アイドリングストップ
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アイドリングストップ(英語:idle reduction)とは、自動車やオートバイが無用なアイドリングを行わないことである[1]。アイドルストップ、停車時エンジン停止とも呼ばれる。
これには駐停車に伴う比較的長時間のものと、信号待ち等による短時間のものの2つがある。いずれにおいても、エンジン停止による燃料節約と排ガス削減の効果が期待されている[2]。
バス車両において、このアイドリングストップ機能を有する車両を「アイドリングストップバス」と称すこともある。
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[編集] 概要
最初に導入されたのは1958年の西鉄バスといわれ[3]、当時は燃料節約が目的とされた。1973年にはオイルショックが起き、更にその運動は加速化され、その後1980年代までに九州各地のバス事業者にも広まった。
近年の環境問題への意識の高まりや自動車排出ガス規制を受けて、アイドリングストップを自動的に行う機構を採用した車種が増えている。特にバスでは顕著で、路線バスは大型・中型系の新車にて2007年現在で100%[要出典]。
省エネルギーセンターによると、
- 「アイドリング・ストップが理想的に行われると、 14パーセント程度燃費が向上する」
- 「エンジン再始動時にかかる燃料と、5秒間エンジンを停止することで節約される燃料の量がほぼ等しいので、5秒以上停車する場合は、アイドリング・ストップした方が燃料消費が少なくなる」
としている[4]。
[編集] 法規制
東京都では、自動車及び原動機付自転車を駐停車したときのエンジン停止を義務づける条例[5]を2000年12月に制定、翌年4月に施行した[6]。
[編集] 自動アイドリングストップ機構
- 停車を検知してエンジンを停止。
- 発進動作を検知してエンジンを再始動。
- エアコンの使用中など、エンジンに負荷がかかっているときは停止させない。
メーカーや車種により動作基準は異なるが、概ね以上のような動作を行う。エンジンを再始動させる際は(通常のエンジン始動と同様に)セルモーターを用いる。
2005年にマツダがモーターを用いることなく、エンジンの筒内点火のみで再始動する「スマートアイドリングストップシステム」[7]を開発したことを発表している。
アイドリングストップ自動車・後付アイドリングストップ装置購入は補助制度があり、購入するアイドリングストップ車とベース車両の差額の半額が補助対象となる[8] 。
[編集] アイドリングストップの奨励
ドゥカティや、ヤマハ発動機では、大型自動二輪車クラスのオートバイでアイドリングストップを奨励している。理由としては燃費の向上のほか、アイドリングを長時間続けるとエンジンがオーバーヒートしてしまう為としている。ドゥカティの一部のモデルはサイドスタンドを立てただけでエンジンが停止する様に設計されておりアイドリングをなるべくさせない様になっている。川崎重工業のスーパースポーツモデル・レーサーレプリカモデルでは、指定された時間以上のアイドリングはエンジンを損傷するので厳禁する旨マニュアルに記載しているものがある(カワサキ・ZX12Rなどはアイドリングを長時間続けるとエンジンの熱がシート下のタンクに伝わり、熱くて座っていられなくなる事がある[要出典])。
[編集] 脚注
- ^ エコドライブの地球温暖化防止効果アイドリングストップの意義 太田勝敏、日本自動車工業会『JAMAGAZINE』 (2002年8月号)
- ^ 信号待ち等でのアイドリングストップの効果の推定 太田勝敏、日本自動車工業会『JAMAGAZINE』 (2002年8月号)
- ^ にしてつニュース -はなしの交差点-(西鉄バス)
- ^ 車が停止したらアイドリング・ストップ(財団法人 省エネルギーセンター)
- ^ 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(略称: 環境確保条例) 第52-54条
- ^ アイドリングストップの遵守(東京都)
- ^ スマートアイドリングストップシステム|低燃費・低排出ガス(マツダ)
- ^ 補助金交付申請の手引き(省エネルギーセンター)