Mr.BOO!
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Mr.Boo! (ミスター・ブー)は、
- 香港の人気タレント、喜劇俳優であるマイケル・ホイ(許冠文)主演のコメディ映画「半斤八两」(1976年)の邦題。
- 日本において、マイケル・ホイ主演の映画作品について シリーズものとして扱った場合の総称 。
目次 |
[編集] シリーズとしてのMr.Boo!
マイケル・ホイの各作品はいずれも単独の作品であり、シリーズとして制作されたものはない。これらが日本においてシリーズ作品扱いされるようになった理由は、日本で最初に公開されたマイケルの作品「半斤八两」について、配給元東宝東和が「Mr.Boo!」というオリジナルの邦題で公開し、これが大ヒットしたことを発端とする。「半斤八两」のヒットで東和は早速マイケルの他作品の公開を決めたが、集客の連鎖を狙うため邦題にはいずれも「Mr.Boo!」あるいは「新Mr.Boo!」のタイトルを付け、シリーズもののように宣伝した。
作品はいずれも1970年代後半から1980年代にかけての香港社会を皮肉った、風刺色の強いコメディ映画である。これまでの香港映画の常識を覆し、それまでアクション中心だった香港映画のあり方を変えた。
フジテレビ『ゴールデン洋画劇場』で放映されたマイケル・ホイの吹き替えはほとんど広川太一郎が担当した。「原版よりも面白くした」と豪語する広川流の駄洒落とアドリブを交えた吹き替え版は、日本のマニアの間では大変な人気を誇る。2005年にユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンでDVD化されたものは一部作品は吹き替えなしだが、大半が広川の吹き替え版である。2004年に「新世紀Mr.Boo! ホイさま カミさま ホトケさま」のタイトルで主役をラウ・チンワンに変えてリメイクされ、マイケル・ホイ本人も特別出演している。日本語吹き替えはシリーズに引き続き、広川太一郎が担当した。
[編集] 幻の作品
原題「天才與白痴(天才与白痴)」(1975年)は、当時のマイケル主演作の中で唯一日本で公開されず、さらには現在までビデオやDVDも発売されていない作品である。日本で公開されなかった理由は明確ではないが、この映画の舞台が精神病院であることが原因とされている。これについてマイケル・ホイは『映画秘宝』2005年11月号でのインタビューで、日本の配給会社に対して不満を口にしている。
[編集] シリーズ一覧
- Mr.Boo!ミスター・ブー (原題:「半斤八两」 1976年、日本公開1979年)
- Mr.Boo!インベーダー作戦 (原題:「賣身契」 1978年、日本公開1979年)
- Mr.Boo!ギャンブル大将 (原題:「鬼馬雙星」 1974年、日本公開1979年)
- 新Mr.Boo!アヒルの警備保障 (原題:「摩登保鏢」 1981年、日本公開1982年)
- 新Mr.Boo!鉄板焼 (原題:「鐵板焼」 1985年、日本公開1985年)
- 帰ってきたMr.Boo!ニッポン勇み足 (原題:「智勇三寶」 1985年、日本未公開・ビデオのみ)
- 新Mr.Boo!香港チョココップ (原題:「神探朱古力」 1986年、日本未公開・ビデオのみ)
- 新Mr.Boo!お熱いのがお好き (原題:「歡樂叮當」 1987年、日本未公開・ビデオのみ)
- 新世紀Mr.Boo! ホイさま カミさま ホトケさま (原題:「鬼馬狂想曲」 2004年、日本未公開・ビデオのみ)
- Mr.Boo!花嫁の父(原題:「煎醸三宝」 2004年、日本未公開・ビデオのみ)
[編集] タイトルにMr.BOO!が付かずにビデオ化された作品
- ホンコン・フライド・ムービー (原題:「鶏同鴨講」 1988年、日本未公開・ビデオのみ)
- ミスター・ココナッツ (原題:「合家歡」 1988年、日本未公開・ビデオのみ)
- フロント・ページ (原題:「新半斤八兩」 1990年、日本未公開・ビデオのみ) - Mr.Boo!(「半斤八两」)の唯一の続編。
[編集] 初顔合わせ
Mr.Boo!BOX発売記念イベントでマイケルと広川の夢の初顔合わせが実現し、ファンを多いに沸かせた。広川太一郎曰く『ずっと吹き替えしたせいか初めて会ったとは思えない』と述べた。