·s−4 | エラスタンス |
ボルト毎メートル | V/m | kg·m·s−3·A−1 | 電場(電界)の強さ |
クーロン毎平方メートル | C/m2 | C/m2= m−2·A·s | 電束密度 |
ジーメンス | S | Ω−1 = kg−1·m−2·s3·A2 | コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンス |
ジーメンス毎メートル | S/m | kg−1·m−3·s3·A2 | 電気伝導率(電気伝導度・導電率) |
ウェーバ | Wb | V·s = kg·m2·s−2·A−1 | 磁束 |
テスラ | T | Wb/m2 = kg·s−2·A−1 | 磁束密度 |
アンペア(アンペア回数) | A | A | 起磁力 |
アンペア毎メートル | A/m | m−1·A | 磁場(磁界)の強さ |
アンペア毎ウェーバ | A/Wb | kg−1·m−2·s2·A2 | リアクタンス |
ヘンリー | H | Wb/A = V·s/A = kg·m2·s−2·A−2 | インダクタンス |
ヘンリー毎メートル | H/m | kg·m·s−2·A−2 | 透磁率 |
(無次元数) | χ | - | 磁気感受率 |