LA-MULANA
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ジャンル | 遺跡探検考古学アクション |
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対応機種 | Windows |
開発元 | GR3 PROJECT |
人数 | 1人 |
メディア | ダウンロード |
発売日 | 完全版:2006年06月27日 |
その他 | フリーゲーム |
LA-MULANA(らむらーな)は、GR3 PROJECTによって製作されたフリーソフトのアクションゲームである。MSX用ゲームであるガリウスの迷宮を目指して製作された。
[編集] 概要
基本はキーボードでの操作だが、設定を行うことでゲームパッドに対応する。しかし、設定した場合も一部の操作はキーボードで行わなければならない。
本作は、MSX風ゲームであり、MSXのゲームである事が重視された。そのため、ゲーム中に使われている色は全15色であり、ゲーム起動時及びセーブ・ロード時の表示は、MSXのそれを模している。なお、ゲーム会社のロゴは本作のモチーフ「ガリウスの迷宮」の製作元であるコナミをもじった「株式会社コバミ」という架空の会社となっている。また、主人公が愛用するノートパソコンはMSXであり、ゲームを進めるためのアイテムとしてMSXのROMを使用するほか、各ステージに隠されたMSXゲームROMの収集要素もある。ROMは収集要素だけでなく、特定の組み合わせにより様々な効果が現れる物も存在する。
レトロゲームによくある、容易に解けるゲームではない、レトロゲーム独特の歯ごたえを楽しめる一方、操作性が悪くその悪さ自体が難易度とストレスになる、ヒントが足りない、行動範囲は広大に見えて実質選択肢は殆ど無い、これらにより攻略法参照は必須ながらウィンドウモードに出来ない(設定されている方法ではないが、Alt+Enter後、F7で可能)など、良い意味でも悪い意味でも昔のゲームそのままである。
ステージ構成や設定などに関しては、神話や伝承などがモチーフであり、敵キャラクターについても神話上での伝承に基づいている。
本作は公開されたもので3つのバージョンがあり、初期に作られたもの、最終ボスまでの部分が体験可能な未完成版、未完成版に多少の改変やお楽しみ要素などを加えた完成版、がある。
GR3 PROJECTの活動終了に伴い、サヨナラ企画第1弾としてLA-MULANA製作時に使われたツール群をまとめた「LA-MULANAエディタ」が公開された。これによりLA-MULANAの改造、及び新規作成が可能となった。
[編集] ストーリー
大学の講義を終え、長期休暇の準備で心躍る主人公の元に、差出人不明の封筒が届く。 それは今まで見た事のない紋様が刻印された金貨と「あの男」の文字で書かれていたメッセージであった。 その短い文面から敗北感を感じつつ、闘争心と好奇心を燃やした主人公は、全ての文明の起源となった未知の古代文明の存在を確かめるべく「La・Mulana」の地へと向かう。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 登場キャラクター
- ルエミーザ=コスギ
- プレイヤー。31歳。日系3世で祖父は忍者の末裔。考古学者であり、大学で教鞭をふるう傍ら、祖父より受け継いだ潜入技術で遺跡の調査を行っている。MSXマニアでノート型MSXを常に携帯している。父であるショーンとは反りがあわず、何かと対立している。カレーが好物。 万全の体制でLa・Mulanaに向かうが、空港であらかた没収されてしまった為、お土産だと言い張ったムチのみで遺跡探検を始める羽目になる。
- ショーン=コスギ
- ルエミーザの父親。62歳。日系2世で人類学、歴史学の権威であり、生物学や天文学などにも精通している。62歳とは思えない肉体と凄まじいサバイバリティを誇る鉄人でもある。「サルが人となる為の条件は進化だけではない」とし、人類の起源を追い求め、古代文明と天文学との共通性から「全ての文明の起源となる文明がある」という大胆な説を発表した後、行方不明になる。そして、その文明であるラムラーナの遺跡から挑戦状とも取れる手紙をルエミーザに送りつける。彼自身は遺跡最深部、聖母の祠まで辿りつくが、四賢者に選ばれる事はなく、母を目覚めさせる事はできなかった。息子にその使命を託し、遺跡に消える。
- ゼレプド長老
- 遺跡を守る「守人の一族」の長老で、一族の掟に従い遺跡を守っている。ショーンとは旧知の仲。ハイテク好きで、MSX通としてネットで有名人であり、MSXについて熱く語ってくれる。名前はxelpudと書き、GR3 PROJECTのメンバーであるduplexの逆さ読みである。
- 母
- はるか昔に地上に降り立ち、「空」に帰る為に人類を生み出し、全ての文明を育てた存在。LA-MULANA遺跡そのものであり、倒すためには母の精神体を四賢者の秘術により出現させなければならない。
- 巨人
- 『母』から生まれた2番目の子ら。『母』の扱いを巡り二つに別れ、互いに争った。
- ゼブ
- 巨人らの長男。地を支えるため動けなくなった。
- バド
- 母を帰すために空を飛ぶ塔を築く。満天の星空の日に深い眠りについた。
- ミゲラ
- 母を帰すために空を飛ぶ塔を築く。左利き。湖を運ぶが力尽きる。
- レド
- 母を帰すために空を飛ぶ塔を築く。争いに敗れ、胸に大きな穴をあけられてしまう。
- フト
- 母を帰すために空を飛ぶ塔を築く。
- アブト
- 母を帰す事に反対した側。巨人たちの争いに最後まで残り、石碑を記した。ガーディアンであるサキトを倒すとアブト像が涙を流す。
- ジー
- 母を帰す事に反対した側。
- リブ
- 母を帰す事に反対した側だが、争う兄たちを憂い、湖から塔に水を運ぶための穴を掘るが力尽き、眠りにつく。
- サキト
- 母を帰す事に反対した側。巨人の末弟。レドの体に鍵をつけ、力を奪う。巨人霊廟のガーディアン。
- 四賢者
- 遺跡を守る神官が、自らの体を石に変える術を使い、永遠の命を得た姿。母を帰すことは不可能であると悟り、母を苦しみから解放する為に、母に永遠の眠りを与える事を八番目の子に託す。
- サマランタ
- 母の七番目の子にして四賢者の一人。力を司る賢者。
- ギルトーリヨ
- 母の七番目の子にして四賢者の一人。知識を司る賢者。
- フォボウス
- 母の七番目の子にして四賢者の一人。命を司る賢者。
- アルセダーナ
- 母の七番目の子にして四賢者の一人。死を司る賢者。
- 妖精
- 四賢者の言いつけにより選ばれた存在の手助けをする。主人公が持っていたコナミの占いセンセーションのROMを目印にする。体力を回復する通常の妖精のほか、特定の宝箱を開ける鍵妖精という存在がある。
- ガーディアン
- 母を守る8つの魂。アンクジュエルによりアンクを破壊する事で出現する。いわゆるボスキャラ。
- アンフィスバエナ
- 導きの門のガーディアン。体の両端に頭を持つ蛇の姿をしている。ローマ、エチオピア伝承の怪物アンフィスバエナから。
- エルマック
- バハムート
- 空の水源のガーディアン。青いドラゴンと魚の尾を混ぜたような姿。イスラム神話の怪物バハムートから。プレイヤーは戦闘時に小船に乗って戦う。
- ヴィー
- 灼熱洞窟のガーディアン。巨体な一つ目の怪物。使い魔に頼らないとまぶたもあけられない。
- バフォメット
- パレンケ
- ティアマト
- 魚人
- 母から生まれた4番目の子ら。魚に足が生えたような姿をし、陸上での活動が出来るが、息がすぐあがって痙攣する。戦闘種は股間に酸素の入った鉄パイプをつけている。一部の魚人は魚人様本人が倒されると生存できない。
- 魚人様本人
- 魚人族の主。鼻のついた魚。主には善の心が眠るとも言われているが定かではない。GR3を作るきっかけになった先輩サイト、海底都市マチョピチョの主催者、魚人様とduplexとで起こったバトルにduplexが負けた事に対する敵討ちとして設定。通称折檻部屋でムチしばきを待っているだけの敵になってしまっている。
- ジョカ
- ティアマト同様に母の能力を模して作られたロボット。古代中国の神話に登場する女カから。