アンドラーシュ・シフ
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アンドラーシュ・シフ(Andras Schiff, Schiff András, 1953年12月21日 - )はハンガリー出身のピアニスト。磨かれたタッチと、知性的でありながら愉悦感あふれる表現で、バッハ、モーツァルト、シューベルトなどドイツのバロック音楽及び古典派音楽を中心とするレパートリーで傑出したピアニストの一人。優れた室内楽奏者としても知られる。
[編集] 略歴
- ブダペスト生まれ。5歳からピアノを始め、フランツ・リスト音楽院でパール・カドシャ、ジェルジ・クルターク、フェレンツ・ラードシュらに学ぶ。さらに、ロンドンでジョージ・マルコムに師事。
- 1974年、第5回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で第4位入賞。
- 1975年、リーズ国際コンクールで第3位入賞。
- 1977年、初来日。
- 1988年、ザルツブルク音楽祭でロベルト・シューマンを集中的に取り上げる。
- 1989年から1998年にわたって室内楽フェスティバル「ムジークターゲ・モントゼー」の芸術監督。
- 1991年、バルトーク賞受賞。
- 1996年、ハンガリー最高の栄誉であるコシュート(Kossuth)賞受賞。
- 1997年、コペンハーゲンでレオニー・ゾンニング音楽賞受賞。
[編集] 主な活動
1970年代に各コンクールでの活躍が始まると、ほぼ同年代のゾルターン・コチシュ、デジュー・ラーンキと並んでハンガリーの「若手三羽ガラス」として売り出された。当時の社会主義国家ハンガリーはコンクール出場を若手ピアニストに強制しており、「このコンクール歴は必ずしも自分の本意ではありません」と当時を回想している。
最年少のシフは、当初は3人のうちでも目立たない存在だったが、1980年代にイギリスのデッカ・レーベルと契約後、モーツァルトのピアノ・ソナタ全集の録音で俄に注目を集め、続いて一連のバッハ作品の録音によって、「グールド以来のバッハ解釈者」との名声を得、確固たるものとした。その後、1990年前後にはシューベルトのピアノソナタの演奏・録音、バルトークのピアノ協奏曲全曲、1999年から2005年にかけて、ザルツブルク・モーツァルテウム創立記念モーツァルト週間に、シフ自身が編成したオーケストラとモーツァルトのピアノ協奏曲を全曲演奏するなど、スタンダードナンバー演奏で高い評価を受けた。
近年はハインツ・ホリガーと共演でシャンドール・ヴェレシュ作品を紹介したり、ミクローシュ・ペレーニとの共演など、祖国ハンガリーにちなむ活動も盛んである。
[編集] 録音
- 器楽作品は、DECCA(LONDON)レーベルにバッハ、モーツァルト、シューベルトなどの一連の録音がある。
- 協奏曲では、Deccaレーベルに同郷のシャーンドル・ヴェーグ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカと残したモーツァルトのピアノ協奏曲全集が代表的。Teldecレーベル移籍後は、バルトークのピアノ協奏曲(イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団)、ベートーヴェンのピアノ協奏曲録音(ベルナルト・ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン)がある。
- 室内楽では、塩川悠子(シフ夫人)とのバルトークのヴァイオリン・ソナタ第1番、ヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタ(DECCA)、また、チェロのペレーニを加えた三重奏でシューベルトの2曲のピアノ三重奏曲(Teldec)、幻想曲 ハ長調(ECM)を録音している。