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ひかりごけ事件 - Wikipedia

ひかりごけ事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ひかりごけ事件(ひかりごけじけん)は1944年5月に、現在の北海道目梨郡羅臼町で発覚した死体損壊事件である。

この名称は武田泰淳1954年にこの事件を題材とした小説ひかりごけ』を発表したことによるものである。

目次

[編集] 概要

太平洋戦争中、小樽へ向かう徴用船がシケに遇い遭難した。船から避難し、船員たちは知床半島ペキンノ鼻に降り立ったが、真冬の北海道で極寒のうえ雪と氷と吹雪に覆われた地域だった。徴用船の船長はすぐに他の船員たちとはぐれてしまったものの一軒の小屋(番屋)にたどり着く。やがて船員のうち最年少の少年(19)一人もその番屋に吹雪の中たどり着いた。二人はしばらくをそこで過ごしたが、やがて体力も消耗し食料もなく少年は息を引き取ってしまう。船長は彼の遺体を口にしてしまった。生き延びた船長は食人を認め殺人、死体損壊、死体遺棄の罪に問われ死体損壊罪で起訴されたが心神耗弱状態でのこととし減免され懲役1年の刑に科せられた。

食人が公に明らかになった事件は歴史上たびたびみられるが、ひかりごけ事件はそれにより刑を科せられた初めての事件だとされている。

一般には「唯一裁判で裁かれた食人事件」と言われるが、日本の刑法には食人に関する規定が無いため、死体損壊事件として処理された。

ひかりごけ事件と呼ばれるようになったが、武田泰淳と食人を行ってしまった徴用船の船長とは接触があった訳ではなく「ひかりごけ」はあくまでも同事件をモチーフとした作品である。

[編集] 経緯

  • 1943年12月 - 7人の乗組員を乗せた徴用船が知床岬沖で消息を絶った。徴用船は、「船体の修理」のため小樽市へ向かう途中だった。
  • 1944年2月 - 徴用船の船長が羅臼町岬町に住む漁民一家の小屋に現れ、助けを求めた。知床岬の真冬の過酷さを知っている小屋に住む夫婦は驚愕した。

船長は「船が難破し、他の乗組員は全て死亡したが上陸地点近くの番屋に蓄えられていた食糧(味噌・フキの漬物・ワカメなどの海草)や流れ着いたトッカリ(アザラシ)の肉を食べて生き延びた」と述べた。吹雪の中番屋にたどり着けたのは船長と炊事夫の男性一人だけだったと船長は語った。番屋にあったマッチで火を起こし、樽に残っていたわずかな味噌を雪で味噌汁にして食べたという。

船長が故郷に帰還すると船長は「不死身の神兵」としてもてはやされた(ただし船長は民間人の立場で徴用されており、兵役にはついていない) 。 だが警察および軍部内で船長の言動あるいは生還の状況の不自然さから食人を疑う者が出始め、一部の者による独自の内偵が進められた。

  • 1944年2月18日 - 警察が船長の漂着地であるペキンノ鼻の南で現場検証を行った。

その際、ペキンノ鼻の北で炊事夫の凍死体を発見、回収した。 軍部から箝口令が出され、捜査を中断した。

  • 1944年5月 - 船長が冬を越したとされる番屋の持ち主が、番屋近くで林檎箱に収められた白骨を発見し警察に通報した。

警察による現場検証が行われ、ペキンノ鼻の北で新たに二人の遺体が回収された。のこる二人についても食人が疑われた。(船長は否定)

  • 1944年6月 - 警察は殺人、死体遺棄及び死体損壊の容疑で船長を逮捕した。

警察の調べに対し船長は、乗組員の一人の遺体を食べたことを認めたが、殺人については認めなかった。 検察は船長を死体損壊容疑で起訴。刑法には食人についての規定が無いため、食人の是非については裁判では問われなかった。

  • 1944年8月 - 船長に対する心神耗弱が認められ、懲役一年の判決が下りた。
  • 1954年 - 武田泰淳が小説『ひかりごけ』を発表。

[編集] 風評

船長による食人は人口に膾炙したが、新聞報道は行われなかった。

裁判記録は廃棄され、捜査記録も戦後発生した火災により焼失したことから、事件の詳細が知られることはなく、逆に様々な憶測が流れることとなった。

戦後、羅臼郷土史に難破船事件として採録されるが、噂をもとに構成されており、細部は実際の事件と異なっている。 武田泰淳が羅臼郷土史および現地の噂をもとに小説「ひかりごけ」を著すと、その内容が事実として受け入れられることとなってしまった。

結果、船長が船員をつぎつぎと殺害して食べたという噂が流れることになった。

[編集] 船長の心情

合田一道は船長が1989年(平成元年)にこの世を去るまで15年間に及ぶ取材を続けた。身体的、精神的にまさに極限状態にまで追い詰められた船長は食人をしたが、食人になぜ至ってしまったかは事件から数10年たっても自分でも理解できなかったという。食人をしたことははっきりと認識しており、そのときの様子ははっきり覚えていた。閻魔大王に裁かれる恐ろしい夢も何度も見た。生還した後に警察が訪れた際には「とうとう来たか」という心境だったといい、事情聴取が始まるとあっさりと食人を認めた。

船長は死体損壊罪で1年の実刑判決を受けたが、終始「人を食べるなどということをしている私が懲役1年という軽い罪で済まされるはずがない」と言い続け、その後数10年間「自分は死刑でも足りない」とその重い罪の意識を背負い続けて生きた。死のうとして崖から飛び降りたことさえあった。周囲から「あれが人食いか」と陰口を言われることも少なくなかった。しかし船長はそれが事実であるのだし、自分には何も反論する権利はないと、じっとこらえ続けたという。

ひかりごけ」の影響などもあり、『殺して』食べたという事実とは異なる風評が世間に広まっても、それに反論しても仕方ないのだからと船長は何も言えなかった。

船長は死の直前ペキンノ鼻へ再度向かうことを望んでいたが、叶わなかった。

[編集] 関連項目

[編集] 文献・作品

[編集] 外部リンク


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