ケンタウルス座
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ケンタウルス座 (Centaurus) | |
略符 | Cen |
属格 | Centauri |
英語での意味 | the Centaur |
赤経 | 13 h |
赤緯 | -50° |
観測可能地域の緯度 | 30° - -90° |
正中 | 5月20日 |
広さの順位 - 総面積 |
9位 1060 平方度 |
明るい星の数 視等級 < 3 |
9
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最も明るい星 - 視等級 |
Rigil Kentaurus (α Cen)(リギルケンタウルス) -0.01 |
流星群 |
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隣接する星座 |
ケンタウルス座 (Centaurus) は星座の1つ。トレミーの48星座のうちの1つ。
目次 |
[編集] 特徴
ケンタウルス座は、南天の明るい星座である。ケンタウルス座α星は、リギル・ケンタウルス (Rigil Kentaurus) もしくはトリマン (Toliman) という固有名があるが、日本語では既に学名を訳さずそのまま読んだα Centauriというほうが通じやすい。この星は地球から4.22光年の距離にあり、太陽以外の恒星の中では地球から最も近い星である。
リギル・ケンタウルスは、プロキシマ・ケンタウリ (Proxima Centauri) という赤色矮星との連星である。プロキシマ・ケンタウリは約100万年でリギル・ケンタウルスの周りを公転すると考えられている。このプロキシマ・ケンタウリは太陽系から最も近い恒星で、くじら座UV型の変光星でもある。従ってプロキシマ・ケンタウリにはV645 Centauriという変光星名が付けられている。さらにリギル・ケンタウルスは太陽と質量・光度・直径がほぼ等しい黄色の主系列星と太陽の0.28倍の光度を持つ橙色の主系列星からなる実視連星である。このため、これらの星は三重連星ということになる。
なおβ星はハダル (Hadar) もしくはアゲナ (Agena) と呼ばれる青白い0.6等星である。ケンタウルス座で固有名がある星としては、他にγ星のムリファイン (Muhlifain) とζ星のアルナイル (Alnair) 、それにθ星のメンケント (Menkent) がある。
日本では星座の半分程度しか見えない場所が多く、全体が見えるのは沖縄県や小笠原諸島の一部地域のみである。
[編集] 主な天体
ω Centauri という、最も明るい球状星団がある。オメガ星団とも呼ばれる。ωという星のような名がついているのは、バイエルが星と誤って名を振ったためとされる。いて座のオメガ星雲と名称が似ているので注意する必要がある。
また、強力な電波を放出している事で有名なNGC5128、「ケンタウルス座A」とも呼ばれる楕円銀河がある。非常に特徴的な姿をしており、天体の真ん中を暗黒帯が横切っている。
その他、知られている中で一番低温の天体、ブーメラン星雲(温度1ケルビン、-272°C)がある。
[編集] 歴史
この星座は紀元前4世紀のエウドクソスと紀元前3世紀のAratusによる言及がある。プトレマイオスは、この星座の37の星のカタログを作った。
[編集] 呼称
日本では、センタウル座と呼んだ時代がある。
[編集] 神話
想像上の動物ケンタウロス(ラテン語読みでケンタウルス)が由来である。ケンタウロスが由来の星座はほかにもいて座がある。これらの2つの星座はその由来からしばしば混同された。いて座は、ケイロン(キロン)という名の、神の子たちを立派に育て上げたとされるケンタウロスで、ケンタウルス座は、ポロス(フォルス)という別のケンタウロスが由来だとされる。
ただし、英語版Wikipediaは、ケンタウルス座はケイロンだという説をとっている。英語版は、いて座もまたケイロンだという説をとっている。