ゴートラ
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ゴートラ（gotra、系族）とは、インドのバラモン（ブラーフマナ）の氏族の総称。伝説的始祖を同一とする血縁集団のこと[1]。ゴートラ名は一般に、その人の家族からさかのぼることができる父系一族のうち最も古い祖先と考えられる聖仙（リシ）の名である[2]が、祖先から伝わる職業名や居住村名の場合もある。
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[編集] 概要
ゴートラ・リシは本来7であったというが、後世増加した[2]。たとえば、アトリを祖とするバラモンの家系の場合は、アートレーヤ（アトリの末裔）の氏族名を称する。日々の祭式においては、聖仙の名をとなえ、ひとりの聖仙の子孫は同じ氏族に属すると信じられ、同一氏族における結婚を禁じた[2]。いっぽう、ヒンドゥー社会では同一のジャーティ（カースト）のなかでの婚姻が推奨され、「ジャーティ内婚、ゴートラ外婚」が顕著に指向される[1]。族外婚はアーリヤ人のインド来住以前の慣習だったと考えられており、当初はゴートラもはじめはバラモンに限定されなかったと推定されるが、祭式にかかわるヴェーダ文献においてゴートラの制度がととのえられ、バラモンに限るものとされた。こんにちでは、ゴートラをもつものはバラモン（ブラーフマナ）のジャーティにほぼ限られている[1][2]。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 藤井毅『インド社会とカースト』山川出版社＜世界史リブレット86＞2007.12、ISBN 4-634-34860-8
- 辛島昇・前田専学・江島惠教ら監修『南アジアを知る事典』平凡社、1992.10、ISBN 4-582-12634-0
[編集] 外部リンク
- インド理解のキーワード——ヒンドゥーイズム——（山上證道）（京都産業大学『世界の窓』第11号）
