07-GHOST
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『07-GHOST(セブンゴースト)』は現在「コミックZERO-SUM」で連載中の漫画である。原作は雨宮由樹/市原ゆき乃。単行本は2008年5月現在、6巻まで刊行されている。また、2006年12月号、2007年1月号では誌上にてドラマCDが販売された。
目次 |
[編集] あらすじ
ラグス戦争終結から十数年後、バルスブルグ帝国の第1区で軍に入隊するためエリート生として過ごしていたテイトは、ある日、失われた記憶の一部を取り戻し、自分がラグス国王の息子であることを思い出す。記憶を取り戻したテイトは軍を脱走し、第7区のバルスブルグ教会の司教たちに助けられた。しかし、彼の運命はすでに動き始めていた。
[編集] 世界状況・歴史
はるか昔、この世界にフェアローレンという悪魔が現れ、世界を滅ぼそうとした。しかし、神によって遣わされた07-GHOST (セブン・ゴースト) という死神たちによってそれは倒され、世界に平穏が訪れた。しかし、フェアローレンの残滓は残り、人の心を闇に落とす使い魔 (コール) が人々を苦しめていた。そして現在、物語に登場する国は、ラグス王国とバルスブルク帝国の2つである。この両国は古き時代から、ミカエルの瞳とラファエルの瞳によって守られ、不可侵条約を結び、平穏が続いていた。しかし、ラグス王国がもう1つの瞳を得ようと条約を破り、帝国に攻め入った。しかし、王国は逆に滅ぼされ、王族は残っていないとされている。さらに、ミカエルの瞳も、消失してしまった。
[編集] 登場人物
声はドラマCDにおいてのキャスティング。
[編集] バルスブルグ教会
- テイト=クライン
- 声 - 斎賀みつき
- 主人公。第1区の士官学校でエリート生として過ごしていたが、ある日失われていた記憶を取り戻し、自分がラグス国王の息子であること、かつ父が帝国軍参謀長官アヤナミに殺されたことを思い出す。その衝動でアヤナミに攻撃し、投獄されるが、ミカゲの協力を得て脱走。逃亡途中でフラウ達に助けられ、第七区で過ごすことになる。後に第七区へやって来たミカゲと再会するも、ミカゲはアヤナミによって操られており、結果ミカゲを失ってしまう。その復讐のために司教となることを決める。
- 幼い頃、孤児として神父さま(ファーザー) に育てられていたが、その経緯は不明。ラグス戦争時、帝国軍に追い詰められ、ファーザーの手により記憶を封印される。その後、帝国軍によって戦闘用奴隷にされた。軍士官学校・理事長のミロクに引き取られ、約一年前より士官学校に通う。
- 右手には父から託されたミカエルの瞳が宿っており、時折ミカエル自身が彼の意識を乗っ取り、表に現れる。テイト自身にその間の記憶はない。記憶を封印される前(幼い頃)は、ミカエルの瞳が自分の意思で使えていた。司教試験前日、アヤナミの策略で窮地に陥った際、ミカエルの瞳はテイトを守るために自ら分離し、結果アヤナミに奪われてしまう。
- 司教になるための「法術試験」で自分の闇(ミカエルの瞳)と対面。闇にすがらず、自分の闇を受け入れ生きていくことを決める。試験合格後、軍の目を欺きフラウと共に第7区を脱出する。すべての記憶を取り戻し、真実を知るため、ファーザーが訪れたという世界の果ての地ゼーレを目指す。だが、ゼーレへ辿り着くには、世界に七つあるゴッドハウスの「呪いの切符」が必要なため、まずはそれを手に入れるべく各区のゴッドハウスを訪ねることに。
- 現在はフラウ付の司教見習いである。
- 戦闘用奴隷として生きてきたため、暗殺など多数の技も取得しており、桁外れの身体能力を持つ。その反面、軍の外の世界や知識に大変疎い。士官学校でミカゲと出会うまでは笑い方すら分からないほどで、奴隷として過ごしてきた年月が感情の起伏を失わせたと思われる。
- フラウ
- 声 - 諏訪部順一
- テイトを助けたバルスブルグ教会の司教。実力は並外れたもので、司教実技試験の最高記録保持者でもある。しかし普段の言動や態度は司教らしからず、エロ本を持ち歩くなど、不良・不真面目と取られがちな行動を取る。だが心根は優しく、弱者には黙って手をさしのべる。事故でテイトの「誓いの首輪」の主となってしまい、テイトとは48時間以上離れられなくなった(48時間以上離れると首輪が爆発する)。ラグス戦争後、教会に来たが、その頃から悪戯などで周りを困らせていた。さらに神へ祈ることを自ら禁じているような様子もあった。
- 受験生時代、神が嫌いという理由で最後の試験3ヶ月前まで教典を開くことをせず、ペアを組んでいたカストルを道連れ落第させたという過去を持つ。
- 07-GHOSTの1人ゼヘル(斬魂)の力を持ち、通常はフェアローレンの鎌を使う。テイトを守らなくてはならないと言うが、その理由は不明。手袋を外せば、人の魂に触れられる。
- カストル
- 声 - 千葉進歩
- テイトを助けたバルスブルグ教会の司教。07-GHOSTの1人でフェスト(繋魂)。フラウに「人形オタク」と言われており、人形に使い魔を入れ、人間の様に動かせる操作系ザイフォンを使う。帝国軍のクロユリが人と間違えるほどの技を持つ。
- フラウと同じく、手袋を外せば人の魂に触れられる。よく図書館に隠してあるフラウのエロ本を没収している。受験生時代はフラウとペアを組んでいたが、フラウが真面目に勉強しなかったため、2年連続で道連れ落第したという過去を持つ。
- 本名は「シンルー=ハウゼン」。10年前、ゴットハウスの一つである「ハウゼン家」の次期当主として生まれる。若いながらもその実力は当主に相応しいものであったが、当主の座を狙うもの達からの風当たりが強く、父親も厳しかった。母にも思うように甘えることができなかったため誰にも心を開かず、母の姿をした人形を作り続ける毎日を送っていた。ある日、地下室に囚われていたラゼットと出会い、ラゼットと接するうちに彼女に惹かれるようになり、当主を継ぐことが決まったが、ラゼットと共に旅をして、ラゼットの故郷を探そうと夢見ていた。
- しかしラグス戦争が起こり、ラグス王国は敗北。ハウゼン家は一族断絶は免れるも、当主の首を差し出すこととなる。ラゼットを身代わりにしようとした父に反発しラゼットを庇って死亡。その後、フェストの器となり、現在に至る。
- ラブラドール
- 声 - 宮田幸季
- テイトを助けたバルスブルグ教会の司教。草花を自由に操り、彼らの言葉も聞くことの出来る寡黙な青年。ザイフォンはヒーリング系。
- 07-GHOSTの1人で、プロフェ(言魂)。未来を予言する能力を持ち、それはほぼ正確である。
- ハクレン=オーク
- 声 - 福山潤
- 軍事や政治家しか認めない、優秀なオーク家の息子。小さい頃、母親のフェアローレンの呪いを取ってくれたフラウに憧れ、母親以外の家族に反対されたが、司教試験に試みる。テイトのルームメイト。初めはテイトを小学生と馬鹿にしていたが、テイトと過ごすうちに良き戦友かつ良きライバルとなる。オーク家の為に、帝国軍がミカエルの瞳を奪う際にミカゲの様に殺されなくて済んだ。
- 司教を目指す理由はフラウに憧れるほかに、母を苦しめる父を許せないという気持ちもあるようで、司教試験の際に使い魔の誘惑に対して「自分の手で苦しめぬいてやる」とまで言ったほど、父を恨んでいるようだ。
- 現在はカストル付の司教見習いである。テイトに初めて送った手紙にはまるで母親のようにテイトの身の心配をつらつらと書いていた。
- ランセ
- テイトが受けた司教試験の司教試験官最高責任者。方向音痴の占いマニア。司教試験当日の朝、その日のラッキーアイテムをテイトに壊された事を根に持つ。フラウ、カストル、ラブラドールとは同期。フラウを自分のライバルと呼び、カストルのことを「メガネ」と呼び、ラブラドールのことを「ラブ師匠」と呼び慕っている。
- ラゼット
- 教会のオルガニスト。顔を自由に変化させることが出来る「ノエルの人魚」と呼ばれる種族の女の子。歌は可能だが喋ることは出来ない。しかし意思疎通は可能。普段は人見知りをするが、テイトのことを大変気に入り、フラウを助けるべく光の地下牢に潜入したテイトに協力した。普段は教会の噴水の中など、水中を泳ぎまわっている。彼女の鱗を口に含むと水中で呼吸が可能となる。また、ヒレを乾かせば陸上を歩くこともできる。
- 10年前、ゴットハウスの一つである「ハウゼン家」の地下に囚われていたところをカストルに救われ、彼に懐くようになる。元気のないカストルを励まし続け、カストルの心の拠り所となる。しかしラグス戦争が起こり、当主の首を差し出せとの通達が届き、カストルの父は顔を変えることができるラゼットを身代わりにすることを決め、ラゼットもそれを受け入れるも、カストルはラゼットを庇い死亡。ラゼットもカストルの後を追い、自殺。現在に至る。
- ミカエルの瞳
- フェアローレンを「ラファエルの瞳」と共に封印したと言われる、天使が宿っている赤い魔石。
- 支配されることを嫌い、主の意識せぬ無意識の部分を「器」とする。フェアローレンの身体を封じている。テイトを主としていたが、分離して帝国軍に捕らえられる。
- ジオ
- バルスブルグ教会の大司教。額から右目にかけて大きな傷跡がある。
- 仕事をサボったりジジイ呼ばわりするフラウに対し、よく怒鳴りつけたり仕置き(頭を鷲掴みにする)をしている。
- 作中に直接描かれてはいないのだが、ジオがフラウをバカ息子と言っていること、教会へ来たフラウがジオ宛の紹介状を持っていたことなどから、ジオとフラウは親子関係にあると推測できる。ただし血縁の有無についてまでは断言できない。
- バスティン
- バルスブルグ教会の大司教補佐。フラウの師であったが、フラウを助けるために帝国軍参謀直属部のスパイを引き受け、テイトを捕獲しようとした。最期はフラウに看取られる形で死亡。後に魂は世界一長寿な樹に転生し、フラウによって教会で一番日の当たる場所へと植えられる。
- フェア=クロイツ
- テイトの育ての親である神父。テイトからは「神父さま(ファーザー)」と呼ばれていた。元バルスブルグ教会の司教だったが、フェアローレンの身体の入ったパンドラの箱を持ってラグス王国に逃亡。帝国軍に殺される。彼の幻を見たことで、テイトは「ゼーレの地」を目指すことになる。
- ウィーダとリアム
- 第五区からきた兄弟の受験者。ウィーダが兄で、リアムが弟。ウィーダはヒーリング系のザイフォンを操り、試験前にザイフォンの力が尽きたテイトに自分のザイフォンを分け与えてくれた。家は裕福だったようだが両親が亡くなり、心無い親類に遺産も家も奪われた。そのため兄弟の絆は非常に強く、お互いを大事に思っている。ウィーダは二次試験を合格できたが、リアムは落ちてしまった。ウィーダは現在ラブラドール付きの司教見習いとなる。
- カイルとワード
- 受験者のペア。カイルは試験開始前にテイト・ハクレンペアとちょっとしたいざこざを起こし、それ以降目の敵にしている。共に試験を進んでいたが、「勝者の扉」をくぐるための問題でワードはカイルを殴って進んだために不合格となってしまう。カイルは最終試験でワードを残していった罪悪感と戦い、それを見ていたワードは涙していた。
- 元大司教
- 双子の大司教。新人を見る名目でテイト達と共に司教試験に参加。飄々としていて言いたいことははっきり言うが、長年司教をしていただけあり、司教試験でもその片鱗を見せる。しかしさすがに年には勝てないのか、終盤はテイトたちにおぶってもらっていた。
- フェア=クロイツと共にテイト誕生に立ち会ったもよう。このことから、テイトがラグスの王子であることを見抜いてたようだ。
[編集] その他
- カペラ
- テイト達が教会脱出時に助けた子供。家が貧しかったため母親に奴隷として売られるが、まだ幼いために売れ残り、奴隷商人から虐待を受けていたところを救われる。現在は一緒に旅をしており、テイトからは弟のように可愛がられ、色々なことを教わっている。
- カール
- カペラを買い取った奴隷商人。しかし売れ残ったカペラを虐待していたためテイトに殴られ、車も壊される。見た目はモヒカンのヤクザだが、こう見えてやり手であり、帝国軍でさえ一目置いている。
- テイトに仕返ししようとしたが逆にテイトを奴隷として買い取ろうと目論むが、あっさり見破られる。
[編集] 帝国軍
- アヤナミ
- 声 - 速水奨
- 帝国軍参謀長官。テイトを追う。人間を操る能力を持つ。
- 若くして参謀長官の地位につき、計り知れない実力もあって、軍の上層部から快く思われていない。目的達成のためならば手段は問わない冷酷さを持つ。冷たい人物ではあるが、部下達からの信頼は厚く、また彼も部下達を強く信頼している。
- ヒュウガ
- 声 - 浜田賢二
- アヤナミの部下。少佐。いつでも明るい男性で、アヤナミを「アヤたん」と呼び、ふざけてはアヤナミから制裁を与えられている。勤務態度はちょっと不真面目。サングラスを着用している。デスクワークをするとストレスがたまって、禁断症状が出て人を切りたくなるらしい。
- 普段は不真面目だが、たった一人で大勢の兵士達を倒してしまうほどの実力を持つ。
- クロユリ
- 声 - 斎藤千和
- アヤナミの部下。中佐。幼い外見をしているが実力は高く、アヤナミを強く慕っている。フラウがフェアローレンの鎌を所持していることが気に食わない。何故か眼帯をつけている。女の子みたいな容姿をしているがれっきとした男の子である。
- 凄まじい味覚をしており、彼の創作料理を食べても平気なのはコナツだけである。
- コナツ=ウォーレン
- 声 - 岸尾大輔
- ヒュウガのベグライター(幹部補佐)。上司が少し不真面目なためか、真面目な青年。味覚がクロユリと似通っており、二人してすごい物を食べたりする(酢昆布チョコなど)。
- 黒法術師の家系に生まれながらもその才には恵まれず、周りから冷遇されていた。そんな中で唯一祖父によって剣の稽古をつけられていた。
- 第312期生主席で士官学校を卒業し、ブラックホークに志願するも一度は落とされる。その後ヒュウガとの手合わせの末一本を取り、彼によってブラックホークに拾い上げられた。不真面目な勤務態度には呆れているものの、ヒュウガのことは慕っている。
- ハルセ
- クロユリのベグライター。クロユリと常に行動を共にしており、バルスブルグ教会潜入時も共に侵入していた。仕事がないときはクロユリの相手をしていて、さながら日曜日のお父さん状態となっているらしい。
- 現在「ミカエルの瞳」の攻撃を受けたため、植物人間状態になってしまっている。
- カツラギ
- 温厚な人物でアヤナミの部下だが、アヤナミを疎む帝国軍上層部のスパイ。大佐。アヤナミもそれを見抜いているのか、遠征の際に共に行くことはなかった。普段はコナツなどから頼りにされている。
- (ユキカゼ)
- (アヤナミのベグライターだったが、死亡。)
- ミカゲ
- テイトの親友。学校でも同室で、「元奴隷」や「ミロク理事長のお気に入り」という偏見を受けていたテイトに対して普通に接し、閉ざしていたテイトの心を開かせていった。代々執事の家系で、家族のために軍に入ることを決めた。しかしテイトの脱走を補助したため、アヤナミに操られ殺される。
- 現在は小さなドラゴンへと転生し、テイトのそばに寄り添っている。
- シュリ・オーク
- ハクレン同様にオーク家の息子で、テイトが在籍していた頃、何かとテイトを目の敵にしていた。恐らくハクレンとは異母兄弟と思われる。オーク家きってのバカ息子らしい。甘やかされて育ったことと、基本的におバカなのでクロユリが「殺してもいい?」と何度か口にしたことがある。
- アヤナミのベグライターになるはずだったが、戦場で助けられたためか、コナツを「お兄様」と慕い、コナツの部下になる(ただし、勤務態度はあまりよくない)。
[編集] ラグス王国
- ヴェルデシュタイン=クロム=ラグス
- 帝国によって滅ぼされたラグス王国最後の王。
- またテイトの父でもある。