風土病
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風土病(ふうどびょう)とは、ある一定の限定した地域に定着し流行を繰り返す病気の総称である。地域によっては地方病(ちほうびょう)と呼ばれているが意味合いは風土病と同じであるため併せて記述する。
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[編集] 要因の一例
[編集] 感染症・伝染病
代表的なものではコレラやマラリアが挙げらている。その地域に存在する寄生虫などのもので感染するものもある。また、風土病のうち、短期間で伝染病が広がることをエンデミック(endemic)という。
[編集] 遺伝的要因
成人T細胞白血病は九州や四国に多い。
[編集] 風習
かつてニューギニア島の風習である食人習慣によって、クロイツフェルト・ヤコブ病が多発した。
[編集] 地方病の例
山梨県では甲府盆地の低湿部を中心に日本住血吸虫病の有病地で、特に近代以降には流行し「地方病」と呼ばれた。江戸時代から存在は知られていたが、明治期には県による医学的な原因調査が行われ、死亡患者の病理解剖で寄生虫卵が発見されると原因は新種の寄生虫であるとする仮説が立てられた。大正期には宮入慶之助により日本住血吸虫の中間宿主が巻貝の一種であるミヤイリガイ(宮入貝)であると突き止め、大規模なミヤイリガイの駆除が行われて撲滅される。
和歌山県の紀南地方では、かつて水が原因で発生するとされる風土病(筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはアミトロ)、現地では地名から「牟婁病」(むろびょう)とも称する)が発生していた。多雨で強い酸性土壌、この地域を流れる水(古座川など)のミネラル成分(カルシウムやマグネシウム)が極端に少ない上アルミニウムやマンガンなどの成分が多く、これを常飲するばかりでなく、交通網に乏しく陸の孤島であった同地域においてはこれらの水から育てた作物のみを食料にしていたことが原因と考えられる[要出典]。近年では流通事情などが改善されているためか、1970年代から激減し、1990年代は同地域にて本病患者は発生していないとされる[要出典]。