ASTE望遠鏡

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ASTE望遠鏡（あすてぼうえんきょう）は日本の国立天文台が南米チリ北部のアタカマ砂漠の標高4800mの高地に設置し運用を行う電波望遠鏡のこと。ASTEという名称はアタカマサブミリ波望遠鏡実験（アタカマサブミリはぼうえんきょうじっけん、英:Atacama Submillimeter Telescope Experiment）の略。^[1]

目次 1 設置までの経緯 2 現況 3 将来 4 技術仕様 4.1 仕様 5 関連項目 5.1 研究推進組織 5.2 関連施設 5.3 関連研究機関 5.4 学術研究分野 6 外部リンク 7 脚注

[編集] 設置までの経緯

アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)を参照。 国立天文台野辺山宇宙電波観測所のASTE推進室が設置及び運用管理を行っている。 また、本観測施設が設置され運用にいたるまでには、国立大学法人名古屋大学理学部において開発及び運用が行われている、「なんてん」による観測などが行われている。また、本施設による観測の目的は、「デジタル分光計」による、電波分光観測である。

[編集] 現況

電波望遠鏡は口径10メートルのものである。2002年に設置された。アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計プロジェクトにおけるテスト機としての役割も果たしており、2005年から本格観測を開始。

南半球にある数少ないサブミリ波望遠鏡として、今後も活躍が期待される。なお、建設が進められているアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)とは隣接しているが、ALMAと結合して電波干渉計の一部となる計画は現時点では存在しない。

[編集] 将来

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ALMA観測計画との連携は重視しており、国際共同利用観測所として活用の推進を行う計画は存在する。なぜならば、国立天文台では、運用を行う各観測装置の国際共同利用を実施^[2]。また、本観測施設は、サブミリ波領域の観測を行う施設であり、かつまた、ALMA計画プレプログラムとしての研究を行っている。ALMA計画との間では観測機器の信頼性測定及びメンテナンス性まで含んだ実験を実施。なぜならば、本観測装置の心臓部は、超伝導素子のため、液体ヘリウムの製造・調達や砂漠という過酷な環境の中で、どれだけ機器の耐久性があるかの試験もあるためである。

[編集] 技術仕様

基本仕様は、野辺山宇宙電波観測所に設置してある口径10メートルの電波望遠鏡と同じものである。ただし、観測波長はサブミリ波であるため、鏡面精度は野辺山に設置されている電波望遠鏡よりも優れたものとなっている。また観測装置は、周波数350GHz帯のサブミリ波を観測できる分光観測用の受信機SC345と270GHz帯の連続波カメラAzTECが搭載され、科学運用に利用されている。

[編集] 仕様

• 口径10m反射式電波望遠鏡
• 鏡面材質：CFRP+アルミ蒸着（野辺山宇宙電波観測所の10mでは、アルミパネル）
• 鏡面構造：ホモロガス変形法
• 光学系：カセグレイン式+ビーム伝送系
• 架台　：経緯台式
• 制御：自動制御
• 駆動系：フリクションドライブ
• 架台駆動：0.05秒角（水平・垂直ともに）
• 追尾精度：0.5秒角
• 観測装置：SISミキサー, 超伝導ボロン素子受信機
• 観測補助装置：デジタル分光計

[編集] 関連項目

[編集] 研究推進組織

• 国立天文台
  • 野辺山宇宙電波観測所
  • 水沢VERA観測所

[編集] 関連施設

• 望遠鏡 - 電波望遠鏡 - なんてん

[編集] 関連研究機関

• ヨーロッパ南天天文台(通称：ESO)
• チリ大学
• 東京大学
• 名古屋大学
• 大阪府立大学
• 茨城大学
• 神戸大学

[編集] 学術研究分野

• 天文学 - 電波天文学 - 電波分光学
• 開口合成法 - VERA
• 観測機器開発
• 観測機器信頼性試験

[編集] 外部リンク

• 国立天文台（NAOJ）
  • 国立天文台野辺山宇宙電波観測所（NRO）
    • ASTE (アステ：アタカマサブミリ波望遠鏡実験)ホームページ（ASTE推進室）

[編集] 脚注

1. ^ 最後に実験が付くのは、後述のようにテスト機としての役割を担っているためである。
2. ^ すばる望遠鏡の国際共同観測利用を初め、宇宙VLBI計画（MUSES-B）、VERA観測などである。