クラリネット協奏曲 (ニールセン)
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クラリネット協奏曲(くらりねっときょうそうきょく、Koncert for Klarinet og Orkester)op.57、FS.129は、1928年8月15日に完成したカール・ニールセンの最後の協奏曲であり、又、ニールセンのオーケストラを使用した本格的な最後の作品でもある。[1] 以前に作曲した協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、フルート協奏曲が2楽章制であるのに対し、この曲は単一楽章である。 この曲のクラリネット独奏はかなりの技巧を必要とすることでも有名である。
目次 |
[編集] 概要
ニールセンは親しかったコペンハーゲン管楽五重奏団のために管楽五重奏曲を作曲して大成功し、その後、団員全員のために協奏曲を作曲する計画を立て、[1]最初にフルート協奏曲を完成させた。その後、この計画の第2弾として完成したのがこのクラリネット協奏曲である。ちなみに、コペンハーゲン管楽五重奏団のクラリネット奏者はオーゲ・オクセンヴァド。
この曲の一番の特徴はフルート協奏曲と同じく楽器編成にあり、オーケストラ編成がとても小規模である。また、打楽器にティンパニを使用せず小太鼓のみを使用していることも風変わりである。しかし、この編成のおかげで極めて濃密な室内楽風の曲想となっている。
この曲の独奏クラリネットは、あまりにも難しく、音も演奏が難しい音ばかりを使っているので、贈呈されたオクセンヴァドは『こんな曲を作るニールセンは、さぞかしクラリネットが上手なのだろうな』と皮肉を言っている。
[編集] 曲の構成
この曲は単楽章であるが、大きくアレグロ・ウン・ポコとポコ・アダージョ、アレグロ・ノン・トロッポ、アレグロ・ヴィヴァーチェの4つの部分に分けられる。
又、全体的にヘ長調とホ長調の二つの調が衝突を繰り返しながら競り合い、最後にはヘ長調が勝利するが、このことについてR・シンプソンは多くの作曲家たちが調性を捨て、無調音楽へと向かっていったこの時代に、ニールセンは調性を独創的に使っていることを指摘している。
[編集] 楽器編成
独奏クラリネット(イ調)
[編集] 初演・出版
[編集] 世界初演
非公開の初演が1928年9月14日、オクセンヴァドの独奏、エミール・テルマニーの指揮で行われている。
その後、同じメンバーで同年10月2日、コペンハーゲンにて公開初演が行われている。
この時の批評はおおむね良かった。 ポリティケン紙は『...彼はクラリネットの魂を解き放った。野生の動物のような面を解き放っただけでなく、特別な種類の無慈悲な詩を解き放った。このような作品は、おそらく、このクラリネット協奏曲だけであろう。オクセンヴァドの調べは、トロルや巨人を思わせる。彼の響きには、素朴なデンマークの温和さと混じった、がっしりとした原始的な力がある。間違いなくニールセンはこの協奏曲を作曲する時に、オクセンヴァドの独特なクラリネットの調べを頭に描いていたにちがいない』と書いている。
[編集] 出版
1931年、ダニア社
[編集] 録音
- このクラリネット協奏曲が収録されている主なCDの一部
- マイヤー独奏、ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(参照↑ 参照↑)
- スタンリー・ドラッカー独奏、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(参照↑)
- リチャード・ストルツマン独奏、ローレンス・レイトン・スミス指揮ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団(参照↑)
- ベニー・グッドマン独奏、ジャン・マルティノン指揮シカゴ交響楽団(参照↑)
- マルティン・フレスト独奏、オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団(参照↑)
- フランツ・レムザー独奏、ブロムシュテット指揮デンマーク放送交響楽団(参照↑ 参照↑)
- クッレルボ・コヨ?独奏、ユッカ=ペッカ・サラステ指揮フィンランド放送交響楽団(参照↑)
- バンクス独奏、バークルス指揮ボーンマス交響楽団(参照↑ 参照↑)
- ジョン・マッコウ独奏、レイモンド・レッパード指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(参照↑)
- Niels Thomsen独奏、ショーンヴァント指揮デンマーク放送交響楽団(参照↑)
- J・ヒルトン独奏、M・バーメルト指揮ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団(参照↑)
- ????独奏、サロネン指揮スウェーデン放送交響楽団(参照↑)
- オーレ・シール独奏、チョン・ミュンフン指揮エーテボリ交響楽団(参照↑)
[編集] 注釈
[編集] 参考文献
- 作曲家別名曲解説ライブラリー18「北欧の巨匠」(1994年 音楽之友社)ISBN 4276010586
[編集] 関連項目
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ヴァイオリン協奏曲 - フルート協奏曲 - クラリネット協奏曲 |