スクーデリア・トロ・ロッソ
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エントリー名 | Scuderia Toro Rosso |
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チーム国籍 | イタリア |
チーム本拠地 | イタリア・ファエンツァ |
チーム代表者 | フランツ・トスト |
テクニカルディレクター | ジョルジオ・アスカネッリ |
ドライバー | 14. セバスチャン・ボーデ 15. セバスチャン・ベッテル |
テストドライバー | |
シャシー | STR3 |
エンジン | フェラーリTipo056 |
タイヤ | ブリヂストン |
参戦年度 | 2006 - |
出走回数 | 35 |
コンストラクターズタイトル | 0 |
ドライバーズタイトル | 0 |
優勝回数 | 0 |
通算獲得ポイント | 9 |
表彰台(3位以内)回数 | 0 |
ポールポジション | 0 |
ファステストラップ | 0 |
F1デビュー戦 | 2006年バーレーンGP |
初勝利 | - |
2007年順位 | 7位 (8ポイント) |
(記録は2007年第17戦終了時) | |
スクーデリア・トロ・ロッソ (Scuderia Toro Rosso)は、2006年からF1に参戦しているレーシングコンストラクター。本拠地はイタリアのファエンツァ。
目次 |
[編集] 概要
2005年11月1日、レッドブル社がミナルディを買収しチームを設立。チーム名はイタリア語でTeam Red Bullという意味。その名の通り、レッドブル・レーシングのジュニアチームである。上記の本拠地もこのミナルディから引き継いだ形となっている。
2006年2月、ゲルハルト・ベルガーがチーム株式の50%を取得しチームの共同オーナーに就任、同時にアドバイザーという形でチームに加わった。
- チーム所有
現在、レッドブル・テクノロジーがレッドブル・レーシングと本チームに同デザインのマシンを供給する方式を採っているが、2010年までにスーパーアグリとともに自社でマシンを開発・製造する「コンストラクター」化が必須とされているため、現在の方式を使うことができなくなる。それを理由に共同オーナーの一人であるレッドブルのディートリッヒ・マテシッツはチーム売却の意思を明らかにした。ただし、売却は2008年シーズン中には行わないことも明言している[1]。
[編集] 名称
当初は「スクアードラ・トロ・ロッソ(Squadra Toro Rosso)」というチーム名を使用したが、この「スクアードラ」は主にサッカークラブなどに対して用いるものではないかという意見が多数寄せられた為、後に似た意味であるが通常レーシングチームに対して用いられる「スクデリーア - (Scuderia - )」に変更された。
なお、イタリア語の「Scuderia」とは厩舎の意味から転じた、英語の「Team」に当たる言葉である。カタカナ表記に当てはめる場合は「スクデリーア」(リにアクセントを置く)とする方がより近いが、日本では「スクーデリア」と表記されることが多く、注意が必要である。
[編集] 来歴
[編集] 2006年
初年度となるこの年のドライバーはヴィタントニオ・リウッツィ、スコット・スピード、ニール・ジャニという若手で揃えたラインナップとし、3名全てレッドブル・ジュニアチーム出身のドライバーを起用した。
F1で使用されるエンジンはこの年からV8・2.4リッターエンジンに変更されたが、トロ・ロッソだけはプライベーターであるという理由によって、エンジンは前年度にミナルディが使用していたコスワース製のV10・3リッターエンジンにリストリクター(吸気制限装置)を装着し、さらに最高回転数を制限されたものを使用した。シャシーは前年にレッドブルが使用したRB1と酷似したSTR1で出走した。
これらの点については公平性という観点から疑問の声が上がった。制限付きのV10エンジンの使用については、元々ごく小規模なチームで常に資金難に喘いでいたミナルディからの要請であったため他チームも使用を認めたという経緯があり、その後にミナルディを買収して誕生し、資金的にはその気になればコスワースを会社ごと買収できるほど潤沢であったトロ・ロッソにおいても認める必要があるのかという点で疑問視され、V10エンジンを使用することで他チームに対して有利となる局面が生じるのではないかと指摘する声も少なくなかった。実際にFIAはV10エンジンを使用するトロ・ロッソがレースにおいて大きなアドバンテージを得ていると判断した場合には、最高回転数をさらに引き下げる準備を行なっていた。しかし、実際にはV10エンジン使用によるアドバンテージが顕著となるレースは無く、他チームの疑問視する声もシーズン中盤には治まることとなった。
シャシーについても、2006年に参戦を開始したスーパーアグリがB・A・Rチームの2005年もしくはそれ以前に用いたシャシーを使用しようとしてFIAに禁じられたケースと矛盾があり、疑問の声が聞かれる。シャシーについては元々はこのシャシーがレッドブルの前身となるジャガー・レーシング時代に設計されたものであり、すでに存在しないコンストラクターであるジャガーのシャシーであることが使用が許可されている理由であると理解されているが、この点はB・A・Rのケースにおいても同様であり、やはり矛盾が生じていると言わざるを得ない(ジャガー→レッドブルには株主構成の継続性がないため別会社扱い、B・A・R→ホンダについては元々ホンダがB・A・R株式の45%を保有していたことから継続性があるとみなされ、この違いがシャシー使用可否の差となっていると思われる)。
レース開幕後、リストリクターと回転数を16,700rpmに制限する規制によりスピードは抑えられたものの、エンジンを低回転で最大トルクが出るようにチューニングしたことにより、中低速コーナーからの加速性能に優れるようになり、特に低速サーキットではグリッド上位に上がるようになった。これに対して、改めてトロ・ロッソにV10エンジンの使用を認めるか否かの議論が起きた。しかし、各チームがV8エンジンの性能を上げてきたため、最終的には回転数規制を緩めてもテールエンダーに落ち着いていた。2007年からはレッドブルが所有していたフェラーリエンジンの供給契約を譲り受け、コスワースV10を手放すことが発表されている。
[編集] 2007年
ドライバーは前年に続き、、ヴィタントニオ・リウッツィとスコット・スピードという布陣でスタート。しかし、当初からドライバー陣と共同オーナーであるベルガーとの関係がぎくしゃくしており、開幕前から心配する声が出ていた。また、マシンは「STR2」で、デザインはエイドリアン・ニューエイである。マシンについてはスーパーアグリ同様にカスタマーシャシーではないかとの批判がある。ただ、両チームとも現存チームが権利を持っているデザインを採用しているわけではなく(トロ・ロッソは、レッドブルレーシングとも別会社であるレッドブルテクノロジーからデザイン供給されている。スーパーアグリは、元のデザインの権利を保持していたホンダレーシングF1チームから別の会社に権利を移転させ、そこから供給を受けている。)、問題は無いとの立場を取っている(しかし、カスタマーシャシーに反対するスパイカーF1と、トロ・ロッソ、スーパーアグリの三者間で商業権料を分けるなどの合意がなされた)。エイドリアン・ニューエイがデザインしたマシンということで期待も一部にはあったが、2チームに共通の部品を供給する十分な余裕がなく、レッドブルレーシングが優先されることや信頼性の問題もあって、完走さえままならない状況になってしまった。唯一モナコグランプリでは入賞一歩手前の9位にスコット・スピードが入った。しかし、このスコット・スピードとチーム首脳陣の関係は開幕前よりも悪化。第10戦ヨーロッパグランプリ後にスピードは更迭され、今季BMWザウバーの3rdドライバーを務めていたセバスチャン・ベッテルが第11戦ハンガリーグランプリより参戦。 そして中国グランプリに於いて待望のダブル入賞を果たした。
[編集] 2008年
- ドライバー
ドライバーは2007年度、途中より加入したセバスチャン・ベッテルと2004-2007年チャンプカーチャンピオンであるセバスチャン・ボーデである。
- マシン
トロ・ロッソのスポーティング・ディレクターであるフランツ・トストは、2008年のレギュレーションに合わせた「STR2B」で序盤の4戦を戦う意向を示していた[2]が、STR3用のパーツが間に合わないとの理由で、第5戦トルコGPまで使用され、STR3はモナコGPから投入された。エンジンは引き続きフェラーリから供給を受ける。
[編集] 戦績
年 | シャーシー | エンジン | タイヤ | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | ポイント | ランキング |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2006 | STR1 | コスワース V10TJ2005 | M | BHR | MAL | AUS | SMR | EUR | ESP | MON | GBR | CAN | USA | FRA | GER | HUN | TUR | ITA | CHN | JPN | BRA | 1 | 9th | |
ヴィタントニオ・リウッツィ | 11 | 11 | Ret | 14 | Ret | 15 | 10 | 13 | 13 | 8 | 13 | 10 | Ret | Ret | 14 | 10 | 14 | 13 | ||||||
スコット・スピード | 13 | Ret | 9 | 15 | 11 | Ret | 13 | Ret | 10 | Ret | 10 | 12 | 11 | 13 | 13 | 14 | 18 | 11 | ||||||
2007 | STR2 | フェラーリTipo056 (V8) | B | AUS | MAL | BHR | ESP | MON | CAN | USA | FRA | GBR | EUR | HUN | TUR | ITA | BEL | JPN | CHN | BRA | 8 | 7th | ||
ヴィタントニオ・リウッツィ | 14 | 17 | Ret | Ret | Ret | Ret | 17 | Ret | 16 | Ret | Ret | 15 | 17 | 12 | 9 | 6 | 13 | |||||||
スコット・スピード | Ret | 14 | Ret | Ret | 9 | Ret | 13 | Ret | Ret | Ret | ||||||||||||||
セバスチャン・ベッテル | 16 | 19 | 18 | Ret | Ret | 4 | Ret | |||||||||||||||||
2008 | STR2B,STR3 | フェラーリTipo056 | B | AUS | MAL | BHR | ESP | TUR | MON | CAN | FRA | GBR | GER | HUN | EUR | BEL | ITA | SIN | JPN | CHN | BRA | 2 | -位 | |
セバスチャン・ボーデ | 7 | Ret | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ||||||
セバスチャン・ベッテル | Ret | Ret | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
[編集] 出典
- ^ Toro Rosso team put up for sale- (autosport.com 2008年3月18日)
- ^ Toro Rosso to start 2008 with old car- (Manipe F12007年11月17日)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
現在のチーム首脳 | フランツ・トスト | ゲルハルト・ベルガー | ジョルジオ・アスカネッリ | アレックス・ヒッチンガー | |
チーム関係者 | ディートリッヒ・マテシッツ | クリスチャン・ホーナー | エイドリアン・ニューウェイ | |
現在のドライバー | セバスチャン・ボーデ | セバスチャン・ベッテル | |
過去のドライバー | ニール・ジャニ | スコット・スピード | ヴィタントニオ・リウッツィ | |
F1マシン | STR1 | STR2 | STR2B | STR3 | |
チーム関連会社 | レッドブル | レッドブル・テクノロジー | |
現在のスポンサー | レッドブル | ハンガー7 | フォルクスワーゲン | ブリヂストン |
2008年のF1世界選手権を戦うチームと出走ドライバー | |||||||||||
フェラーリ | BMWザウバー | ルノー | ウィリアムズ | レッドブル | トヨタ | ||||||
1 | ライコネン | 3 | ハイドフェルド | 5 | アロンソ | 7 | ロズベルグ | 9 | クルサード | 11 | トゥルーリ |
2 | マッサ | 4 | クビサ | 6 | ピケ | 8 | 中嶋 | 10 | ウェバー | 12 | グロック |
トロ・ロッソ | ホンダ | スーパーアグリ (第4戦まで) |
フォース・インディア | マクラーレン | |||||||
14 | ボーデ | 16 | バトン | 18 | 佐藤 | 20 | スーティル | 22 | ハミルトン | ||
15 | ベッテル | 17 | バリチェロ | 19 | デビッドソン | 21 | フィジケラ | 23 | コバライネン | ||