LPAR
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LPAR(えるぱー、Logical PARtitionまたはLogical PARtitioning、論理区画）は、コンピュータの仮想化技術のひとつであり、仮想機械を実現する技術のひとつである。更にはその技術により実現された仮想機械（論理区画）そのものを指す。
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[編集] 名称
技術としての「Logical Partitioning」は「論理パーティショニング」や「論理分割」、実現された仮想機械である「Logical Partition」は「論理パーティション」や「論理区画」と訳される場合が多い。略称はいずれも「LPAR」である。
日英ともに、フルスペルではハードディスクの論理パーティションと区別が付かない。略称（LPAR）は、ハードディスクのパーティションでは使われない。
なお「Dynamic LPAR」（動的LPAR）の略称は「D-LPAR」または「DLPAR」である。
[編集] 概要
LPARは、主にマイクロコード（ファームウェア）の機能により実現し、ひとつのコンピュータに、論理的に多数の仮想機械（仮想のコンピュータ）を作成し、それぞれでOSを起動できる。
類似の仮想化技術であるPPAR（物理区画）と比較すると、PPARはハードウェアの機種（モデル）ごとに予め決められた単位・構成（ビルディングブロック）でのみ分割できるのに対し、LPARはリソース（CPU、メモリ、I/Oなど）をより細かく柔軟に配分・変更できる。
また仮想化OSと比較すると、仮想化OSは柔軟性では優れているが、LPARは信頼性や負荷（オーバーヘッド）では優れている。
実際にはPPAR、LPAR、仮想化OSは組み合わせて使う場合も多い。
[編集] メインフレームのLPAR
LPARはIBMのメインフレームのPR/SMにより登場した。個々のLPARでは現在、z/OS、z/VSE、Linux on System z などが稼働できる。
[編集] Power SystemsのLPAR
IBMのUNIXサーバのSystem p（および日立の EP8000）、ミッドレンジのSystem i、両者を統合したPower Systemsに搭載されている。個々のLPARではAIX、IBM i（旧称i5/OS、OS/400）、Linux on Power (ただしEP8000ではAIXのみ)などが稼働できる。
Power Systemsでは、LPARはPowerVM（旧称：Advanced POWER Virtualization、APV）のひとつの機能と位置づけられている。エディションにより、サーバ当たり3、CPUコア数当たり10などのLPARが作成できる。
現在のLPARは、OSやアプリケーションの停止を伴わずに、動的にリソース割当を変更できる（D-LPAR、Dynamic LPAR）。更に、クラスタリングソフトウェア（PowerHAなど）と連動して、サービス機能が移動（テイクオーバー）した先のLPARで自動的にリソースを増やす機能も追加されている。
