ストリートファイターII V
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『ストリートファイターII V』(ストリートファイターツー ブイ)は、テレビゲーム『ストリートファイターII』を原作としたテレビアニメ作品。
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[編集] 概要
1995年4月10日から同年11月27日まで毎週月曜日19:00から19:30の時間帯において讀賣テレビ放送をキー局に四国放送を除く日本テレビ放送網 (NNS) 系列で放送された。全29話。1988年3月に『シティーハンター』が終了して以来(その間放送されたのは『追跡』→『頑張る!TV!!』→『出てこい!ムーチャス』→『追跡・震災負けへんで』)、7年ぶりに日本テレビ系同時間帯のアニメ枠の復活となった。
1990年代の対戦型格闘ゲームブームを背景にアニメ化。前年1994年には劇場版アニメの『ストリートファイターII MOVIE』が公開され、テレビ東京でも格闘ゲーム『バーチャファイター』が1995年10月よりテレビアニメシリーズ化されている。
劇場版とは別のストーリーではあるがケン、バルログ、キャミィのみ声優が変更されていない。
原作のゲームとはかなり設定が異なる。時代設定からしてゲームは1991年であるのに対し本作は1995年(作品発表当時の「現在」)であり、リュウ、ケン、春麗といったキャラクターの年齢設定も違う。また、エドモンド本田、ブランカ、サンダー・ホーク、ディージェイは登場しない。ストーリーに全く関わらないが、豪鬼がモブキャラに混じって背景に登場している。
裏番組の『関口宏の東京フレンドパークII』(TBS)や『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日)に苦戦させられたなどの理由により、同年11月27日に打ち切り終了した。
[編集] ストーリー
日本の南西諸島の中にある海宮内島できこりの手伝いをして生活しているリュウの元にある日、アメリカに住む友人、ケンから手紙が届く。そこには百ドル札とアメリカに来いという短いメッセージだけだった。とまどいながらもリュウは日本を離れる決意を固める。 リュウはアメリカへと飛び立つ。アメリカの空港に着くとそこにはケンがリュウを待っていた。 ケンに連れられ、ケンの自宅へと向かうリュウ。そこは見たことも無い豪邸だった。家に着き、ケンの部屋に案内されると、そこにはケンが勝ち取った数々のトロフィーが。それに見とれているリュウにケンが見せたいものがあると言う。
[編集] 登場人物
- リュウ 声:辻谷耕史
- 日本出身、17歳。日本の南西諸島できこりの手伝いをしていた際、修行仲間のケンから手紙が届き、アメリカを訪れる。
- 今まで格闘では負け知らずだったが、夜のバーで空軍と喧嘩になった際にガイルに敗北してしまう。世界の広さを知り、ケンと共に修行の旅に出る事になる。
- 香港で老人に波動についての話を聞き、波動の力に興味を持つようになる。
- ケン 声:羽賀研二
- アメリカ出身、17歳。リュウとは同門の親友でマスターズ財団の御曹司。ガイル戦後、世界への修行の旅にリュウを誘う。
- 春麗 声:横山智佐
- 香港出身、15歳。好奇心旺盛で危険な事にも首を突っ込みたがる。旅行客案内のアルバイトの際にリュウ達と知り合い、一緒に行動するようになる。九龍城で危険な目に逢ったりもしたが、何だかんだ言ってリュウやケンと一緒にいる事を楽しんでいた。
- タイへと旅立つリュウ達を見送り香港に残るが、スペイン編で再登場する。そこで、バルログに目を付けられ催眠術をかけられてしまう。
- ガイル 声:玄田哲章
- アメリカ出身、21歳。アメリカ空軍の軍曹。サンフランシスコのバーでリュウと喧嘩になり、負け知らずだった彼を圧倒的な力で叩きのめす。この事が、リュウとケンが世界に旅立つきっかけとなった。
後にケンの父からの要請で、誘拐されたケンの救出のため、スペインに飛び立つ事になる。
- サガット 声:銀河万丈
- タイ出身。嘗てはムエタイの王者だった。八百長試合を持ちかけられたが断ったため、麻薬所持の無実の罪を着せられ投獄される。必殺技の「タイガーニークラッシュ」は無敵の威力を誇る。
- 自身と同じく無実の罪で投獄されたリュウと賭け試合をする事になるが、奇妙な友情が芽生える。
- ダルシム 声:飯塚昭三
- インド出身。アヒチャトラという村の僧侶。
リュウとケンは波動の情報を求め、ダルシムの元を訪れる。人を傷つける格闘家に対し良い感情は抱いておらず、当初はリュウ達を「獣」と称し当初相手にしていなかったが、後に認めるようになる。
- バルログ 声:塩沢兼人
- スペイン出身、18歳。闘牛士として国民に絶大な支持を誇るが、一方では夜に行われる金網デスマッチで殺戮を繰り返していた。春麗の美しさに心酔し、彼女に催眠術をかける。闘技場にケンを呼び出し宣戦布告する。
- 飛龍(フェイロン) 声:矢尾一樹
- 香港出身、17歳。香港の若手アクションスターで、銅昴の門下生。映画監督に対して噛み付く事も多く、「お前のような生意気な奴は初めてだ」と言わしめた。台本に沿ったアクションに疑問を感じ、よりリアルな闘いを求めタイガーバームガーデンでケンを対戦相手として指名する。
- 後に銅昴を頼ってスペインに飛び立つが、空港で銅昴が何者かに襲われ意識不明だという事を知り激昂。バーラックと共に捜査に関わるようになる。
- キャミィ 声:佐々木瑶子
- 異名は美しき暗殺者。バイソンの依頼で銅昴暗殺を実行する。
- バイソン 声:西村知道
- 表向きはインターポールの捜査官だが、その正体はシャドルーのスパイ。キャミィを利用し、シャドルーにとって目障りな銅昴暗殺を計画する。
- 事あるごとに汗を拭く事が多い。
- ザンギエフ 声:田中康郎
- シャドルーに雇われたレスラー。頭の回転は遅いが、同僚が驚愕するほど怪力の持ち主。
- ベガ声:内海賢二
シャドルーの黒幕。
- 本拠地はタイだが、スペインの小島にある支部を中心に活動していた。
- 海岸で波動の修行をするリュウを見つけ、以降彼の力に興味を持つようになる。
- シャドルーの科学力によって編み出されたサイバーチップを駆使し、リュウや春麗を洗脳する。
- また彼の必殺技のサイコクラッシャーは殺人的な威力を誇る。
- ナッシュ 声:田中亮一
- ガイルの同僚。ガイルと共に誘拐されたケンを救出するためスペインへ飛ぶ。
- 銅昴(ドウライ) 声:納谷六朗
- 春麗の父。インターポールの捜査官で、中国拳法の道場の師範でもある。人望が厚く、部下の刑事は勿論、フェイロン等門下生たちも彼を慕っている。スペインで暗殺者キャミィに襲われる。
- ゾルター 声:松尾まつお
- ベガの側近。シャドルーの頭脳的な部分を担っている。
- バーラック
- インターポールの捜査官で、シャドルー捜査の中心的存在。部下の銅昴が襲われたため、犯人の捜査のためフェイロンに協力を申し入れる。
- ゾッチ 声:笹岡繁蔵
- シャドルーの下部組織、阿修羅のボス。
- ドヌー 声:二又一成
- 阿修羅の幹部。中国でムエタイの使い手を率いて銅昴を襲撃するが、リュウ、ケン、春麗、フェイロン、銅昴に返り討ちに遭う。その後タイの空港で偶然見かけたリュウのバッグにアヘンを入れ、無実の罪を着せる。
- 淋子
- 南西諸島に住んでいた女の子。アメリカに発つリュウに母親の形見の数珠をお守りとして授ける。第3話以降は登場しない。
- ナレーション 声:大塚明夫
[編集] スタッフ
- 原案・設定:CAPCOM
- 原作:今井賢一
- 監督:杉井ギサブロー
- 監督補:はしもとなおと、佐藤卓哉
- アニメーションプロデューサー:藤田健
- 制作担当:大西つとむ
- プロデューサー:今井賢一、位寄雅雄
- 脚本:酒井直行、外山草、平柳益実
- キャラクターデザイン・総作画監督:加野晃
- 作画監督協力:前田実、江口摩吏介
- 美術監督:西川淳一郎
- 背景:スタジオユニ、スタジオテークワン
- 撮影監督:小堀勝哉
- 撮影:スタジオぎゃろっぷ
- 武闘監督:東海林真一
- シリーズ原作協力:沢田謙也、石井和義、正道会館
- 音響監督:斯波重治
- 音響制作:オムニバスプロモーション
- 音楽:川崎真弘
- アニメーション制作協力:スタジオジュニオ、ジェー・シー・エフ、トランス・アーツ、オフィス蒼、スタジオ テイク・オフ、スタジオ雲雀、東京キッズ
- アニメーション制作:グループ・タック
- 製作:よみうりテレビ、グループ・タック
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ
- エンディングテーマ
- 『Cry』 (歌:黒田有紀/作詞・作曲:飛鳥涼/編曲:十川知司)
- 『LONELY BABY』 (作詞・作曲・歌:本田修司/編曲:佐藤昭宏)
[編集] 放映リスト
- 旅立ち サンフランシスコからの招待状
- 空軍の王者 炸裂、脅威のミリタリーコンバット
- 香港上陸 潜入、魔闘窟への挑戦状
- 暗黒の九龍[クーロン]城 無法地帯、命がけの大脱出
- 飛龍[フェイロン]熱血!激写、スーパーバトルアクションムービー
- 秘伝見参!漲る気、波動の覚醒
- 阿修羅の報復 襲いかかるムエタイの刺客
- 罠、牢獄、真実の叫び 誇り高きリュウ
- ムエタイの巨星 壮絶、獄中戦交響曲[プリズンバトルシンフォニー]
- 暗黒の予兆 ベールに包まれた真の君臨者
- 野獣来訪 聖なる荒法師、若武者への忠告
- 幻の真剣勝負 精神と肉体の間[はざま]に潜む闘神
- 波動拳伝説 森羅万象、エネルギーの結実
- 血に飢えた貴公子 美への執着、春麗への媚薬
- 両雄激突 プライドと命とシンデレラを賭けた死闘
- ベールをぬいだ君臨者 暴走を始めた恐るべき征服欲
- 戦慄、暴君の司令 忍び寄る策謀、迫り来る危機
- 美しき暗殺者 緑色の瞳、十字架[クロス]の恐怖
- 鉄人への特命 救出の空に発つ最強の助っ人
- 秘められた爆発力 渾身に満ちるとてつもないパワー
- 服従への強制 サイバーチップ、脳支配への挑戦
- 昇龍、空へ 怒りの絶頂、目覚める波動
- 凍りついた眼光 悪魔に魅入られた勇者
- 悪夢の再会 悲痛の呼び掛け、閉ざされた意識
- 死闘<第一章> 壮絶、トリプルバトルコマンド
- 死闘<第二章> 力尽きゆく親友の断末魔
- 死闘<第三章> 臨界点、激突する波動エネルギーの極限
- 死闘<第四章> 君臨者ベガ、その圧倒的破壊力
- 死闘完結 全身全霊をかけたファイナルバトル
[編集] コミック
コロコロコミック(小学館)と、コミックボンボン(講談社)の両誌にて連載されていた。
コロコロ版は著者の坂井孝行がアニメ版に忠実な形でコミカライズしていたのに対し、ボンボン版は著者の馬場康士(現・馬場康誌)がアニメ版の内容を知らずに執筆したため、似て異なる別物となっている。
なお、ボンボン版については『ストリートファイターII V烈伝』も参照されたい。
[編集] 前後番組の変遷
ytv系 月曜19時台前半(本作以降アニメ枠) | ||
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ストリートファイターII V
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