ジオキサン
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1,4-ジオキサン | |
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IUPAC名 | 1-4-Dioxane |
分子式 | C4H8O2 |
分子量 | 88.11 g/mol |
CAS登録番号 | [123-91-1] |
形状 | 無色透明の液体 |
密度と相 | 1.033 g/cm3, |
融点 | 11.8 °C |
沸点 | 101.1 °C |
SMILES | C1OCCOC1 |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
ジオキサン(英:Dioxane)は一般的に1,4-ジオキサン(p-ジオキサン)のことを指し、これは常圧常温において無色透明の液体である有機化合物である。分子式はC4H8O2である。よく非プロトン性溶媒として用いられる。1,4-ジオキサンはジエチルエーテルの臭気を弱くしたような臭気を持つ。構造異性体として1,2-ジオキサンと1,3-ジオキサンを持つ。
1,4-ジオキサンはエーテル類に分類され、2つの酸素原子の両方がエーテル基を形成している。4つの炭素原子と1つの酸素原子を持つジエチルエーテルよりも極性は強い。ジエチルエーテルは水に溶けにくいが、1,4-ジオキサンは水と混合しやすく、吸湿性もある。ジエチルエーテルよりも高い極性であり、かつ若干大きい分子量を持つため、両者を比較すると沸点が高い。
ダイオキシン(英:dioxin)も2つのエーテル基を持つが、ジオキサン(英:dioxane)とは全く別の化合物であることに注意しなければならない。
[編集] 安全性
長期間空気に晒しておくと、他のエーテル類と同じく爆発性の過酸化物を生成する。ジオキサンを蒸留すると、これらの過酸化物が濃縮されて危険なことがあるため予め注意しておくべきである。可燃性液体であり、日本では消防法により危険物第4類(第一石油類)に指定されている。またPRTR法第1種指定化学物質でもある。
国際がん研究機関(IARC)により、グループ2B(ヒトに対する発癌性が疑われる)に分類されている物質である。