Trusted Platform Module
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Trusted Platform Module(TPM)とは、ハードウェア耐タンパー性をもつセキュリティチップのことである。 通常はPCなどのマザーボードに直付けされていて、CPUからLPC経由でアクセスできるコプロセッサとして働く。
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[編集] 概要
RSA暗号演算やSHA-1ハッシュ演算といった機能を有しており、チップ内で暗号化・復号、デジタル署名の生成・検証、プラットフォームの完全性検証を行うことができる。また、TPMの内部でRSAの鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)を生成することができる。
TPMの仕様はTCG (= Trusted Computing Group)という国際的な業界団体で策定されており、最新のバージョンは1.2である。
ノートPCだけではなく、デスクトップPCでもTPMは搭載されている。Windows OSとしてはWindows Vistaが初めて正式にサポートした[1]。
この技術は、さらに発展を遂げている。チップセット等の連携を強化した技術として、Intel Trusted Execution Technologyがある[1]。また、仮想機械むけの命令仕様拡張も提案されている[2]。
[編集] TPMの機能
TPMは以下の機能を提供する。
また、TPM1.2から以下の機能が追加された。
- カウンタ
- 単純増加カウンタ
- ティックカウンタ
- オーナー権委任 (パスワードは公開しない)
- 不揮発性ストレージ保存機能
[編集] TPMでできること
上記の機能を用いて、TPMでは以下のことを実現できる。
- プラットフォームの完全性を計測し、OSやアプリケーションの改竄を検知できる
- 公開鍵証明書を用いた端末の個体識別、詐称困難な端末認証を実現する
- データ(ストレージ)を暗号化し、不正に持ち出した情報は復号させない
[編集] TPM利用技術
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 日経エレクトロニクス2007年10月8日号p101「初めてTPMに対応したWindows Vista」