シースカウト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シースカウト(Sea Scouts)は、1908年に結成された国際的なスカウト運動のひとつ。
その活動は、カヤック、カヌー、帆船、その他の手漕ぎ舟などによる、海洋、河川、湖沼など水に基づく活動に特化しているのが特徴である。シースカウトは、帆走、ボートによる巡航、航海術、エンジンの働きなどを学ぶ機会を提供するが、所属する国および利用できる水圏(海、湖、川など)、船舶の大小などによって、活動の内容は異なっている。
またシースカウトは、しばしばレガッタ競争(ボートレース)に参加することでも知られる。
目次 |
[編集] 歴史
シースカウトの活動は、全てのスカウト活動の中で最も古いプログラムのひとつであるともいえる。
スカウト運動の創始者、ロバート・ベーデン=パウエル(B-P)卿は、彼の家系である海軍の伝統の中で成長した(彼の母方の祖父は、ウィリアム・スマイス提督である)。
1872年、15歳だったB-Pは、兄の折り畳み式のカヌーによるクロスカントリー旅行に同行した。彼らは、テントに泊まり、焚火で料理した。このことから、B-Pが後日、自らのスカウトとしての生涯はシースカウトとして始まったと書いたのも少しも不思議ではない。
イングランドで実施されたキャンプファイアにおいて、「より年長のスカウトたちはボートの管理および船舶操縦術について学ぶことに興味をもってほしい」という希望をB-Pが表明したとき、シースカウトはその活動をスタートすることとなった。
彼は、青年たちが自国の艦船上における役務に従事する準備を彼ら自身でさせることに重きを置いた。
シースカウト活動は、B-Pの兄、ワーリントン・ベーデン=パウエルによって導かれることとなった。
1908年8月、B-Pは、イギリス・ハンプシャーのBucklers Hardで個人的なキャンプを行い、それがシースカウト(ただし1912年まで公式に名付けられることはなかった)のスタートとなった。
ワーリントン・ベーデン=パウエルは、シースカウトのハンドブック「シースカウティング・アンド・シーマンシップ・フォア・ボーイズ(Sea Scouting and Seamanship for Boys)」を1910年に書き上げ、それにはB-P卿による前文が付けられた。この本は、英国の青年たちに熱狂的に受け入れられ、すぐに他の国々へも広がっていった。
ワーリントン・ベーデン=パウエルは、また「Canoe Travelling:Log of a Cruise on the Baltic, and Practical Hints on Building and Fitting Canoes」の著者でもある。
[編集] 日本におけるシースカウト
[編集] ユーロシー(Eurosea seminar)
ユーロシーは、ヨーロッパ地域スカウト機構が3年ごとに開催するシースカウトの大会である。開催国と年度は以下の通り。
- Eurosea 1、1985年:テッサロニキ(ギリシャ)
- Eurosea 2、1988年:Harderhaven(オランダ)
- Eurosea 3、1992年:バサロ(スウェーデン)
- Eurosea 4、1994年:ロンドン(イギリス)
- Eurosea 5、1997年:オスロ(ノルウェー)
- Eurosea 6、2000年:オリュシュティネク(ポーランド)
- Eurosea 7、2003年:Sao Jacinto、Aveiro(ポルトガル)
- Eurosea 8、2006年:Korpoo(フィンランド)