アート・オブ・ノイズ
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アート・オブ・ノイズ(The Art of Noise)は、1983年にデビューしたイギリスの音楽グループである。オーケストラル・ヒットを発案したグループとして有名。
[編集] 経歴
構成メンバーは、音楽プロデューサー、トレヴァー・ホーンが立ち上げたZTTレーベル配下のサウンドエンジニアで、トレヴァーのプロジェクト的な要素の強いグループであった。そのため当初はメンバーのプロフィールは公表されなかったが、後にグループがトレヴァーのもとを離れチャイナ・レコードへ移籍した際、アン・ダドリー(キーボード担当)、J.J.ジェクザリック(サンプリング担当)、ゲーリー・ランガン(ミキシング担当)のメンバー名を公表した(ゲーリー・ランガンは後に本職の多忙を理由に脱退)。
上記メンバーのうち、J.J.ジェクザリックとゲーリー・ランガンの2人は、トレヴァー・ホーンがプロデュースした1983年発売のイエスのアルバム「ロンリー・ハート」(原題:「90125」)のエンジニアリング、及びキーボード・プログラミングを担当。オーケストラル・ヒットを世に知らしめる結果となった。
グループとしては1983年のミニアルバム制作を経て1984年「誰がアート・オブ・ノイズを…」(原題: Who's afraid of…)を発表。その後チャイナ・レコードへ移籍し、3枚のオリジナルアルバムを発表する。
1990年代はメンバーの多忙により音楽活動は休止状態であったが、1999年にZTTレーベルに復帰、アルバム「ドビュッシーの誘惑」を発表している。
エンジニア集団だったこともあり、メディアへの登場はごく少なかった。テレビ出演としては、1986年のMTV Video Music Awardsの表彰式で、ギタリストのデュアン・エディとともに、楽曲「Peter Gunn」のスタジオライブを行った例がある。
[編集] 受容
- 日本では、楽曲「Close (to the edit)」が当時の腕時計「ALBA」のCMで用いられたほか、1986年に発表された楽曲「Legs」がMr.マリックのテーマ曲として非常に有名である。Mr.マリックの登場時やマジックの披露後には専用BGMとして流されている。
- 「ドラグネット」は、仮面ノリダーで石橋貴明演じる怪人が登場するシーンで流された。また、ラジオ番組「伊集院光のオールナイトニッポン」の水曜深夜放送時代のオープニングテーマでもあり、元は映画のサウンドトラックでもあった。ただし、映画の劇中にはこの曲のイントロ部分しか使われていない。