シュコツィアン洞窟群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シュコツィアン |
|
シュコツィアン洞窟内のレーカ川 | |
(英名) | Škocjan Caves |
---|---|
(仏名) | Grottes de Škocjan |
面積 | 413 ha |
登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | 自然遺産(7), (8) |
登録年 | 1986年 |
拡張年 | |
IUCN分類 | III(天然記念物) V(景観保護地域) |
備考 | |
公式サイト | ユネスコ本部(英語) |
シュコツィアン洞窟群(スロベニア語 Škocjanske jame ; イタリア語:Grotte di San Canziano)は、スロベニア南部のクラス地方(Kras, カルスト地方)にある鍾乳洞群である。ここには、ドリーネ(doline)と呼ばれる地底湖群、約5kmに及ぶ地下通路、深さ200m以上の洞穴群、滝などが含まれており、独特の景観を呈している。この地方は「カルスト地形」の語源になっていることからも明らかなように、カルスト現象研究のための世界的に知られた場所になっている。
1986年に、ユネスコの世界遺産に登録された。2007年の第31回世界遺産委員会終了時点では、スロベニア唯一の世界遺産である。
目次 |
[編集] 洞窟群内の景観
- レーカ川
- シュコツィアン洞窟公園(Skocjan Caves Park, Škocjanske jame)のヴェリカ湖(Velika dolina)で地下に潜る洞窟内を流れる大河レーカ川は、地下を34kmにわたって流れ、はるばるアドリア海にまで達し、そこでティマヴ川(Timav River)の源流になっている。ヴェリカ・ドリーナの底から眺める大河は、地表から160m下にあり、壮観である。
- 鍾乳石などが織り成すいくつかの特徴的な景観には、それぞれあだ名が付けられている。
- ルドルフ大聖堂 - 石灰段丘
- 大広間
- 沈黙の洞窟
[編集] 歴史と伝説
シュコツィアン洞窟群のある一帯は、考古学的な出土品も豊富で、一万年以上前からこの地に人が住んでいたことを物語っている。'Mušja Jama'で見つかった遺跡は、青銅器時代末期から鉄器時代にかけて、ギリシャの影響を受ける形で、洞窟に寺院が作られていたことを示している。
この地方は、3000年ほど前にはヨーロッパ、特に地中海世界の重要な巡礼地のひとつであったと考えられている。その地底奥深くへとぽっかり口をあけた景観は、死後の世界や先祖の霊魂との交流に結びつくものと考えられた。
[編集] 登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
- (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
- (8)地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。