サンジョヴェーゼ
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サンジョヴェーゼ(イタリア語:Sangiovese)は、イタリアのトスカーナ州を中心に作られている、赤ワイン用ぶどう品種である。現在、イタリアで最もポピュラーなぶどう品種であるばかりでなく、南北アメリカ大陸でも栽培され、イタリア起源のぶどう品種のなかでは、唯一国際的な品種になっている。
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[編集] 名前の由来
ラテン語:sangius(血液)とラテン語:Joves(ジュピター)の合成語とされており、ぶどう液が非常に濃い鮮やかな赤色をしていることによるという。
[編集] 起源
トスカーナ地方では、16世紀頃から栽培されていると見られている。最近のDNA鑑定により、この品種の「先祖」は、チリエジョーロとカラブレーゼ・モンテヌオヴォではないかとされている。
遺伝的に不安定で枝変わり(突然変異)が出やすい。同じトスカーナ州のシェーナ付近で作られているブルネッロ種や、アブルッツォ州で唯一赤ワインのDOCに指定されているモンテプルチアーノ種も、この品種の枝変わりまたは別名と見なされている。
[編集] ワイン
若いワインは、ブルーベリーやヴァイオレットのようなフローラル系の香りを持ち、非常に濃いルビー色で、酸味・渋みが強く刺激性の味わいがある。十分に熟成したものは、良く熟したプラムやプルーンなどの香りを持つコクのあるワインになる。
[編集] 栽培地域
[編集] イタリア
この品種が単独で用いられている高級ワインでは、トスカーナのDOCGワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとヴィーノ・ノビーレ・ディ・モンテプルチアーノがある。トスカーナで最もポピュラーなキアンディ(キャンティ)もこれを主体に作られているほか、最近話題に上ることの多い、スーパー・トスカーナもこれを中心に作られるものが多い。
IGTクラスでは、この品種名を名乗るセパージュワインがかなり出ている。