エアロトレイン

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エアロトレインは、車両に取り付けた翼によって浮上走行する鉄道車両。東北大学流体科学研究所教授小濱泰昭の研究グループによって研究されている。

[編集] 概要

地面から浮いて走行する浮上走行鉄道は、従来の鉄道の高速化を妨げていた摩擦抗力を大幅に低減し、更なる高速化を目指して生まれた概念である。しかし実用化に最も近い磁気浮上式鉄道（リニアモーターカー）は、最高時速581km/hを記録する一方で浮上・推進に大電力を消費するため、環境負荷が高い。

そこで、高効率に浮力を発生できる翼を用いて効率的な浮上走行の実現を目指したのがエアロトレインである。今までの乗り物よりも高速且つ環境負荷の低い輸送手段として日本国内で研究開発が進められている。

2020年までに定員350人、時速500kmで走行する有人機体の完成を目標としている。

エアロトレインは小濱泰昭によって発案され、小濱が率いる研究グループによって研究が進められている。小濱は、研究に取り組む姿勢を「現在の乗り物を改善しても、環境に対する負荷軽減としては焼け石に水である。それならば新しい乗り物をゼロから作るしかない」や「この研究成果は社会に還元されなければならない」と、語っている^[1]。

[編集] 特徴

エアロトレインの最大の特徴は凹型の軌道と、それに沿った、水平・垂直な翼によって地面から僅か10cmほどを浮上して走行する移動方法である。

翼が地上に近づくほど揚力を増す現象を地面効果と呼ぶ。これにより、抵抗の割りに揚力の大きい効率的な浮上を実現している。さらにこの効果によって、軌道壁面に翼が近づくと壁面から離れる方向に働く揚力が大きくなるため、壁面に接触することなく走行することができ、摩擦・空気抵抗の原因となるガイドローラ類を省くことができる。

また、このような高効率での浮上に加え、翼・プロペラを取り付けただけの軽量な車体によってエネルギー効率のよい走行を実現できるため、太陽エネルギー・風力エネルギーの自然エネルギーのみを用いるゼロエミッション走行を可能としている。

ただ、プロペラ推進であるため、大きな騒音が発生する。