ZBrush
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ZBrushは、Pixologic社が発表した画像処理ソフトウェア。
初期版は2Dペインターソフトウェアに3Dのオブジェクトへシェーディング、レンダリングなどの処理を加え合成させる2.5Dペインティングソフトという位置づけであった。現在は高度化した3Dモデリングの機能性からモデラーとしても用いられている。3DCGオペレーションでもペイント機能を使った機能が扱いやすいとユーザーの好評を得ている。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』を制作したWeta デジタルスタッフとの共同開発によって進歩した。
モデリング作業だけで複雑な模様を作りこむのは難しく、効率良くハイレベルなモデルを完成させるためには、テクスチャの明度情報をモデルの凹凸に置き換えることができるディスプレイスメントや、テクスチャの明度情報によって法線をコントロールし、陰影でモデルに溝や模様を与えるノーマルマップ機能が必須である。ZBrushはこのような機能を十分に備え、他のメジャー3Dソフトとの親和性・連携のしやすさを考慮して開発されているため、海外の映像・ゲーム業界での普及が延びている。日本国内においてのZBrushの知名度はまだ低く、普及率は伸びていない状況である。
同系統の機能を持った3Dソフトに、SiloやMudBoxがある。
[編集] ZBrushの機能
- Pixol
- 背面情報のないボクセルのような物のことである。高度を持っているピクセル情報で、レンダリング時に影を生成したりできる。
- ZSphere
- 作りたいモデルの大まかな形に近くなるように球体を並べて、ポリゴンに変換し、そこからペイント感覚でモデルを加工できるようにした画期的な機能。モデルの基本形状を手早く作ることが可能。バージョン2から搭載された。
- Projection Master
- モデルに細かな凹凸を施したり、テクスチャを描き込みやすくするために、ユーザー側からのモデルへの視点を固定する機能。これにより、モデルへのテクスチャの投影を制御している。また、アルファ画像によってブラシの形状を制御して描くこともできる。Projection Masterで精度の高い彫刻やテクスチャを制作したいなら、モデルの必要な部分をなるべく大きく表示してから実行すること。
[編集] 現時点での欠点
- 一般的な3Dソフトのように、自由にエッジ分割できず、ポリゴンの切り離し・結合ができない。
- UVのマッピング機能はあるものの、UV編集機能が無い。
- レンダリングがモニター解像度に依存する設計になっている。