キャンディード
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『キャンディード』は、ヴォルテールの『カンディード或は楽天主義説』(Candide, ou l'Optimisme)を原作とした舞台演劇である。ジャンルに関して一意に分類することは難しく、ミュージカルともオペレッタともライト・オペラともコミック・オペラとも、あるいは(純粋な)オペラともいえる。
原作と舞台では日本語の題名・登場人物の呼称が一部異なっている。以下、「キャンディード」は舞台作品を指し、「カンディード」は原作を指す。
目次 |
[編集] 概要
脚本はリリアン・ヘルマンが手がけ、音楽は レナード・バーンスタイン (Leonard Bernstein) が作曲し、作詞は主に リチャード・ウィルバー (Richard Wilbur) が担当し、スティーヴン・ソンドハイム (Stephen Sondheim)、バーンスタインらによって補筆がなされている。
特に序曲が有名で、他にアリアとして'Glitter and Be Gay'、自分の生き方に目覚めたキャンディードが全員とともに歌って大団円を迎える'Make Our Garden Grow'などが著名である。
1956年に初演されたが、この時は興行的には失敗であった。以後改訂が重ねられ、バーンスタイン自身による1989年の改訂が完全版とされている。
吹奏楽へは、序曲およびClare Grundmanによる5曲を抜粋した組曲の編曲がある。
[編集] 主な登場人物
- キャンディード
- テノール、主人公
- クネゴンデ
- ソプラノ、キャンディードの恋の相手(原作ではキュネゴンド)
- パングロス博士
- バリトン、キャンディード、クネゴンデの家庭教師
- オールドレディー
- ソプラノ、原作では老婆
- マキシミリアン
- テノール、クネゴンデの兄(原作では名前がない)
- パケット
- ソプラノ、クネゴンデの家の小間使い
- ヴォルテール
- 原作者。歌わないが「狂言回し」的な役割。演奏会形式ではナレーターがこれに代わる
[編集] 製作の経緯
ミュージカル『オン・ザ・タウン』などで作曲家として成功を収めたバーンスタインは、劇作家リリアン・ヘルマンの勧めで「カンディード」の舞台化に着手した。このとき、ウエスト・サイド物語も同時に手がけていたが、これを後回しにした。
ヘルマンとバーンスタインが興味を持ったのは、それぞれが赤狩りの影響で迫害されたことから、出版と同時に弾圧を受けながらも読み継がれた原作の精神に共鳴したからとされる。特にバーンスタインは宗教裁判のシーンに興味を持ったとされる。
しかしながら興行的には十分な結果を収めたとは言えず、短期間の上演で打ち切られた。以後、改訂を繰り返すがバーンスタインはこれに加わらず、1989年にバーンスタインも加わって大幅な改訂を行い、演奏会形式で上演された。バーンスタインはこの作品のことを「靴の中の小石」と形容し、改訂に意欲的だったという。
[編集] 曲目
以下は1989年版による
- Overture
- Westphalia Chorale
- Life Is Happiness Indeed
- Best Of All Possible Worlds
- Universal Good
- Oh, Happy We
- It Must Be So(Candide's Meditation)
- Westphalia
- Battle Music
- Candide's Lament
- Dear Boy
- Auto-Da-Fe(What A Day)
- Candide Begins His Travels; It Must Be Me(2nd Meditation)
- Paris Waltz
- Glitter And Be Gay
- You Were Dead, You Know
- I Am Easily Assimilated(Old Lady's Tango)
- Quartet Finale
- Universal Good
- My Love
- We Are Women
- Pilgrim's Procession-Alleluia# Quiet
- Introduction To Eldorado
- Ballad Of Eldorado
- Words, Words, Words
- Bon Voyage
- Kings' Barcarolle
- Money, Money, Money
- What's The Use
- Venice Gavotte
- Nothing More Than This
- Universal Good
- Make Our Garden Grow