シックスペンス・ノン・ザ・リッチャー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シックスペンス・ノン・ザ・リッチャー(Sixpence None the Richer)はアメリカのロックバンド。本来の発祥地はテキサス州ニューブラウンフェルスだが、後にテネシー州ナッシュヴィルへ移動した。バンド名は、C.J.ルイスの著書Mere Christianityに由来している。
このバンドの起源は、1990年代初頭、ギタリスト兼ソングライターのマット・スローカムが、教会のリトリート(retreat; 清修)で歌手リー・ナッシュに出会ったことにさかのぼる。彼らはデモを録音し(このときの録音は"The Original Demos"として出回っている)、1993年にR.E.X.レコーズからファーストアルバム"The Fatherless and the Widow"をリリースした。このアルバムには、スローカムのバンド"ラヴ・コーマ"のドラマーのクリス・ドッズが参加している。"The Fatherless and the Widow"を出した直後、スローカムはシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーに全力を注ぐべくラヴ・コーマを脱退した。1995年のアルバム"This Beautiful Mess"を出す時には、ギタリストとしてテス・ワイリーを、ベーシストとしてJ.J.プラセンシオを、ドラマーとしてデイル・ベイカーをそれぞれ迎えている。どちらのアルバムもプロデューサーはアーマンド・ジョン・ペトリだった。
1997年にはスティーヴ・テイラーのスクイント・エンターテイメントと契約し、セルフタイトルアルバム"Sixpence None the Richer"を出して徐々に幅広いファンを獲得した。この後、1999年にシングル盤"Kiss Me"をリリースして、一躍全米の脚光を浴びた。グラミー賞にノミネートされ、カナダやイギリスや日本やオーストラリアやイスラエルなど10カ国で放送回数第一位を記録(日本では"Kiss Me"の日本語版もリリースした)。この曲は『シーズ・オール・ザット』などの映画や、『ドーソンズ・クリーク』『サタデー・ナイト・ライブ』などのテレビ番組にも登場し、シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーの代表作となった。
しかし、大ヒットを記録したことによるCDセールスへのプレッシャーと、自分たちのやりたいこととのギャップに悩むようになり、2004年2月6日に解散を発表。
スローカムは新しいバンド"アストロノート・プッシャーズ"を始めた。ナッシュは2005年の秋にソロアルバムの録音に入り、2006年8月に"Blue on Blue"をリリースした後は母親業に専念。