ASIMO
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ASIMO(アシモ)は、本田技研工業が開発し、ホンダエンジニアリング株式会社が製造している世界初の本格的な二足歩行ロボット。予測運動制御によって重心やゼロモーメントポイント (ZMP) を制御して自在に歩くことができ、階段の上り下り、旋回、ダンスなども可能。親しみやすさを考えたデザインを採用。 ASIMOという名称は「Advanced Step in Innovative Mobility:新しい時代へ進化した革新的モビリティ」の略であると本田技研工業は説明している。開発の動機に手塚治虫の鉄腕アトムがあったとされている。なお、アイザック・アシモフ(Isaac Asimov)とは無関係だが、たまたま綴りが同一であり、われはロボットなどの著作のため連想する人が多い。しかしながら、ある哲学者にホンダからASIMOの「脳」を開発して欲しいという依頼が有ったことも日本経済新聞紙面から明らかとなっており、ロボット三原則とASIMO第五世代(ローマ数字ならV)とを関連付ける動きもある。
目次 |
[編集] 概要
身長130cm。質量54kg(最新型ASIMO 2005。旧型は身長120cm)。これは人間の生活に合わせ作られていて、人の動きを感知し、自律的に行動が可能。例えば、人を追従して歩行、手を出すと握手する、障害物を回避する、音源認識、階段歩行など。しかし、HRP-2と違い、仰向けやうつ伏せに転倒した場合に起き上がることができない。なお、あらかじめ設定することにより、音声認識と発音も可能。 催し物などにも貸し出されており、ニューヨーク証券取引所の始業ベルを人間以外で初めて鳴らしたという快挙も成し遂げた。 現段階では市販されておらず、本田技研工業に問い合わせる事によって、賃貸することができる。
現在、最新型の「ASIMO 2005」の通常歩行速度は時速2.7kmと従来の時速1.6kmから大きく進歩し、時速6kmで(跳躍時間 0.08秒)走ることも可能となった。
[編集] 事業化
年間賃貸
年間契約で賃貸契約することが可能。 イベントなどの会場案内、説明役、簡単な受付業務などが行える。 賃貸料は一年間2,000万円
窓口: 本田技研工業株式会社 ASIMO事業室
短期レンタル
1日 約200万円
窓口: 株式会社エンターテイメントボウル
[編集] 開発史
ホンダのロボット開発は、1986年以前より秘密裏に行われていたが、正式に開発が発表されたのは1996年のことで、P2(プロトタイプ2)と呼ばれるモデルが発表された。二足歩行ロボットは早稲田大学での研究開発が最先端と公表されてきたが、発表時点の段階で、大学研究室の水準を遙かに凌ぐ人間型自律二足歩行ロボットであったことから、世界のロボット研究者が仰天することとなった。その後、さらに形状を人型に近づけたP3の発表を経由して、現行のASIMOが2000年に発表された。現在、費用の軽減や軽量化が進められている。なお、開発の途中でローマ教皇庁に人間型ロボットを作ることの是非について意見を求め、問題がないことを承認してもらうなど、ホンダはこうした二足歩行ロボットに従来の機械にはない配慮をしている。
2005年12月13日に新型「ASIMO 2005」を発表。外見はほとんど変わらないが(旧型より背中のランドセルが小型化、ボディが丸みを帯びている)、バランス能力が向上し、時速6kmで走行するほか、自動で受付案内やワゴンを使ったデリバリー作業等を行なえるようになった。海外ではこの"走るASIMO"のことを、ホンダ・インテグラなどのスポーティカーのスペシャルモデルの名称から、通称「ASIMO Type R」と呼ばれているようである。
明確な開発費は公表されていないが100億円以上と考えられている。[要出典]
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ASIMO OFFICIAL SITE
- ホンダエンジニアリング株式会社-ASIMO製造メーカー