キバウミニナ
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?キバウミニナ | ||||||||||||||||||
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キバウミニナ(西表島 マングローブ林床にて |
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Terebralia palustris L. | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
キバウミニナ(牙海蜷) |
キバウミニナ(牙海蜷、学名Terebralia palustris)は、東南アジアからオセアニアにかけての干潟、特にマングローブに多い巻貝の一種。新生代の化石として発見されるビカリア (Vicarya sp.) は近縁種。
目次 |
[編集] 特徴
甲長は10cmを超える大型の巻貝。マングローブ林の泥底を這い、その落葉を直接摂食する。稚貝のうちは多くのウミニナ科の巻貝と同様に主にデトリタスを摂食するが、やや大きくなると落葉の表面を削り取るようになり、成貝は落葉を端から噛み切って摂食する。成貝の歯舌は鋭く刃物のようであり、硬いマングローブの落葉を効率よく切断することができる。さらに切断された葉から溶出するモノテルペン混合物に誘引され、個体数が多い生息地では、一箇所に大量に集中することがある[1]。摂食効率のみならず本種のβ-グルコシダーゼ活性は高く、落葉のセルロースを効率よく分解することができることから、マングローブ林の炭素循環に重要な役割を持っていると考えられる[2]。
[編集] 分布
西太平洋からインドの熱帯、亜熱帯のマングローブ林に分布する。
[編集] 日本における生息地
沖縄島北部及び八重山諸島(石垣島、西表島及び小浜島)で確認されているが、自然分布は八重山諸島の西表島及び小浜島であると考えられている(以下を参照)。マングローブ林の林床に群れをなしていることが多い。
八重山諸島の西表島及び小浜島のマングローブ林のみに分布することが知られていた[3]が、近年石垣島の名蔵アンパル及び川平湾河口[4]、宮良川河口[5]でも生息が確認されている。なお、小菅(2005)によると、名蔵アンパル及び川平湾河口の個体群は人為移入の可能性が高く、その時期は1988年以降であると考察している。一方、小菅(2006)によると、宮良川河口の個体群は2001年及び2005年に確認しており、それらが幼貝のみであるため浮遊幼生が定着した自然分散の可能性が高いと考察している(ただし、どこから分散したかははっきりしていない)。また、沖縄島北部の大宜味村田嘉里川河口で1個体が採取されたこともあるが、人為的な持ち込みの可能性が高い[6]ため、琉球諸島における自然分布は八重山諸島のみと考えられている[5]。
[編集] 利用
希少種であり、漁獲対象とはならない。また当然のことながら、食に関しての安全性は確認されていない。
[編集] 保護上の位置づけ
- 絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
[編集] 脚注
- ^ キバウミニナの食物誘引物質、摂取速度、及び歯舌形態の変化(pdf) 亜熱帯総合研究所 平成13年度報告
- ^ マングローブ生態系の炭素循環におけるキバウミニナの役割 日本土壌肥料学会講演要旨集 No.45(19990725) p.46
- ^ 西平守孝(1975)『八重山の潮間帯 - 1975』 琉球大学海洋保全研究会.
- ^ 小菅丈治(2005)『石垣島名蔵アンパル湿地に定着したキバウミニナ個体群』 南紀生物, 47:107-111.
- ^ a b 小菅丈治(2006)『石垣島宮良川河口に出現したキバウミニナ』 沖縄生物学会誌 44:35-37.
- ^ 久保弘文(1996)『沖縄島北部で発見されたキバウミニナの生貝』 ちりぼたん日本貝類学会誌, Vol.26, No.3・4, pp.85-87