シュアファイア
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シュアファイア(Surefire)は、米国SureFire, LLCの製造する懐中電灯のブランド。光源はキセノン球やクリプトン球タイプからLED、HID球タイプまであらゆる種類を取り揃え、大きさも手の中に収まる小型懐中電灯からショルダーベルトで携行する大型バトンライトまで、幅広く多くの種類のライトを手がける。その信頼性、安定性から、各国の軍隊や警察の標準装備として幅広く採用されている。価格は6000円台から数万円を中心とし、50万円を超えるものまで販売された。
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[編集] 特徴
シュアファイアの登場以前はヘビーデューティーなフラッシュライトとしてマグライトが広く利用されてきたが、マグライトは本体が大きく、その光量は時として不十分であった。シュアファイアは後述のように強力な電球とリチウム電池を用いることで、均一に明るい強力な光を発することができ、しかも従来のマグライトに比べて大幅に小型化された。
2008年現在、シュアファイアからは大きく分けて2種類の製品が販売されており、通常の懐中電灯のように手に持って使うタイプと銃の銃身などに固定するタイプが存在する。
懐中電灯本体には軍用規格に沿った航空機用アルミ合金(一部製品はより軽量な強化プラスチック)を使っており、軽く、かつ非常に丈夫である。また、高出力のキセノン球やクリプトン球を使うタイプでは電球の熱を懐中電灯本体ボデイで発散させているため、使用中には多少熱く感じることがある。あまりの高熱のためバッグ内等で連続点灯しているとガラスが変形することすらあり、新型や高級機のレンズは高耐衝撃・高耐熱のパイレックスガラスを使用している。その他、本体各部は2重のOリングで防水性を確保し(一部の製品)など、非常に信頼性の高い設計になっている。また、LEDを光源とする製品のほぼすべてにDCコンバーターが内蔵されており一定の明るさを保つことができる付加価値の高い設計になっている。
同社製品は型番や使用する光源によっては強力な光を発するため直視すると(太陽を直視したときと同じ様に)一時的に視界が奪われる事を利用して、夜間・室内戦闘時の目つぶしの代わりに利用されている。これを用いることで目つぶしされた側は一時的に思考停止や視覚を奪われた事による行動不能に陥る。その間に反撃されることなく拘束が可能になるため近年では非戦闘員を巻き込んだテロの急増とともにライトを使った戦術が一般化しつつある。
最近、米国務省の方針で輸出の制限をしている。特に紫外線、赤外線の照射できる製品やパーツが対象のようである。
[編集] 電池
Surefireの殆どの製品は、CR123リチウム電池を必要とする。注意点は次のとおり。
- 同じシリーズに乾電池の収納本数が異なる複数のモデルがある場合、電池は直列であり、収納本数が多いモデルほど明るくなる。
- 胴体を延長することで電池を多く収納し、より高性能なバルブを使用できるようにするコンバージョンキットが発売されている。
- 電池の自己放電が少なく、長期間保存可能(10年)である。災害時の備蓄用に向いている。
- 内蔵のDCコンバーターにより電池の放電寿命まで安定した明るさが保てるが、電池の特性により電池の寿命が尽きると突然暗くなって消灯してしまう。
- この種の電池は、一般に高価である(700~1200円)
- CR123型の充電電池の多くは満充電すると3.5~4.2Vほどにもなる。このため、LEDタイプではLED及びDCコンバーターが破損する恐れがある。フィラメントタイプに至っては充電電池を使用すると瞬時にバルブが焼損する。
- 電池の持ち時間は使用する光量、光源によって異なり、フィラメントタイプの製品では既定の出力で1時間、光量の調整が可能なシリーズでは戦術用に出力を増した場合20分程度しか連続使用できない。
[編集] 類似品
GENTOS社のSUPER FIREは、名前も外観も似ているが、surefireと関係はない。SUPER FIREは日常使用を前提にしており、過酷な環境での使用は考慮されていない。
[編集] 外部リンク
- SureFire社
- Surefire flashlight website index(日本代理店・東亜シンプソン社)
- 驚異の明るさでフラッシュライトの常識を覆す SURE FIRE(株式会社エス・ケー・シー)
- 懐中電灯趣味のサイト(個人)