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X線回折 - Wikipedia

X線回折

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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X線回折(えっくすせんかいせつ, X-ray diffraction; XRD)とは、X線結晶格子によって回折される現象のことである。1912年にマックス・フォン・ラウエがこの現象を発見し、X線の正体が波長の短い電磁波であることを明らかにした。

逆にこの現象を利用して物質の結晶構造を調べることが可能である。このようにX線の回折の結果を解析して結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法をX線結晶構造解析あるいはX線回折法という。しばしばこれをX線回折と略して呼ぶ。他に同じように回折現象を利用する結晶構造解析の手法として、電子回折法や中性子回折法がある。

目次

[編集] 原理

ラウエは結晶中の原子の位置ベクトルrが、単位格子ベクトルをan、任意の整数unとして

\mathbf{r} = u_1 \mathbf{a_1} + u_2 \mathbf{a_2} + u_3 \mathbf{a_3}

と表されるとしてそれぞれの原子によって回折されたX線が干渉によって強め合う条件を導いた。干渉によって強め合う方向にのみ回折されたX線が観測される。

この条件は、散乱前後のX線の波数ベクトル(方向が波の進行方向で大きさが波数と等しいベクトル)の差(散乱ベクトル)をΔk、任意の整数vnとして

\mathbf{a_1} \cdot \Delta \mathbf{k} = v_1
\mathbf{a_2} \cdot \Delta \mathbf{k} = v_2
\mathbf{a_3} \cdot \Delta \mathbf{k} = v_3

と表される。これをラウエの条件という。

これに対してブラッグ父子は、X線回折を結晶中の原子が作る面(原子網面)がX線を反射し、平行な別の2つの面に反射されたX線が干渉によって強め合う現象と解釈してより簡素な条件を導いた。この条件は2つの面の間隔をd、X線と平面のなす角をθ、任意の整数n、X線の波長λとすると

2dsinθ = nλ

と表される。これをブラッグの条件という。

ラウエの条件とブラッグの条件はまったく等価であり、これらの条件を結晶格子とX線の入射、回折の幾何的配置が満たしたときにはじめてX線回折が観測できる。

ラウエやブラッグは点状の原子がX線を回折するものとして扱ったが、実際にX線を回折するのは原子中に広がった分布を持つ電子である。位置ベクトルrの位置にある微小体積dV中で散乱されるX線の振幅はその位置での電子密度ρ(r)に比例する。よって原子がX線を回折する場合の散乱波の振幅fはこれを全空間に渡って積分したものになる。

f = \int \rho (\mathbf{r}) e^{2 \pi i \mathbf{r} \cdot \Delta \mathbf{k}} dV

このfを原子散乱因子という。

結晶においても同様の式が成立する。ここで、結晶中の電子密度はその各原子の電子密度の和で近似できるとする。位置ベクトルriの位置にある原子の原子散乱因子fiを使って結晶の散乱因子Fは

F = \sum_i f_i e^{2 \pi i \mathbf{r_i} \cdot \Delta \mathbf{k}}

と書き換えられる。これのFを結晶構造因子という。結晶構造因子は一般的に複素数となる。

X線の散乱強度は結晶構造因子の絶対値の2乗に比例する。結晶構造解析は測定したX線の散乱強度から結晶構造因子を求め、さらにそこから結晶を構成する原子を同定する作業である。

[編集] 装置

X線回折計はX線の発生部、試料室、検出部からなる。

X線の発生部は通常X線管球が使用される。これは陽極で発生させた熱電子を対陰極の金属に衝突させてX線を発生させるものである。対陰極に使用される金属に応じた特性X線とバックグラウンドとして白色X線が放射される。発生したX線は、単一波長のX線(通常はKα線)を取り出すためにフィルターを通す。このフィルターには対陰極に使用する金属より原子番号が1つ小さい金属が使用される。これは主にKβ線を吸収するので、β-フィルターとも呼ばれている。さらにバックグラウンドの白色X線を除くためにグラファイトの単結晶でX線回折させて単一波長のものだけを試料室へ導く。このグラファイトの単結晶はモノクロメーターと呼ばれている。

この方式では通常はCuKα線(λ=0.15418nm)が用いられることが多い。特に強度の高いX線が必要な場合にはMoKα線(λ=0.071073nm)が用いられる。

また、さらに強度の強いX線が必要な場合には、放射光の白色X線を利用することもある。

検出部はかつては写真乾板が使用されていたが、現在では比例計数管が使用されている。

発生部と試料と検出部は常にブラッグの条件が満たされるように連動して動くようになっている。すなわち入射X線に対して試料をθ回転させると同時に、検出部を2θ回転させるようになっている。このような仕組みを持った装置をゴニオメーターという。単結晶X線回折を測定するためのX線回折計では、検出部とは独立に試料を3軸に対して回転できるようになっている。この装置は4軸X線回折計という。

[編集] 単結晶X線回折

試料の単結晶を作成してX線回折を測定することを単結晶X線回折という。通常、未知試料の分子構造を決定するために行われる。

X線の散乱強度からは結晶構造因子の絶対値は求まるが、その位相については知ることができない。これを位相問題という。構造解析をするためには位相を何らかの方法で決定する必要がある。この方法の1つは重原子法と呼ばれる方法で、未知試料を重原子の塩などに誘導体に変換してから単結晶X線回折を測定する方法である。重原子が存在すると重原子の電子密度が大きいために結晶構造因子は重原子の原子散乱因子を含む項だけで近似できる。もう一つは直接法と呼ばれる方法で、強度の強い回折線についていくつかの位相を仮定して矛盾が無い構造が得られるまで試行錯誤を繰り返す方法である。

[編集] 粉末X線回折

粉末のように多数の単結晶の集合と考えられる試料のX線回折を測定することを粉末X線回折という。通常、未知試料を同定するために行われる。粉末X線回折で得られる回折X線強度はさまざまな方向をランダムに向いた単結晶からの回折の総和となる。既知の物質については入射角と回折強度がデータベース化されており、これと照合することで未知試料の同定を行うことができる。

また、データベースに無い試料についてもリートフェルト法(Rietveld法、リートベルト法)により構造解析することで構造を決定できる場合がある。

[編集] X線表面分析

マクロな大きさの試料に対してX線を当てる場合、X線はその表面の数百µmまでしか侵入しない。そのためX線回折法は物質表面に限定して結晶構造を調べる手法となる。

X線の波長をλ、2つのX線の光路の距離差をdとすると、ブラッグの条件によりnλ=Dを満たすときに、X線の強度が最大になる。この条件を用いて、出力されたピークの位置から試料の格子定数を求め、表面の原子構造を導く。

試料の膜面垂直方向の格子定数を測定する場合を考える。格子を入射したX線と試料表面との角度がω=θχ、入射方向と反射方向との角度を2θχのとき、膜面垂直方向の格子面間隔をDとすれば、D=2dsinθχとなる。この場合はω=θχであるが、実際には散乱によりω=θχ以外の条件の角度にも散乱X線が出ており、ωとθχの条件を変えることで膜面面内方向の格子定数も測定することができる。このようにして測定した2次元の強度の分布を逆格子マップという。

[編集] 関連項目

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