She's Rain
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『She's Rain』(シーズレイン)は、1993年に「シーズ・レイン」製作委員会が制作し、東映アストロが配給した日本の青春映画である。
1985年度文藝賞受賞作の小説「She's Rain」(平中悠一著)を映画化。
大阪北摂から神戸にいたる地域~阪急沿線は一種独特の雰囲気を持つところである。 芦屋や夙川あたりのお屋敷町をかかえ、この地域で生まれ育った子供たちは中流以上の生活と意識を持ち、スノッブな雰囲気に満ちている。
そんな高校生たちの少し背伸びした恋愛模様を描いた作品。
配役には当時、人気急上昇中だった小松千春、新進気鋭のアーティストだった染谷俊、売り出し中だった成田路実、有森也実、菊池麻衣子のほかに、松岡英明、野田幹子といった当時の人気アーティストが出演していることも目を引く。
映画化された内容については、部分的に方言が使われていたりして未完成なところも散見され、興行的には成功しなかった。
主演の染谷が劇中で歌う曲は「同じ空を見てた」。この曲は染谷俊のアルバム「ぼくのたくらみ」に収録されている。
主題歌は大江千里の「砂の城」。エンディングにつけたしのような感じで流れるのはこのタイアップが急遽決まったことによる。 これは、原作者の平中悠一が、大江千里の関西学院大学の後輩という縁からだ。この曲は大江千里のアルバム「六甲おろしふいた」に収録されている。
興行的には成功しなかった本作だが、阪神・淡路大震災で神戸が壊滅的被害を受けたことで、この映画は別の価値を持つようになった。ほぼ全編が神戸や阪急沿線でのロケで構成されているため、震災前の貴重な建物や町並みが映像に留められたからである。