エンスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エンストは、使用者の意図に関わりなくエンジンが停止する現象をいう。英語で言えばengine stall (「エンジンストール」)、和製英語ではエンジンストップと呼ばれるもので、エンストはこれらを縮めた日本語であるが、エンジンストップという言葉には、意図的にエンジンを停止させるという意味に使われることも多い為、注意が必要である(エンジンストールの場合はそういう意味は含まない)。
[編集] 概要
エンストの原因としてわかりやすいのは燃料の不足である。その他、MT車運転時に比較的多い状況として、発進時のクラッチ操作やギヤの選択を誤るとエンストを起こすことがある。直流電動機などと異なり、内燃機関は低回転でのトルクが小さいため(極端な場合だが、回転数0ではトルクは0になる)、エンジンが動き続けるには一定の回転数を維持する必要がある。ところが、発進するときなどは車輪は回っていないため、いきなりエンジンとつなぐと回転が遅くなって止まってしまう。MT車にはエンジンとトランスミッションをつないだり放したりするクラッチという機構があり、発進時には半クラッチという操作でこれを微妙につないで駆動力をタイヤに伝え、走り出してから完全につなぐように操作する。AT車では、多くの車の場合トルクコンバータを使うので、このような現象は起こらない。他にも、エンジンの点火プラグやエアフロが汚れていたり、エンジンコントロールユニット(ECU)の整備不良などで、燃調が狂っていたりするとエンストする。