グレムリン (映画)
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グレムリン Gremlins |
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監督 | ジョー・ダンテ |
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製作総指揮 | スティーヴン・スピルバーグ フランク・マーシャル キャスリーン・ケネディ |
製作 | マイケル・フィネル |
脚本 | クリス・コロンバス |
音楽 | ジェリー・ゴールドスミス |
撮影 | ジョン・ホラ |
編集 | ティナ・ハーシュ |
配給 | ワーナー・ブラザーズ |
公開 | 1984年6月8日 1984年12月8日 |
上映時間 | 106分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
制作費 | $11,000,000 |
興行収入 | $153,000,000 |
次作 | グレムリン2 新・種・誕・生 |
allcinema | |
IMDb | |
『グレムリン』(Gremlins)は1984年製作のアメリカの映画。ジョー・ダンテ監督。1990年同監督により『グレムリン2 新・種・誕・生』が制作された。
目次 |
[編集] キャスト
- ビリー・ペルツァー:ザック・ギャリガン
- ケイト・ベリンジャー:フィービー・ケイツ
- ランダル:ホイト・アクストン
- リン:フランシス・リー・マッケイン
- ルビー:ポリー・ホリデイ
- ピート:コリー・フェルドマン
- ギズモ(声):ホーウィー・マンデル
- ストライプ(声):フランク・ウェルカー
- グレムリン(声):フレッド・ニューマン、マーク・ドドソン、マイケル・ウィンスロー、ピーター・カレン、ボブ・バーガー、マイケル・シーハン
[編集] ストーリー
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
クリスマスに近いある日のこと、チャイナタウンにて息子・ビリーへのクリスマスプレゼントを探していた発明家の父は興味本意である骨董屋からモグワイと呼ばれる愛らしい姿をした不思議な生き物を購入する。しかし、そのモグワイの飼育には守るべき約束があり、『水に濡らさない』『明るい光に当てない』『夜12時以降は食事を与えてはいけない』という条件があった。しかし、次々と約束は破られていき、モグワイから5匹の分身が誕生してしまう。5匹は背中に白線を持つ1匹“ストライプ”をリーダーに凶悪な生物グレムリンとなり増殖、過激な悪戯で町を破壊していく。人間VSグレムリン、街を守るために今壮絶な戦いが始まる。
[編集] モグワイ
ノベライズされた際に追加された設定によれば、何世紀も前、宇宙の遥か彼方にある、科学が高度に発達した惑星で、モグターメンという科学者が、どんな気候や条件にも適応し、かつ繁殖可能な、性格温和で知的な生物“モグワイ”を作り出した。モグターメンは試しにその内の1匹(ギズモ)を地球に送り込み、そのモグワイが着いてしまった所が台湾。そこで中国人の老人に拾われて飼われるようになった。モグワイが持っていた下記の欠点は博士も予想していなかったというが、それではなぜ骨董屋の主人がこの欠点を知っていたかは不明である。
手足の指は4本だが、手先は器用。調整されていたギズモとは違い、増殖したモグワイは皆個体差が激しいが、リーダーの「ストライプ」を筆頭に(ギズモを除き)いたずら好きということは共通している。
[編集] 3つのルール
モグワイを飼う時は、以下の3点に気をつけなければならない。
- 光に当ててはいけない。
- 光が苦手なので、できるだけ暗い場所で飼うこと。特に太陽光には弱く、長い間当たると死んでしまう。
- 水をかけたり、濡らしてはいけない。
- 水がかかると細胞分裂を起こし、急激に繁殖する。また、それぞれのモグワイの個体差は大きい。モグワイ時は背中が痙攣を起こして、幾つもの毛玉が飛び出し、それが徐々に大きくなって新しい個体になる。グレムリン時は同じく痙攣を起こし、背中からコモリガエルのように小さな個体が這い出してそれが大きくなる。
- 真夜中(12時過ぎ)に食べ物を与えてはいけない。
- これだけは絶対に守らなくてはいけないルールである。可愛げがあると言えなくもないモグワイだが、これを破ると繭を介して変態を行い、凶暴な「グレムリン」に豹変してしまう。
[編集] ギズモ
ギズモ(Gizmo)とは、買ってきたモグワイに飼い主のビリーの父がつけた名前(「新製品」という意味)である。
身長10インチ(約25cm)、体重1.5kg。歌がうまい。性格は臆病でおとなしいが、恐怖を乗り越えて危機に立ち向かう勇気もある。(劇中に見せられたスポーツカーのラジコンを運転するシーンは一部のファンを魅了した。)
ちなみに、ギズモは12時を過ぎてからは食べ物を口にしようとしなかったので、あらかじめどうなるかを知っていたと思われる。
ストライプ率いるグレムリンの騒乱の後、モグワイの飼い主である骨董屋の主人の元に引き取られ、一緒に帰っていった。
[編集] グレムリン
モグワイが変態した姿。70cm程度に巨大化している他、頭部を除き体毛が無くなった代わりに全身は粘膜質の皮膚に包まれており、一部は角質化している。変態前に比べて一部を除き知能は低下してより本能のままの存在となっている。
劇中では見られなかったが、ギズモも(無理やりにでも食べさせれば)変態するものと思われる。
[編集] ストライプ
水をかけられたギズモから分裂した5匹のモグワイの内の一匹。頭頂部から背中にかけて白線を持つことからこう呼ばれる。触ろうとすると噛みつこうとするほどの獰猛な性格。仲間たちが次々と倒される中、ただ一匹だけ生き残るほどの強さを見せつけ、ビリーを追い詰めていくが、最後はビリーとの戦いの最中に再び水を飲んで増殖を図るも、ギズモの機転によって窓から差し込む日光を浴びせられ、溶けて死んでしまった。
[編集] 備考
映画公開当時は、日米経済摩擦が問題になっており、変身後のグレムリンは「集団で自分たちに危害を加える日本人」をイメージした、という説が噂された。これはグレムリンがチャイナタウン由来のものであることなどから想起されたものであると思われるが、物語のラストでチャイナタウンの老人がルールや自然との調和を重視しない(欧米)人を批判し「責任のない社会は希望のない社会。責任とは大事が起きる以前に賢明な行ないをする事。コトが起きた後でそうするのは経験であり反省だ」と述べたように、この噂は映画の本意ではないと言われている。
ジョージ・ガイプによるノベライズ版(訳:浅倉久志)によると、グレムリンは外宇宙より飛来した存在=宇宙人であるという設定であり、ギズモは劇中での凶暴なグレムリンのような悪意への衝動を理性によって抑え込んでいるという描写がある。このことからも、グレムリンのモデルは人間そのものであるということが出来る。