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鉄人28号 - Wikipedia

鉄人28号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

鉄人28号
漫画: 鉄人28号
作者 横山光輝
出版社 光文社
掲載誌 少年
発表期間 1956年7月号 - 1966年
テレビドラマ : 鉄人28号
監督 まるねさんたろう
制作 松崎プロダクション
放送局 日本テレビ系列
放送期間 1960年2月1日 - 1960年4月25日
話数 13
テンプレート使用方法 ノート
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鉄人28号』(てつじんにじゅうはちごう)は、横山光輝漫画作品及び同作を原作としたラジオドラマ特撮テレビドラマテレビアニメ、特撮映画、劇場版アニメ、プレイステーション2テレビゲームの作品名、並びに作品内に登場する架空のロボットの名称である。またこれらの作品中で使用された主題歌(アニメ化作品の主題歌は作詞・作曲:三木鶏郎)の曲名でもある。

漫画連載と同時代の昭和30年代(1955年~1964年)の日本を舞台に、リモコン次第で善にも悪にもなるロボットを巡り、少年探偵と悪人たちの攻防を描く物語。米題はGigantor(ジャイゲンター)。

リメイクを繰り返し、何度も映像化された人気作品である。『マジンガーZ』や『機動戦士ガンダム』を初めとする多くの作品に強い影響を与えている。


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] ストーリー

太平洋戦争末期、大日本帝国陸軍が起死回生の秘密兵器として開発していた巨大ロボット「鉄人28号」が戦後に現れ、鉄人を自由に操る小型操縦器(リモコン)を巡って悪漢、犯罪組織にスパイ団までもが入り乱れる争奪戦に、主人公の少年探偵・金田正太郎も巻き込まれる。数々の苦難の末に鉄人を手に入れた正太郎は、今度は鉄人28号の力で次々と現れる犯罪者や怪ロボットを倒して平和を守る為に活躍する。

[編集] 歴史

[編集] 登場人物

[編集] 主人公とその周辺

金田正太郎(かねだ しょうたろう)
少年探偵。快活で、機敏な行動力と大人顔負けの推理力と発想で事件を解決する。自動車を運転し、拳銃の名手であり、ジェット戦闘機に乗り込んだり、ヘリコプターの操縦や潜水作業等をも率先してこなす。鉄人事件以前から少年探偵として名を馳せ、警視庁にも出入りして捜査に協力する。鉄人事件以後は鉄人28号操縦者として、悪に戦いを挑んでいく。洋風の円形をした邸宅に一人で生活している。普段はブレザーと半ズボン、そしてネクタイを締めている。
3作目では生年月日は1950年3月25日とされ、成人として登場(1作目の正太郎の成長した姿)。
2007年公開の映画『白昼の残月』では、母違いの同名の兄、ショウタロウが登場。
敷島博士(しきしま - )
鉄人28号を開発した科学者。普段は穏やかな性格で冷静沈着であり大学教授のような面持ちであるが、銃を持って行動したり、爆破作業も得意である。正太郎にとって模範的な父親のような存在で、自身も正太郎を息子のように思っている。
太平洋戦争時、軍の命令で鉄人計画に加わり鉄人28号を開発していた。爆撃後生き残り、近くの島に渡り隠れ住み、戦後の鉄人事件を知って極秘裏に帰国した。帰国後独自に鉄人事件を追っていたが、正太郎と出会ってからは良き協力者として助言や鉄人の修理、科学犯罪の分析にと多岐にわたって活動を共にする。また、鉄人開発者として自身が事件の標的になる事も多かった。既婚者で、息子の「鉄男」は正太郎の友人でもある。
アニメ第2作では息子の代わりに娘「牧子」(ニックネームは“マッキー”)がいて、正太郎のガールフレンド。
テレビ実写版では、息子の代わりに娘「みよ子」、又兄の敷島技師とその夫人が登場するが実写版オリジナルの人物である。逆に敷島博士の父親と思われる敷島老人が原作のはじめの方に登場するが原作のみでいづれのテレビ版にも登場しない。
下の名前はアニメ第2作では“大次郎”、他のアニメと原作では“隆”、テレビ実写版は”俊夫”となっている。
大塚署長(おおつか - )
警視庁署長。警察官として敏腕であるが推理力では少年探偵の正太郎にかなわず、正太郎とはホームズワトソン的な関係でもある。正太郎にとっては父親ではなく親戚のおじさんと言った様子だが、本人は息子のように大事に思っている。既婚者で子供は居ないが、妻の加代子はかなりの美人である。
正太郎以上に感情の起伏が激しく、大いに泣き・笑い・怒る人ではあり、常に冗談や場を和ませる笑いを振りまき、ムードメーカーでもある。行動派であり上官として部下の信頼も厚い。警官としてよりも人間的に正義感溢れる好人物。
アニメ2作目では“茂”という名前がある。
村雨健次(むらさめ けんじ)
正太郎のライバルとして登場。ギャングの一味であり、初期は鉄人をめぐっての対立があったのだが、途中からは味方となる。また正太郎ほどではないがロボットの操縦にも長けている。アニメ第4作では銃を使わない主義で、ナイフを武器としている。
アニメ第4作や漫画『奪還計画』では、OVA『ジャイアントロボ』からの逆輸入で「不死身の村雨」を名乗ることがある。
村雨竜作(むらさめ りゅうさく)
村雨一家のボス。村雨健次の兄。ギャング団頭目として名が通っているが、意外に義理に堅いためか、慕って手下がついてくるようである。鉄人事件に巻き込まれ、弟分の敵の為に鉄人に近所に駐車してあったと思われる、ダイハツ・ミゼットで特攻して果てた(無駄だと判っていた節があり、彼なりのけじめだったと思われる)。
アニメ第4作では、特攻隊の生き残り(特攻崩れ)で復員後、世間の脱戦後の波に乗りあぐねたという設定がつけられた。
『鉄人奪還作戦』では、さとうふみやのご贔屓キャラということもあってかカラーページにも登場したり、投げナイフで正太郎を助けるなど出番がかなり多い(反面健次の出番は少なめ)。
映画『白昼の残月』ではショウタロウと特攻隊の同期であったことが語られた。
村雨一家
村雨兄弟を中心に構成される犯罪集団。都内を中心に押し込み強盗等や密輸取引まで行っているが、無駄な血は流さず、身内の義理堅さは古いタイプのヤクザ映画のそれである。また、仕事に合わせて手下の構成も変わる為に、詳しい規模や構成は不明。村雨兄弟は実の兄弟で、義理の弟分として「辰」が居り、彼が鉄人に殺された事から鉄人事件の渦中へ関わっていく事になる。
敵対する正太郎に対して「敵ながらも好意に値する」感情を持っているようで、何度となく正太郎に手を貸したり共闘したりもした。頭目である竜作の死後は、弟の健次が頭目的位置に就いて組織運営は行われたようだが、正太郎に肩入れした代償に取引相手の犯罪組織に「裏切り」のレッテルを貼られ襲撃を受けたりもした。
その後は、大塚署長の説得で健次が警察に協力してニコポンスキーを追いつめたりもしたが、次第に漫画の中では出番が無くなり、存在もうやむやになったままである。
金田博士(かねだ - )
金田正太郎の父親。戦中に鉄人28号の設計製造に着手、その工程途中で連合国の爆撃で研究は灰になったが、28号の設計の完成度を諦めきれずに、戦後の1955年秋に完成させる。
後付けで単行本(カッパコミクス第4巻)に描き加えられた為、以後読者を悩ませ続ける人物。一部では“鉄人は一体誰の物なのか”という問題を解決する為に作られたと云われている。
アニメ第4作では、戦争中に鉄人計画をまかされた天才科学者で、不乱拳博士も認める人物であった。バギュームの可能性に気がつき研究をしていたが、ビックファイア博士の謀略で鉄人の根幹の動力を太陽爆弾として完成させてしまい、鉄人28号を闇に葬ろうとしていた。実際、鉄人28号を単なる兵器として製作した訳ではなく、道具としての可能性、未来を築く力を見ていた。だからこそ我が子に名付ける「正太郎」を冠したと考えられる。鉄人封印の際、連合軍の爆撃と共に死去。遺骨は敷島の復員の際に持ち帰られたようである。南方の島には住人の手で作られた墓がある(人柄が判る描写でもある)。
『白昼の残月』では、京都に妾が存在していたことになっている。この妾との間にショウタロウが生まれ、後に養子という形で金田家に迎えている。
敷島鉄男(しきしま てつお)
敷島博士の1人息子。正太郎の数少ない同世代の友人。
敷島夫人
敷島博士の妻。アニメ2作目では“歌子”という名前がある。

[編集] 悪役など

乗鞍岳の覆面の怪人
戦後、乗鞍岳山中で独りで鉄人を作り上げた人物。詳しい事は謎に包まれている上に、普段から顔を覆い隠す布を被っている為に素顔も不明。(最初のアニメ版では黒沼、テレビ実写版では花井技師と名付けられている)
一説には金田博士説も囁かれているが、横山は否定発言をしている(博士の設定は後付けである)。26号から28号までを作り上げたが、目的自体が鉄人28号を作り出す事にあったようで、国のためになどといった意識は無かった。おそらくは鉄人計画の生き残りの博士、あるいは技術者と推測される。
資金難からか、26号と27号を使った金銭や機械の強奪事件を起こし、警察や鉄人に興味を持った犯罪者達に狙われ、完成直前の28号を無理に起動させられたあげく奪われてしまう。PX団と手を結んで鉄人を国外に持ち出そうとして失敗、銃撃戦の中で命を落とした。
その後に検死も行われたはずだが、大塚署長や敷島博士が何も語らない処をみるに、金田博士や計画の幹部ですら無かったと思われる。
クロロホルム
PX団を追ってフランスから来た探偵。来日した当初は正太郎を子供扱いしていたが、すぐにその能力を認めて良き協力者になった。助手のニコポンスキーを影武者に使っていたが、そのニコポンスキーがS国のスパイだとは気付かず、逆に自分が影武者に使われてしまう。
ニコポンスキー
探偵クロロホルムの助手。その実は旧日本軍の鉄人や日本の技術を狙ってやって来たS国スパイ団団長。
クロロホルムにそっくりな上に、クロロホルム以上に変装の名人でもある。周到な準備と大胆な行動力で、正太郎達を翻弄し、死に際して「敵ながら大した男」と大塚署長に云わしめた。
アニメ第4作では、ブラックオックスを操る謎の覆面の怪人として登場する。テレビ実写版ではペトロフとなっている。
スリル・サスペンス
アメリカの暗黒街で名を馳せたギャング団のボス。残虐非道で目的の為には手段は選ばない男。
鉄人を犯罪に使う為に鉄人強奪を計画。逃亡中のニコポンスキーから一時は操縦器を手中に納めるも、リモコン争奪戦の海千山千の強者の前には歯が立たずリタイヤしてしまう。しかし、モンスター事件で脱獄し、奇異なる縁で不乱拳博士と出会いバッカスを手に入れる。
頭脳の前に荒事で全て決めてしまう傾向にあり、最終的には出し抜かれる。
ジャネル・ファイブ
フランスの怪盗紳士。もともとの連載ではシャネル・ファイブであったが、大人の事情で濁点が入った。
不乱拳酒多飲博士(ふらんけんしゅたいん - )
物語中、正太郎の屈指の好敵手であり、狂気を含んだ天才科学者である。「面白いから造る」「無ければ創る」という人物。
読んで字の如く『フランケンシュタイン』の主人公がモチーフであろうが、本作では如何にも老学者のような風貌の初老の科学者である。好々爺然としたところと、モラルや人道的ルールから逸脱した悪魔的科学者の一面を併せ持つ人物で、自分の研究の為なら手段は選ばず、自らの規定から外れた場合は、ギャングや警察をまとめて敵にまわして荒事も厭わない。正太郎をして「大変な人物だった」と云わしめたくらいの大人物。
機械工学の他にも、化学、生物学等にも造詣が深く、それらの生み出した物が「アカエイ」「アカエイ号」「人造人間モンスター」「潜航艇」「水中バイク」「バッカス」「ブラックオックス」とあらゆる分野、多岐にわたった技術が必要なモノばかりであり、大半を1人で作り上げている。特にバッカスとオックスは短期間に製作されたにも関わらず、鉄人と対等以上に渡り合うという完成度であった。
1度目は自らの創造物バッカスに殺され、モンスターの技術で蘇り、2度目は逃亡中に自衛隊の砲撃の中で息を引き取った。
モンスター事件中、次は人工生命体を一から作り出そうとしていた節が見られたが、オックス事件では最終的に「物を考え、自ら判断するロボットを作り出す」事を目標としていた。最後まで好奇心旺盛で知的欲求が強いままであった。
『FX』では正太郎の回想シーンに登場したほか、彼のクローンであるフランケン・シュタイナーが登場し、再びブラックオックスを作っている。
牧村博士(まきむら - )
長年の研究開発で自我を持つロボット・ロビーを作り出した科学者。
ドラグネット博士
自我を持った電子頭脳開発に執念を燃やし、牧村博士の開発したロビーに近づいた天才科学者。のような独特のヘアスタイル。
超人間ケリーと高性能ロボット・ギルバートの製作者でもある。
ケリーとジョンソン
不幸にして改造人間にされたケリーと、その弟ジョンソン。
門脇
モンスターに殺された警察官や、その他大勢の中につけられる名前。光文社で横山を担当した編集者の名前から。たまに背景の中にも名前を見る事が出来る。
山嵐巌
白柄組の親分。巨大アリを利用して密輸事件を有利に運ぼうとした。
ジキルスキー
S国スパイ。本国ではハバロフ閣下と呼ばれている。鉄人を奪うため偽物とすり替えるが失敗し、最後は全員で毒を飲んで自決する。
ゴロギル博士
モンスターを作った、カリー国の科学者。王制打倒と実権掌握を狙う十字結社によりモンスターが強奪され悪用されているため、正太郎に助けを求め来日する。
十字結社(じゅうじけっしゃ)
王制を敷くある国(カッパコミクス版の終わりの方でカリー国とわかる。連載ではある国のまま)で体制転覆を狙う政治結社。自らの主張を通す為にテロ行為も辞さない。しかし、政治的潔白ではなく利益行為としての活動であり、過激な犯罪組織となんら変わる所が無い非道な集団。ゴロギルを追って日本にも侵入するが、正太郎と署長の活躍により撃退され、本国でも壊滅させられる。
アニメ第4作目では第1話のアバンタイトルにて、モンスターと共にゲストキャラとして登場する。
ブラック博士
奇病に取り付かれた医師。佐良青年を実験台にして、救命策を研究する。
ビッグ・ファイア博士
科学者にしてロボット工場経営者。利潤を追求する経営者的な面と科学者らしい知的な面を持つが、犯罪者としては間抜けな人物。
しかしながら科学者としては優秀で、小型電子チップで学習機能をもった知能回路を開発、量産し商業ラインに乗せる能力を持つ。足りなかったのは商才であった。
ベラネード財団
巨大なゼネコン財団。巨額な工事を請け負い、それらに伴って商売人が群がる。その為、ビッグ・ファイア博士のような犯罪に走ってしまう構図を生み出す元凶ともなっている。
PX団
世界規模の大犯罪組織。国際的な密輸や組織犯罪を起こしており、ジェット機や潜水艦等も有している。各国に支部があり、団員は鉄の掟に縛られている。テレビ実写版ではQX団となっている。
アニメ第4作目ではベラネード財団のベラネードの指揮下で破壊活動等を行っている集団で、風貌はブラック団(後記参照)と同じ服装をしている。
スノー国工作員
母国から持ち出された秘密兵器の設計図回収が目的で来日した。が、書類回収に公園地下に基地を建設し、書類が警察に渡るとVL2号による襲撃まで行う様子は潜入工作員としては派手すぎて問題に思われる。口封じに殺人を犯した割に、正太郎を子供故見逃す面もあった。
ブラック団
世界征服を目論む犯罪組織。海底に各国の主要都市に向けたミサイル基地を建設し、世界を操ろうと画策していた。たまたま正太郎が事件に関わって来た為、鉄人に殴り込まれて壊滅してしまった。団員はすべてオバQのような覆面を被り、コードナンバーで呼び合っていた。
プレイステーション2で発売されたゲームでは、「X団」として登場する。
怪盗ブラックマスク(かいとう - )
神出鬼没の銀行強盗。その正体は技師の有本影郎。次元操作機を操ることで瞬間移動する。最後は宝石に付けられた鉄人誘導装置で移動した鉄人によって、次元操作機を破壊され御用となった。
アニメ第4作では、影郎と父親の有本博士の開発した次元操作機を影郎が持ち出して悪用した(元ネタは帝銀事件)結果、最後は鉄人によって破壊された次元操作機の誤作動で南極に転送されてしまった。

[編集] 登場メカ

鉄人28号ブラックオックスについては独立項目を、それ以外のロボットについては鉄人28号の登場ロボットを参照。

X33(万能戦闘機)
先端にドリルの付いた黒い戦闘機。地中潜行や砲撃や体当たり等の陸上戦闘の他に、折りたたみ式の羽根で空戦までも可能な機体。
欠点は活動時間が短い事。2、3人乗り。
XY3号
ジャネル・ファイブの乗る万能メカ。

[編集] 用語解説

鉄人計画
太平洋戦争末期、日本軍が起死回生を目論んで構想したロボット兵器開発計画。
南方の島の地下に偽装した秘密研究所を作り、敷島博士等の日本の科学者や技術者を総動員して開発を始めたが、完成前に事態を察知したアメリカ軍の爆撃を受け、計画は灰燼に帰したはずだった。敷島博士等幾人かの生き残りが日本に帰国し、うち乗鞍岳に秘密裏に居を構えた覆面の怪人が、戦後の世に鉄人計画の研究を引き継ぎ、26号、27号、そして28号の三台を誕生させる(1~25号は戦中に失敗に終わった)。
また後年の再編集では、計画の主任で正太郎の父である金田博士が、同様に南方での爆撃を生き残り、28号の完成をあきらめきれずに、戦後に敷島と共に鉄人28号を誕生させたように描き変えられている。アニメ第4作でもこのストーリーを採り、28号は金田博士が南方の島で完成させた事になっている。
計画では人員不足を補う事、弾丸等の補給が無くても破壊活動を継続させる能力がある事、多少の破損でも戦闘行動を継続できる事等が伺われるが、有用性については謎のままである。
アニメ第4作では、巨大砲弾にて巨大なロボット兵を敵国に送り込み破壊の限りを尽くさせる「鉄人第一計画」、死した兵士の肉体を甦生させ強靭な肉体を持った兵士に作り替える「鉄人第二計画」が存在した。またこれに付随して、鉄人自体に新型爆弾を埋め込み敵地を破壊せしめる事を考案し、鉄人製作者である金田博士の知らぬうちに鉄人心臓部に埋め込まれた。これは協力者ビックファイアの策謀であったようだが、日本軍や戦後の政府関係者はその存在を知っていたようである。
少年探偵
昭和30年代に少年雑誌が月刊誌の時代の児童文化では、『少年探偵団』『少年ジェット』『まぼろし探偵』のような、少年でありながら大人に負けずに勧善懲悪を行うヒーローがテレビ、漫画、小説で活躍していた。彼らは拳銃を使い、車やバイクを走らせ、刑事や警官と協力して難事件を解決し、悪漢を退治する。
まだら岩
不乱拳博士が根城にしていた、棒状に隆起した岩礁の集まった海域。新型鉱石バギュームの鉱脈でもあった。
海底の墓場
バギューム
不乱拳博士がまだら岩で発見、研究していた新鉱石。強力なエネルギー源であったようである。
独立連動装置
鉄人28号の持つ機能の一つ。戦闘兵器である鉄人が故障で動けなくならないように、手足等に分散配置された動力機関。これによって手足を1、2本失っても安定して稼働して戦闘を継続する事が出来、整備が受けにくいときなどでも闘える。また、鉄人の怪力の源は、これらの機関の出力を練り合わせて得ているのではないかと考えられている。
電子頭脳と知能回路
自己判断で動く機械と自我を持つロボットの境界の定義は難しいが、ロビーも持つ電子頭脳とビックファイア博士の知能回路は微妙におもむきを異ならせている。
ロボット見本市(博覧会)
ロボット王国

[編集] 原作完全版

2005年11月より「巨匠・横山光輝『鉄人28号』執筆50周年記念」プロジェクトとして潮出版社と光プロダクションの共同企画の元、発刊された。横山の元アシスタントとコンピュータによる最新技術で痛んでいた原画を復元し、コミックス未収録の読み切り8本を加えて発刊された。2007年9月に全24巻で完結。★は読みきり作品。

  1. 鉄人28号誕生(月刊「少年」1956年7月号別冊付録 - 1957年1月号別冊付録)
    第2次世界大戦の末期 敷島家であったギャングと怪人 あいつぐ事件 おそるべき威力 第十一監房 正太郎の活躍 鉄人あらわる 雷雲 秘密科学研究所 鉄人28号 大PX団 くずれるダム 生きていた敷島博士 浮上するモンスター号 おそるべき秘密結社! おそるべき秘密結社その2
  2. 怪ロボットあらわる(月刊「少年」1957年2月号別冊付録 - 1957年8月号別冊付録、1957年8月増刊「探偵ブック」)
    海底にねむる鉄人 魚雷発射命令 海中の戦い 敷島博士邸 第二計画 雨の中の乱戦 怪ロボットあらわる クロロホルム名探偵 暗殺計画 地下の乱戦 あらわれた怪ロボット 脱出できるか 8号車追跡 怪ジェット機 しのびよる影 PX団支部長の最後 正太郎の危機 うばわれた鉄人 ★大金塊の巻
  3. 鉄人大実験!(月刊「少年」1957年8月号別冊付録 - 1958年1月号別冊付録)
    水中の怪物 その場所はどこだ 脱出計画第一歩 脱出と攻げき 怪人対正太郎 大爆発 その顔を見た! なかまわれ 山小屋の怪人 X33 二回目の実験 村雨健次の危機 人体実験 鉄人出動 一大決戦 うばわれた鉄人 海上の乱戦 村雨健次の大てがら ねらわれた正太郎 正太郎暗殺団
  4. 鉄人暴走する!(月刊「少年」1958年1月号別冊付録 - 1958年6月号別冊付録)
    なぞの物体 対決 攻撃 空中戦 生きていたニコポンスキー 海底の鉄人 クロロホルムとニコポンスキー 警官隊あぶない ふたりめのクロロホルム サスペンス氏の登場 操縦器のゆくえ 動く巨人 ニコポンスキーの計略 怪盗ジャネル・ファイブ スペードホテル 恐竜の出現! 鉄人の敗北
  5. 出現! 二つの操縦器(月刊「少年」1958年6月号別冊付録 - 1958年10月号別冊付録、1958年7月増刊「探偵ブック」)
    てつや作業一週間 ふたりのスパイ ニコポンスキーの計略 敷島博士はにせものか? 正太郎のぎもん ペテンにかかった敷島博士 あばれる恐竜ロボット 敷島博士のかつやく 鉄人対恐竜ロボット 正太郎の地下室 非常線突破 あばれる鉄人 鉄人のかくし場所 奇厳城 正太郎のきけん ★うかぶX島の巻
  6. 空飛ぶアカエイ軍団(月刊「少年」1958年10月号別冊付録 - 1959年2月号別冊付録、1959年1月増刊「探偵ブック」、1958年11月号付録「とびだすまんが」)
    おそるべき鉄人 サスペンスたいほ 空とぶアカエイ ゆめかまことか あらわれたアカエイ 奇巖城発見 海底のアカエイ アカエイの襲撃 決戦奇巖城 ふしぎな老人 モンスターあらわる 殺人鬼モンスター 第一のぎせい者 鉄人対モンスター ★なぞの飛行機事故の巻 ★オーパナ博士の挑戦の巻
  7. 難敵アカエイ & モンスター(月刊「少年」1959年3月号本誌 - 1959年7月号別冊付録)
    とらわれたモンスター モンスターの脱ごく アカエイの来襲 ついせき アカエイあらわる なぞの「まだら岩」 海底の墓場 まだら岩の正太郎 正太郎とモンスター サスペンスの脱走 サスペンス発見 モンスターの最後 海底の墓場
  8. 暴れまくるバッカス(月刊「少年」1959年7月号別冊付録 - 1959年11号別冊付録、1959年8月増刊「探偵ブック」)
    不乱拳博士の発明 完成したロボット 鉄人対バッカス おそわれたメリー丸 あばれるバッカス 第六非常線突破 にげのびたサスペンス モンスターの復活 鉄人とバッカス とびさったバッカス 正太郎の危機 時限金庫 十時三十七分六秒 おどりこんだモンスター 十時三十七分六秒 あらわれたバッカス ★あやしい落下物体の巻
  9. 海底墓場の決戦!(月刊「少年」1959年11月号別冊付録 - 1960年3月号別冊付録、1960年1月増刊「探偵ブック」)
    人工雷 きえたやしき スーパーアトミック くるったバッカス あばかれていた海底の墓場 ぬすまれていた死体 生きかえった博士 鉄人のかつやく まちぶせていた人夫 つきまとう暗殺者 魚雷攻撃 海底と海上 ★自動車レースの巻
  10. ブラックオックス始動(月刊「少年」1960年3月号別冊付録 - 1960年7月号別冊付録)
    かんがえるロボット 岩風と光の爆発 くずれるまだら岩 ブラックオックス あらわれたオックス ブラックオックスの力 ブラックオックスのなぞ たばこの火 鉄人とオックス うばわれた鉄人 陸海空軍出動 おそいかかる鉄人 磁気嵐 ふく面団の最後
  11. 驚異の電脳ロボ・ロビー(月刊「少年」1960年8月増刊「探偵ブック」、月刊「少年」1960年8月号別冊付録 - 1960年12月号別冊付録、1960年10月号付録「とびだすまんが」)
    怪ロボット・ロビーの巻 あらわれた池のぬし 二つの池 鉄人のかつやく うばわれた鉄人 地底のロビー ブラックオックス ロビーのたくらみ 地底のたたかい あらわれたロボット部隊 鉄人をねらうロビー ロビーの新しい基地 ★ロビーの逆襲の巻
  12. 猛襲! ロビー・ロボ群(月刊「少年」1960年12月号別冊付録 - 1961年4月号別冊付録、1961年1月増刊「探偵ブック」)
    むかでロボット さらわれた鉄人 オックスのかつやく ドラグネット博士 やってきたロビー 敵か味方か こうかん条件 あらわれた鉄板 なおった操縦器 もぬけのから 海底のロボット 警備艦出動 あやしい男 殺人ロボットV ★怪盗ブラックマスクの巻
  13. ギルバート強い!(月刊「少年」1961年4月号別冊付録 - 1961年9月号本誌)
    殺人ロボット発見 かくれ家発見 新しいロボット 地下室の死体 YE6W5のなぞ 東と西のなぞ ギルバートのゆくえ ドラグネット博士の秘密 追跡 あらしの夜のできごと 4747号車 あらわれたギルバート
  14. 巨大アリ事件(月刊「少年」1961年9月号別冊付録 - 1962年3月号本誌)
    がけのほらあな 黒いレインコート かいならした小鳥 洞くつ発見 あばれるケリー ギルバートあらわる オックスの到着 ケリーの最後 なぞのことば ジェット気流 女王アリ 山嵐のたくらみ 密輸ダイヤ 鉄人の出動 足あと発見 浮きあがった死体
  15. 陰謀の偽鉄人28号(月刊「少年」1962年3月号別冊付録 - 1962年7月号別冊付録)
    おそってきた大群 事件解決 にせもの事件 うばわれた鉄人 にげだした英二くん たおれていた大木 さらわれた敷島博士 なぞの屋敷 信号 うばわれた鉄人 鉄人の襲撃 救助作業 とらえた怪人 攻撃開始
  16. 十字結社の野望(月刊「少年」1962年7月号別冊付録 - 1962年11月号別冊付録)
    追撃 おそるべき鉄人 電波かくらん器 くるう鉄人 深夜の来訪者 十字結社 十字結社の暗躍 かきのこした手紙 神戸へ うずもれたトラック あらわれたモンスター モンスターを追って
  17. 十字結社の逆襲(月刊「少年」1962年12月号本誌 - 1963年4月号別冊付録)
    あばれるモンスター やってきた十字結社 モンスターの来襲 にげたモンスター 非常線突破 モンスターのゆくえ 車体番号5781 被害者の身元 モンスター発見 はかりごと
  18. ブラック博士の真実(月刊「少年」1963年4月号別冊付録 - 1963年9月号本誌)
    地下脱出 決戦 ほろびていった結社 追う者追われる者 怪人ブラック博士 赤死館 その顔を見た者は にせ電話 あの屋敷を見張れ ブラック家の病気 ブラック家の最期 ミスターX
  19. ファイア博士の大野心(月刊「少年」1963年9月号別冊付録 - 1964年2月号本誌)
    ファイア二世 ファイア二世の力 ホワイト・バッファロー 鉄人出発 くずれた氷 バッファロー山のなぞ ファイア三世 黒メガネの男 ホワイト・バッファロー山 監視ロボット あらわれた怪ロボット こわされたスカイ・レッド工場 消えた怪ロボット 工場見学
  20. 激闘!ファイア三世(月刊「少年」1964年2月号別冊付録 - 1964年7月号別冊付録)
    ファイア三世の内部 カギはだれのもの 行方不明の技師 挑戦 はずれた外装 オリンパスホテル20号 危機一髪 あらわれたファイア三世 勝利 なぞの潜水艦 つれさられたふたり
  21. 砂漠の鉄人28号(月刊「少年」1964年7月号別冊付録 - 1964年12月号本誌、1964年7月増刊「スリラーブック」)
    ギド 砂風 ギドの軍隊 到着したロボット サターンの威力 大塚署長の救出 人質 総攻撃 大団円 なぞのカバン ★沈没船のなぞの巻
  22. 出撃!VL2号(月刊「少年」1964年12月号別冊付録 - 1965年4月号別冊付録)
    カバンの秘密 あらわれた怪人 きえた自動車 VL2号 脱出 強行突破 VL2号 追跡 軌道 あやしい町工場
  23. 戦慄の光る物体(月刊「少年」1965年5月号本誌 - 1965年10月号別冊付録)
    決戦 死体のなぞ 光る怪物 にげた怪物 あらわれた警部 にげた怪物 山田野ロボット工場 おいつめられた怪物 モンタージュ写真 X2号 あらわれた怪ロボット こわされたスカイ・レッド工場 消えた怪ロボット 工場見学
  24. 恐竜ロボギャロン(月刊「少年」1965年11月号本誌 - 1966年5月号別冊付録「少年パンチ」、月刊「中一時代」1971年1月号、月刊「少年ジャンプ」1976年9月号、「ソノシート」1964年3月15日、「ソノシート」1964年8月25日)
    とらわれた署長 なぞの地図 なぞの怪獣 怪物ギャロン ★ベビーハイジャック事件 ★対決モンスターロボットの巻 ★新作鉄人28号 コンピューター殺人事件の巻 ★銀行ギャング粉砕 ★鉄人 超特急を守れ

[編集] ラジオドラマ

[編集] 1959年版

1959年8月31日~1960年4月29日、ニッポン放送にて放送。

  • 主題歌:「鉄人28号」(作詞:鈴木厚、作曲:渡辺岳夫、歌:上高田少年合唱団)

[編集] 1978年版

1978年11月23日~12月22日、ニッポン放送にて放送。

[編集] 実写版テレビドラマ

1960年2月1日~同年4月25日に日本テレビ系列で放送された。全13話でモノクロ。

鉄人28号は着ぐるみで、身長2メートル程度、6話までの原作風の樽型と7話以降のドラム缶型の2種類がある。前者は眼から、後者は胸から怪光線を出す。第13回で仮面団のロケットを取り付け、飛行可能になる。ロボットは他にも、鉄人26号、27号、仮面団の怪ロボットXが登場する。なお鉄人26号には少年ジェットに登場したロボットが使われた。

ストーリーは、鉄人の出現、村雨兄弟の登場、QX団(原作ではPX団)との攻防、怪ロボットXの出現、サルバチア国(原作ではS国)のスパイ・仮面団との戦いと続くが、未完結のまま打ち切られたために正太郎が鉄人28号の操縦者になる事はなかった。

[編集] 放映リスト

  1. 恐怖の一夜
  2. 法師が岳の対決
  3. 深山の雷鳴
  4. 岸壁への追跡
  5. 怪潜水艦
  6. 海辺の争闘
  7. 怪ロボットX出現
  8. クロロホルム探偵登場
  9. QX団本部の急襲
  10. トラックを追え
  11. 新たなる強敵
  12. 仮面の怪人
  13. 鉄人空を飛ぶ

※ビデオ・LDが発売されたが、第4話・第12話はフィルム紛失のため未収録。

[編集] 出演

  • 金田正太郎:内藤正一(現・内藤雅行
  • 大塚署長:有木三太
  • 敷島博士:美川洋一郎
  • 村雨健次:川喜多雄二
  • クロロホルム探偵:三田村隆介
  • QX団首領:金井修
  • 仮面団団長:正岡三輝弥
  • 覆面の男(花井技師):後藤陽吉

[編集] スタッフ

  • 原作:横山光輝
  • 監督:まるねさんたろう(丸根賛太郎)、中村純一、志波裕之、増田健太郎
  • 脚色:まるねさんたろう、コオロギハルヲ
  • 制作:米山彊、吉田礼子、松崎啓次
  • 撮影:池田傅一、江津禮孝元、星信夫
  • 照明:飯塚茂、鈴木貞夫
  • 美術:江坂実、松崎プロ美術部
  • 録音:日本録音株式会社
  • 効果:角田陽次郎
  • 編集:与曽田光代、福島照夫
  • 記録:布施文子
  • SFアドバイザー:星新一
  • 音楽:宇野誠一郎、中林淳眞
  • 主題歌:「鉄人28号」(作詞:青木義久、作曲:宇野誠一郎、歌:高毛礼誠(初期)、ビクター児童合唱団)

主題歌はレコード発売に伴い児童合唱に変更された。

日本テレビ 月曜19:30~20:00
前番組 番組名 次番組
ファミリースコープ
鉄人28号
(実写版テレビドラマ)
エノケンの爆笑劇場

[編集] テレビアニメ第1作

1963年10月20日~1966年5月25日、フジテレビ系列で放送された。84話でいったん終了した後、3か月後に新作13話が放送され、全97話となった。モノクロ作品。詳細は「鉄人28号 (テレビアニメ第1作)」を参照のこと。

[編集] それ以降の派生作品

1966年「少年」での人気第1位を続けている中、横山はストーリー展開の限界を感じて漫画の連載を終了した。また同時期にテレビアニメの放送も終了した。しかし、1978年ごろから再びその人気に火が付き、繰り返しリメイクが行われ、派生作品が制作された。テレビアニメは4作を数え、実写映画版も作成された。

[編集] その他

  • ハリウッドのスタジオ20世紀フォックス社が実写映画化権を90年代初頭に取得。英題はThe Gigantor。
  • 主人公、金田正太郎の名前のモデルは、元読売ジャイアンツ(連載開始当時は国鉄スワローズ)投手の金田正一。大塚署長の名前は、雑誌『少年』の発行元である光文社の隣にある大塚警察署(文京区)に由来する。
  • 当初は悪のロボットを正義の少年探偵が溶鉱炉に落として退治するストーリーの予定だったが、鉄人の人気が高かったため鉄人を主人公にすることになった。当初鉄人28号として登場していたロボットは実は鉄人27号だったということにして、後に本物の鉄人28号が登場してそれが正太郎少年の手に渡る。
  • 原作漫画の原稿は紛失していたり、過去の単行本化の際に切り張りされたため部分的に欠損していたりする。「原作完全版」はデジタル画像処理を駆使して原稿を連載当時の形に戻し、欠損部分はトレースで復元するという非常に手間のかかる作業を経て、現著作権所有者の許諾を得て再編集し発刊の運びとなった。
  • テレビアニメ第1作において、オープニング曲と続くスポンサークレジット曲とがつながっている。これは本放送の視聴者のみならず広く知られており、CSで再放送される際には特別に本放送当時のスポンサークレジットがそのまま流れることもある。スポンサーであった江崎グリコも了承している。
  • テレビアニメ第4作の最終回は、横山が当初予定していた「溶鉱炉に落として退治する」に似た終わり方を行ったことから議論を呼んでいる。これは今川監督とプロデューサーで実質的な企画者でもある大月俊倫が「本来予定されていた終わり方を踏襲する」事を製作当初より予定し、横山より承諾を得て決定したものである。今川監督はドラマを中心にした展開ではなく、ロボットアニメらしい痛快活劇をやりたかったが、大月俊倫に予算を制限されすぎてできなかったことを吐露している。
  • 鉄人を実際に作るという企画が存在していたが、現在は著作権の権利を所持している遺族や、KOBE鉄人PROJECTという、同種企画の関係者の干渉により、企画自体が消滅している。

[編集] 他作品からの影響

[編集] 他作品等への影響

  • 漫画及びアニメ映画となった『AKIRA』では、本作品の登場人物に類似した名前の人物がいる。作品自体に巨大ロボットは関係しないが、日本SF漫画初期の傑作である本作品に対するオマージュといえよう。
  • 機動警察パトレイバー』の漫画版で展開された、主役機イングラムのメインシステムを奪取しようという構図と一連の企画七課がらみの事件は、『鉄人28号』のオマージュでもある。同作品に登場するブロッケンは鉄人、グリフォンはブラックオックスがモチーフであり、水蒸気の中から現れるグリフォンの構図は桜田門襲撃の際のオックスによく似ている。
  • 究極超人あ〜る』の主人公「R・田中一郎」の誕生過程は、発端は『鉄腕アトム』、製作状況は『鉄人28号』のパロディで、製作者成原博士は「R28号」と呼ぶ。兄は27号だが外観は26号だった。後に妹が開発され、「R29号」(彼女自身は自分を「アール・デコ」と自称)と呼ばれた。
  • 映画『ロボコップ2』において、ロボコップ開発記録映像が旧実写版『鉄人28号』開発記録映像のパロディであるという指摘がある。
  • パロディとして鳥山明の『Dr.スランプ』のマシリト製作のキャラメルマンシリーズや麻宮騎亜の『快傑蒸気探偵団』、唐沢なをきの『鉄鋼無敵科學大魔號』や『近未来馬鹿』の短篇「鋼鉄人間28号」「大塚署長自身の事件」等がある。
  • 今川泰宏監督のOVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』には様々な横山作品のキャラが出演しており、『鉄人28号』からも村雨健次(健二と改名される)を筆頭に数人が名を変えて登場している。他にも『鉄人』の敵ロボットが多数オープニングにのみ登場する。同OVAの外伝作品『鉄腕GinRei』では主人公の草間大作が敵方のBF団に寝返り、正太郎同様、格子模様のブレザー姿で「JINTETSU(人鉄)」という鉄人のパチモン風なロボットを操縦している。同じく外伝作品の『青い瞳の銀鈴』では、アニメ第1作の金田正太郎役だった高橋和枝が正太郎の姿をした少年のルード役でゲスト出演している。
  • 1980年代に少女愛のロリコンが話題になったとき、アニメ雑誌ファンロードの記事をきっかけにショタコン( = 正太郎コンプレックス)なる言葉が用いられるようになった。
  • 関西国際空港への空港アクセス特急ラピート」に使われている南海50000系電車が「鉄人28号」に似ており、鉄道ファン等は同車両を「鉄仮面」・「鉄人28号」等の愛称で呼んでいる。
  • フジテレビで放送された子供向け番組『ウゴウゴルーガ』では、『おやじん28ごう』という本作のパロディ作品が存在する。ギャグ作品である。
  • アニメ第1作のエンディングテーマ「正太郎マーチ」は、アニメ『彼氏彼女の事情』でしばしばアバンタイトルのBGMとして使われた。
  • フジテレビ系ドラマ『カバチタレ!』(2001年1月11日~3月22日放送)で陣内孝則が演じた大野勇は、本作品のファンであるというドラマオリジナルの設定があり、誰も居ないオフィスで鉄人28号のフィギュアを使って遊んでいたことがある。ドラマの後半部分では本作品の「良いも悪いもリモコン次第」というコンセプトが物語の大きなネックとなっている。自分達の仕事は決して弱者を守る為だけにあるのでなく、時には自分の意に反する仕事もしなければならないという事を、大野は自分たちのような代書屋を「鉄人」、決定権を持つ依頼者を「リモコン」に例えていた。また劇中でアニメ第1作の映像が度々使われている。
  • 藤子・F・不二雄のSF短編には鉄人をひろったよという「黒部の山奥」(鉄人誕生の地の一つに乗鞍岳秘密研究所がある)「モサドやKGB」などの言葉を途切れ途切れに吐く男が老人にリモコンを渡す作品がある(リモコンは音声認識タイプ)。

[編集] 参考文献

  • 飯城勇三『「鉄人28号」大研究 - 操縦器(リモコン)の夢』 ISBN 4062691787
  • 小泉俊博『懐かし玩具の王様 “鉄人28号”』 ISBN 4766332474
  • 池田啓晶編著『鉄腕アトム vs 鉄人28号 - 僕たちの「少年」時代』 ISBN 4900528285
  • 『鉄人28号大百科』 ケイブンシャ、1981年


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