カミヨミ
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カミヨミ(かみよみ)は柴田亜美が月刊Gファンタジーで連載中の漫画である。ドラマCD化もされている。
目次 |
[編集] あらすじ
[編集] 赤間関編
時は明治。帝都を遠く離れた山口県の村が一夜にして全滅する事件が起きる。陸軍特秘機関零武隊が事件の調査に乗り出し、零武隊隊長の息子日明天馬も友人帝月、瑠璃男と共に赤間関(今の下関市)に呼び寄せられる。そこで彼らが目にしたのは"この世にあってはならないもの"だった!
[編集] 天狗の神隠し編
菊理の死から立ち直り、自らの意思で零武隊に入隊した天馬。その最初の仕事は、帝国兵士の遺体が発見された京都・鞍馬山の捜索だった。天馬のお目付け役として、帝月・瑠璃男も同行するのだが、事件を調べていくうちに、帝国軍部すら揺れ動かす程の天狗達による軍幹部殺害事件の陰謀に巻き込まれてしまう。
[編集] 銀狼館の獣編
天馬・帝月・瑠璃男に八俣八雲の4人は、日明 蘭の厚意で、四国の山中にある銀狼館で休暇をとる事に。そこで天馬達は、銀狼館当主・崎浜加冶と妻の朝比奈、娘の文石と出会うのだが、実は銀狼館は、天馬の前に4人の零武隊の密偵を送ったものの、生きては帰っていない館であった。
[編集] 沈黙の毒編
[編集] 登場人物
声はドラマCDのもの。
[編集] 主要人物
- 日明天馬(ひあき てんま)
- 声:入野自由
- 本編の主人公。武家の名門、日明家の子息。14歳。真面目で一本気、正義感の強い心優しい少年だが、その人のよさゆえに母の蘭の他、色んな人間に容易く騙されてしまうことも多々ある。当代きっての天才的な剣の腕前の持ち主だが、有り余る強さを制御できず、6歳という幼さで人を斬り殺してしまう。以来剣を抜くことを一切拒絶していた。
- 菊理(くくり)
- 声:名塚佳織
- カミヨミの一族の姫であり、カミヨミの術の正当な継承者。天馬の許婚。美しく、菩薩のような穏やかさと芯の強さを持ち合わせている少女。天馬とは強い愛情で結ばれている。時折零部隊からヨミを依頼され、事件解決の協力をしている。
- 赤間関編で月輪・草薙ノ剣に体を乗っ取られた天馬と対峙し日輪・草薙ノ剣を操り戦う。天馬により月輪・草薙ノ剣で胸を突かれるも天馬の右腕を斬りその身に月輪・草薙ノ剣を封じた。
- 最期はカミヨミの糸で切断された天馬の右腕を治し息を引き取った。
- 帝月(みかづき)
- 声:皆川純子
- カミヨミの一族の鬼子。菊理の双子の兄で、容姿は菊理と瓜二つである。温厚な妹と違い傲岸不遜、唯我独尊を地で行く性格で根っからの女王様気質。天馬と瑠璃男を「自分の僕(いぬ)」と公言し、ことあるごとに我侭や悪戯で周囲を振り回す。しかし、無二の親友である天馬を菊理と共に命がけで守ると心に誓っており、瑠璃男のことも内心は一番の僕(いぬ)として絶対の信頼を寄せている。聡明な頭脳と抜群の推理力の持ち主でもあり、妖怪や日本古来の伝説に関する含蓄も深い。同作者のあやかし天馬にも出ている。いわばスターシステムである。
- 相馬瑠璃男(そうま るりお)
- 声:遊佐浩二
- 菊理と帝月が世話になっている近円寺家の使用人。笹竜胆紋の刀を持つ。幼い頃に帝月に拾われて以来、彼に絶対の忠誠を誓っている。帝月を「坊ちゃん」と呼び、彼の僕(いぬ)であることに最上の喜びを感じている。
- 源義経の直系の子孫であり、彼の持つ笹竜胆の刀は祖先・義経の形見刀。
- 八俣八雲(はちまた やくも)
- 声:緑川光
- 東京警視庁総監。オカマ口調で勝手に天馬を愛しているアブナイ男。瑠璃男からはオカマッポと呼ばれている。ただし、天馬を愛する気持ちと同じくらいに悪を憎む気持ちは誰にもひけを取らない。赤間関編では一発で江崎の脳天を撃ち抜く程の射撃の腕を持っている。
- 日明蘭(ひあき らん)
- 声:榊原良子
- 天馬の母親にして、零武隊隊長。階級は大佐。零武隊隊員すら恐れおののくくらいの鬼神の如く強く冷徹で厳しい女性だが、その反面、菩薩の様な優しさをもつ。真っ白な軍服を着ているのは、どんな修羅道でも己の潔白の意思を貫くという信念から。母親からは花嫁衣裳、父親からは武者鎧をもらった(丸木戸談)と言う過去をもっている。
- 丸木戸龍彦(まるきど たつひこ)
- 零武隊に所属している教授。医学に精通している。かなりのマッドサイエンティストであるが、父親と比べるとまだ常識人。天馬同様、親がかなり苦手である。
[編集] 零武隊
- 毒丸(どくまる)
- 名の示す通り毒のエキスパート。常に携帯している鞭の先には、人間一人を楽に殺せる毒が塗られてある。
- 元は清国人で、幼少の頃に親に口減らしで売られ、以後は盗賊団に身を置いていた。毒を飲み続けたため、彼にはどんな毒も通用しない。盗賊団の仲間を蘭に殺されたとして単身蘭に挑む。しかしそこで蘭の深い優しさに心を打たれ、彼女と共に世界を見てみたいと、彼女の部下となり、盗みから足を洗った。
- 鉄男(てつお)
- 丸木戸教授によって体の一部を機械化された巨漢。8年前に天馬に挑んだ零部隊の隊員の一人であり、両腕が機械であるのはその為である。
- 茶羅(ちゃら)
- 通称:顔無しの茶羅。顔だけではなく、体型も自由自在に変えることができる変装の達人。
- 激(げき)
- 現朗(うつろう)
- 炎のことは炎さんと呼ぶ。物知り。得物は剣。
- 炎(えん)
- 平然と酷いことや、冗談に聞こえない冗談ををいう。自分に害のある物やことを極端に嫌う。下手に出られるのは好き。
- 真(しん)
[編集] 赤間関編
- 平良土岐子(たいら ときこ)
- 赤間関の屋敷の主。物語最初の依頼主である。
- ツゲ
- 一級のヨミ師。ヨミの最中に強い念によって真っ二つに切り裂かれた。
- 佐次吉(さじきち)
- 平良家のある村の隣村に住んでいた漁師。
- 平良時仁(たいら ときひと)
- 平良土岐子の一人息子。祭りの予行練習中に、海に攫われ亡くなる。
[編集] 天狗の神隠し編
- 雄山巌(おやま いわお)
- 黒木武夫(くろき たけお)
- 陸軍第一師団長。階級は中将。
- 三浦楼(みうら ろう)
- 陸軍第三師団長。階級は中将。
- その正体は徳恩寺是正の最高傑作の鳶。本名は「本田楼」。三木とは同じ村の幼馴染で、咎隠しの子として村中から冷遇されるようになった後も自分を慕ってくれていた彼を、弟のように可愛がっていた。三木を捨て駒にされたことで激高し、育ての親である福島を殺害した。
- 最期は体に無理な負担を与え続けた為に体の限界に達し、バラバラに砕け散った。
- 福島清正(ふくしま きよまさ)
- 陸軍第四師団長。階級は中将。
- 天狗の神隠し編の首謀者であり、「本当の福島清正」を洗脳し自分と入れ替えた徳恩寺是正である。
- 最期は三木の事を雑兵呼ばわりしたことで三浦の逆鱗に触れ、心臓を貫かれた。
- 山本権三(やまもと ごんぞう)
- 飛天坊(びてんぼう)
- 魔王寺の僧。八俣とは昔からの腐れ縁である。天馬の父とも面識があった模様。
- 三木平助(みき へいすけ)
- 永沼義男(ながぬま よしお)
- 橘正史(たちばな まさし)
- 野津明(のづ あきら)
- 葉山圭吾(はやま けいご)
- 寅吉(とらきち)
- 徳恩寺是正(とくおんじ これまさ)
- 義経計画の首謀者の公家。軍によって攻められた後焼身自殺をした。
- 陰陽師の家系で、一族は鎌倉以前から続いていた模様である。
[編集] 銀狼館の獣編
- 崎浜文石(さきはま あやしの)
- 崎浜の娘。天馬に好意を抱いていた。獣のような行動や仕草をする。
- その正体は半人半狼の一族の血を引く者である。
- 半人半狼の一族は人肉を食べないと成長することが出来ない。人肉を喰らうことを嫌悪していた文石は人の生き血をすするだけしかしていなかったので、今まで成長できておらず実年齢は30近くになる。
- 最期は最愛の人を守るために自ら獣の姿になり果て、その後「もう人間には戻れない」と言い残し天馬たちの前から消えた。
- 崎浜加治(さきはま かじ)
- 銀狼館の主。
- 崎浜朝比奈(さきはま あさひな)
- 崎浜の妻。その美貌と崎浜の風貌から地元住民からは互いに美女と野獣に例えられている。
- 文石の双子の妹。姉の文石とは対照的に年端もいかぬ頃から人肉を喰らい年相応の成長をしている。獣としての本能を抑えてまで人肉を喰らうことを嫌悪する文石を疎ましく思っていた。
- 最期は天馬を襲おうとした所を獣と化した文石に喉を噛まれ崎浜の傍で絶命した。
- 淡菊(あわぎく)
- 崎浜の元妻であり文石の母。文石達を生んだ後衰弱し死亡した。
- 島津龍平(しまづ りゅうへい)
- 前田一秀(まえだ かずひで)
- 笠井武(かさい たけし)
[編集] 沈黙の毒編
- 呂雉(リュヅ)
- 張良の娘。15歳。毒丸のことを「毒丸おじちゃん」と呼んでいる。
- 張良(ツァンリァン)
- 毒丸が清にいた頃の野盗仲間で、兄弟同然に面倒を見てくれていた人物。
[編集] 作品用語
- カミヨミ
- 死者の遺品から、死者の残した想いを聞くことが出来るヨミ師の頂点。正当な継承者は巫女になれる女性のみで、子を産むとすぐに死ぬ運命にある。
- 零武隊(ぜろぶたい)
- 日本陸軍の特秘機関。表沙汰に出来ない事件を裏で解決し無かったことにする。
- 同じ陸軍からは警察よりも嫌われている。
- 草薙ノ剣(くさなぎのつるぎ)
- 古来より日本に伝わる三種の神器の一つ。本作品では宮中に代々伝えられてきた日輪の剣(にちりんのつるぎ)と、平家一族と共に壇ノ浦に沈んだ月輪の剣(げつりんのつるぎ)の2本が存在するという設定。月輪の剣は邪悪な意思を持っており、自らの野望の為に日輪の剣を狙う。この構図は、PAPUWA等に出てくる赤と青の秘石を思わせるものとなっている。