iPod nano
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iPod nano(アイポッド ナノ)はアップル社のフラッシュメモリを内蔵したデジタルオーディオプレーヤーである。iPodの小型デジタル音楽プレイヤー市場向けモデルの第2弾である。Mac OS X及びWindowsの両方で利用できる。同社製のiPod shuffle及びiPodの特徴を兼ね備えており、またiPod miniよりも小型である。マイクロドライブを搭載したiPod miniの後継製品であり、iPod nanoの登場に伴いiPod miniの生産は終了した。
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[編集] 歴代モデル
[編集] 第1世代
2005年9月7日(現地時)にアップル社CEOのスティーブ・ジョブズが自身が穿いていたジーンズのコインポケットからiPod nanoを取り出して発表、その日から世界中で販売が開始された。第一世代 iPod nano のサイズは90mm(縦)× 40mm(横)× 6.9mm(厚)、重量42gで、ラインナップは2GB(21,800円/$199)および4GB(27,800円/$249)の2モデルで、ホワイトおよびブラックの2色のカラーバリエーションであった。
1.5インチ・65536色表示のバックライト式カラー液晶画面を搭載しており、カラー液晶版iPodと同様に音楽CDのジャケットやフォト画像を見ることができる。またiPod nanoをボイスレコーダーにする周辺機器もある[1]。
iPod miniやiPod shuffleが発売された直後から数ヶ月間ほど入手困難な状況が続いたのとは対照的に、比較的安定した供給体制となっていたようである。それでもモデル毎に売れ行きの差違はあり、例えば日本では発売後1週間の売れ行きは4GBモデルが2GBモデルよりも売れていたため4GBモデルの入手がやや難しかった。当時のフラッシュメモリの価格から比較して安値だったこともあり、これによりフラッシュメモリの価格下落に貢献した。
これに伴いiPod miniの生産は終了し、販売も流通在庫限りで終了した。iPod miniの5色のカラーバリエーションを再現するため、純正カラーケース iPod nano tube など、iPod nano用の周辺機器が2005年9月30日から発売された。
2006年2月7日、1GBモデル(17,800円/$149)の販売を開始した。カラーバリエーションは2GB/4GBモデルと同じホワイトおよびブラックの2色。
[編集] 液晶ディスプレイへのクレームと対応
発売後、画面にすぐ傷が付いたり割れたりするなどのクレームが増加しアメリカ国内で紛糾することになり、アップル社は第4世代iPod(カラー版)との液晶ディスプレイ画面の素材が同じだと反論。その後2005年9月30日に、アップル社は『出荷した商品の0.1%に液晶画面に不具合が発生することがある』とし、これらの交換に応じることになった。一部のユーザは2005年10月22日にアメリカのカリフォルニア州サンノゼ米連邦地裁に集団訴訟を起こし、翌月にはイギリスとメキシコでも訴訟を起こした。
上記の問題に対応するため、発売当初には添付されていなかった保護ケースが2005年11月以降の出荷分より標準で同梱されるようになった。 アップルは「第5世代iPodに同梱されるケースについて、すばらしいフィードバックがユーザーから寄せられている。そのため、iPod nanoに同様のケースを同梱することにした」とコメントしている。また、これにより液晶画面に関するクレームが抑えられるだろうとの見方がある一方で、このケースが添付されていない初期に購入したユーザーからは『不公平だ』との不満の声も上がった。
[編集] 第2世代
2006年9月12日、iPod miniと同様のアルミ合金製の筐体に変更し、5色のカラーバリエーションをラインナップした第2世代モデルを発表。さらなる薄型・軽量化が図られ、音楽再生時のバッテリ駆動時間は最長24時間となり、ディスプレイのサイズや解像度こそ変化は無いが輝度の40%向上も果たした。また同時期に発表されたiPodと同様にアルファベットによる検索機能が追加された。ラインナップと価格は2GB(17,800円/$149)・4GB(23,800円/$199)・8GB(29,800円/$249)となり、1GBモデルは廃止された。カラーラインナップは容量により異なっており、2GBモデルはシルバーのみ、4GBモデルはシルバー・グリーン・ブルー・ピンクと後述するRED Special Edition、そして8GBモデルはブラックとRED Special Edition。
第1世代iPod nanoより微妙に小さくなったり(90mm(縦)× 40mm(横)× 6.5mm(厚)、重量40g)イヤホン端子の位置が若干変更になったため、iPod nano tubeなどの一部のケースや周辺機器や液晶保護シールなどが合わなくなっている。また、付属品からiTunesが入ったCD-ROMが除外されたため、実際に使うためにはiTunesをダウンロード可能な環境を購入者が用意する必要がある(これは第5.5世代iPod・第2世代iPod shuffleも同様)。
[編集] 第3世代
2007年9月5日、iPod classic(第6世代iPod)・iPod touchと同時に発表された。サイズは69.8mm(縦)× 52.3mm(横)× 6.5mm(厚)、重量49.2g。液晶画面が従来の1.5インチから2インチに大型化し、解像度は320×240ピクセル、ドットピッチは204ppiとなり、第5世代iPodやiPod classicの163ppiを上回る解像度に達した。また、画面の明度は第2世代より65%明るくなった。デザインは表面は第2世代と同様にアルミ合金製だが、裏面が第1世代の時の様な鏡面に戻っている。iTunesやiPhoneに搭載されていたCover Flowインターフェースを備え、ビデオの視聴や、iTunes Storeで購入したゲームをプレイすることも可能となった。対応するiTunesは9月6日に公開されたiTunes7.4以降。
ラインナップと価格は4GBモデル(1万7800円/$149)・8GBモデル(2万3800円/$199)の2種類。カラーバリエーションは、4GBモデルがシルバーのみで、8GBモデルはシルバー・ブルー・グリーン・ブラックと、(PRODUCT)RED のレッドを加えた計5色。後にピンクも追加され、計6色となった。なおレッドについては、第2世代に続きアップルストアならびにオンラインのアップルストアでの販売である。バッテリー持続時間は音楽再生時で24時間、ビデオ再生は5時間。
[編集] iPod nano (PRODUCT) RED Special Edition
2006年10月13日、アップルはProduct Redのパートナー企業としてiPod nano (PRODUCT)RED Special Editionを発表した。 これは赤色の限定カラーモデルである。容量は4GBおよび8GB(ただし生産台数や生産期間が限られている訳ではなく、また値段も通常の4GB/8GBモデルと同じなので実質的には新色の追加と言っていい。なお、8GBモデルは同年11月4日に発表された。)。アップル社はこのモデルの売上金の中から、1台当り10ドルを世界エイズ・結核・マラリア対策基金に寄付するとしている。第2世代タイプは販売終了し、第3世代タイプに切り替わった。(色は今までの明るい赤からワインレッドへ変更)
[編集] 記録媒体の供給元
[編集] 関連項目
- iPod
- iPod mini
- iPod shuffle
- iPod touch
- iTunes
- iPod管理ソフト
- 三菱・i - 第1世代iPod nano用スロットを装備した特別仕様車を販売していた。
[編集] 外部リンク
- iPod nano
- iPod nano 発表(第1世代)
- 新しいiPod nanoを発表(第2世代)
- まったく新しくなったiPod nanoを発表(第3世代)
- iPod nano (英語)
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