ギャンブル依存症
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ギャンブル依存症(-いそんしょう、いぞんしょう)は、依存症の一種で、ギャンブルによって得られる精神的高揚に強く囚われ、自らの意思でやめることができなくなった状態を指し、強迫的にギャンブルを繰り返す精神疾患である。
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[編集] 概要
世界保健機関(WHO)が認定しているれっきとした病気であり、正式な診断名は「病的賭博」である。日本では公認されたパチンコ・パチスロ・競馬・競輪・競艇などによっても依存症状を発生させる者もいるが、カジノなどの認められている地域では、これらカジノの提供しているギャンブルによって依存症に陥るケースも多々報告されている。なお日本でも暴力団などの提供する非合法賭博の問題もあり、古くはそういった非合法賭博の高い賭け率が参加者を熱中させ正常な判断を誤らせるとみなされていた。
こと過剰な射幸心から大儲けを目論んで無理な賭け方をしたり、または過去の債務を弁済できるほどの大当たりを期待して高い配当率にのみ注目するような傾向から負債を増やす傾向があり、これによって多重債務などを抱え、経済的にも困窮するケースがみられる。
債務の問題では、簡便に金銭が借りられるクレジットカードや消費者金融(日本ではいわゆる「サラ金」)を利用したり、あるいはヤミ金などの非合法金融から借金をしてでもギャンブルに熱中し、失職したり、欝病発症の引き金になることも多い。また、依存状態にある本人のみならず家族もトラブルに巻き込まれたり葛藤を生むことがあり、家庭不和から離婚に発展するケースも少なくない。また借金苦から逃れるために道徳心が希薄になり、詐欺や横領などの犯罪に走るケースも散見される。
日本でも増加しており、推測で患者数は200万人を突破していると考えられている。誰もがなる可能性があり、知らず知らずのうちにはまる病気である。特にパチンコ・パチスロでは一般に広く普及しているため、これに関連して「パチンコ依存症」など社会問題として認識されている一方、パチンコの業界団体でも依存者に対する依存症脱出のための情報提供を行っている(→パチンコ)。
[編集] 原因
抑圧された感情をうまく吐き出せず、ギャンブルで発散しているケースが多い。同じ依存症でも摂食障害やアルコール依存症などは広く認知されており、周囲も気づきやすいが、ギャンブル依存症はまだ認知度が低いため、病気であることが認識されず症状が進行しがちである。
この病気の難しさは、この「病気としての認知度が低い」という点にあり、すでに自力で抜け出せない状況に陥っているにもかかわらず、本人はいつでもやめられると考え、他者の助言に耳をかさず、病気であることを自覚しないこと、また周囲が病的な状態だとみなしても病気そのものだとは考えていないために治療を受けさせる機会が遅れる場合もあることである。
[編集] 治療
特効薬はなく、同じ悩みや体験を持つ患者同士で話し合うことにより病気についての理解と自覚を深めることができる、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)と呼ばれる自助グループに参加するのが有効される。新しい生き方や価値観などを発見することにより、ギャンブルからの脱却が可能になる。この病気が疑われる場合には、経済的な損失が取り返しのつかない段階になる前に、早急に精神科を受診し、治療を開始すべきである。
自己の症状をきちんと認識することがこれら症状の治療の上で重要であり、日本では先にあげたパチンコ業界団体ウェブサイトなどで簡易チェックリストが用意され、これを利用することで自分の状態を客観的に認識することが期待される。
このほか、社会的な取り組みとして、地域によってはそういった依存者に無理な融資を禁止しているケースも見られる。