鰯のぬか炊き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鰯のぬか炊き(いわしのぬかだき)は旧豊前国(福岡県北九州市小倉、門司地区~筑豊、京築地域)の郷土料理である。
(主に小倉周辺)「鰯のぬかみそ炊き」、「じんだ煮」とも呼ばれる。
[編集] 概要
- 糠みそを煮付けのだし汁として、新鮮な鰯を炊いた料理。
- 鰯だけでなく、鯖を炊く事もある。
- 小倉駅前にある、旦過市場の複数のお店でも常時売っている。
- 骨まで柔らかく煮込んであるため、カルシウム摂取も期待できる。
- 糠みそ由来のアミノ酸や有機酸がもたらす複雑な旨味の付与に加え、独特の発酵臭によるマスキング効果、乳酸によるpHの低下で青魚独特の臭みが抑えられる等の利点がある。なお、同じく青魚の煮付けとして著名な梅煮(梅干し煮)も酸の働きにより同様の臭み消し効果が期待できるが、こちらはぬか炊きと異なりマスキング効果はほとんど期待できない。
[編集] 作り方
- まず、鰯の頭と内臓を取り除いてよく洗う。この時、80℃程度のお湯をかけた後冷水で洗う(いわゆる”霜降り”)処理、あるいは薄い酢水で一度茹でこぼす等の処理を行うと青魚独特のクセが抜けて上品に仕上がるが、ぬか炊き自体が元来それほど上品さを求められる料理ではないため、気にならなければ省いていきなり後工程に進んでもよい。
- 醤油、みりん、砂糖、唐辛子、山椒を入れて煮る。
- 煮て沸騰したら火を止め、8時間位そのまま保温しておく。
- その後、鰯だけ耐熱容器に入れ、残った煮汁を小鍋で三分の一になるまで煮詰め、糠を入れて適当な硬さにする。
- 上記の「煮汁」を耐熱容器の鰯の上に流し込み、炊き込んで出来上がり。