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Sunオーディオファイルは、サン・マイクロシステムズが策定した音声ファイルフォーマット。NeXTのシステムや初期のWebでよく使われた。当初はヘッダ部分がなく、8ビットのμ-lawで符号化された形式で固定されていた(サンプリングレートは8000Hz)。他のベンダーのハードウェアは、ビデオクロック信号の関連でサンプリングレート 8192Hz とされていることが多かった。その後、6個の32ビットワードで構成されるヘッダ部が追加され、さらにオプション的情報格納域があって、データがあるという形式になった(エンディアンはビッグ)。
現在では様々なデジタルオーディオ形式をサポートしているが、μ-lawによる符号化が使われることが多い。これは、SPARCstation 1 で採用された方式で、SunOS は /dev/audio
を通してアプリケーションに符号化機能を提供していた。このため、これがUNIXでの音声の符号化方式のデファクトスタンダードとなった。
[編集] フォーマット
32ビットワード |
フィールド |
説明/C言語の記法でのコンテンツの16進表記 |
0 |
マジックナンバー |
0x2e736e64 という値(ASCII文字の ".snd") |
1 |
データオフセット |
データまでのオフセット(バイト数)。最小は24(10進)。これは、ヘッダが最小の場合。 |
2 |
データサイズ |
データの大きさ(バイト数)。分からない場合は 0xffffffff を使う。 |
3 |
エンコーディング |
データの符号化形式:
|
4 |
サンプルレート |
秒当たりのサンプル数(例えば、8000) |
5 |
チャンネル |
インターリーブされているチャンネル数(モノラルは1、ステレオは2、さらに多くのチャンネルも可能だが、対応していないソフトが多い) |
符号化方式は第三ワードの「エンコーディング」で指定される。2 から 7 は非圧縮のPCMであり、可逆圧縮である。23 から 26 はADPCMであり、非可逆圧縮である(圧縮比は約4:1)。1 と 27 はそれぞれ μ-law と A-law であり、どちらも非可逆である。他にはDSPコマンドやデータもあり、NeXT の MusicKit というソフトウェアで処理されるよう設計されている。
なお、PCMデータは符号付で符号化される(符号なしではない)。
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