頭突き
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頭突き(ずつき)は、相手に自分の頭を打ち付ける技である。プロレスなどにおいて多用される。格闘技においてはほとんどは禁止されている。詳細は後述。 ただし額は硬いがあまりにも多用をすると障害が出る。
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[編集] 名称
英語で「ヘッドバット」(headbutt, ヘッドバッドは誤記)という。俗に「チョーパン」とも言う。これは朝鮮パンチの略で、朝鮮高校の学生が得意とすることから使われるようになった。また、朝鮮つながりで、朝鮮語で同じ意味の「パチキ」も使われることがある。
[編集] 技のかけ方と名手
タックル気味に相手に頭をぶつけたり、相手の髪の毛をつかみ、自分の頭部を相手の頭部に打ち付ける。特に技巧がいらない技であるため、プロレスにおいては荒々しさを売りにするヒールや、力で押すパワーファイターが好んで使うが、テクニシャンタイプのレスラーが試合のテンポを変えるために繰り出すこともある。古くはボボ・ブラジル、キム・イルこと大木金太郎、アブドーラ・ザ・ブッチャーが得意としたために、プロレスファンやマスコミの間では「黒人と朝鮮系は頭が固い」とまことしやかに語られていた。他にはザ・デストロイヤーが得意とし、時にはマスクの中に凶器を入れる反則技を繰り出した。アンドレ・ザ・ジャイアントもよく頭突きを繰り出し「二階からのヘッドバット」といわれて有名であった。現在は新井健一郎、藤原喜明、泉田純至、本田多聞、菊地毅らが名手といわれる。
[編集] 派生技
- ノータッチ・ヘッドバット - 相手の髪の毛をつかまない。大仁田厚がよく用いた。
- ジャンピング・ヘッドバット - ボボ・ブラジルの「ココバット」として知られる。長身から打ち付けるので説得力は絶大。
- ダイビング・ヘッドバット - コーナーポストから舞い降りて、倒れている相手に打ち付ける。ハーリー・レイスが必殺技とし、現在は飛び技を得意とするジュニアヘビー級のレスラーが好んで用いる。通常は相手の胴体に打ち付けるが、ダイナマイト・キッドは相手の頭部を狙ってこの技を繰り出した。また泉田純至は自らの体をやや斜めにする形式を用い、「隕石」と呼ばれる。
- 一本足頭突き - 片足を上げ、振りかぶるように勢いをつけて相手に頭突きする。大木金太郎や藤原喜明の得意技。
- 急所ヘッドバット - 仰向けに倒れている相手の両足を広げ、股間に打ち付ける。
[編集] プロレス以外での使用
プロレス以外で頭突きが認められている格闘技としては相撲、空道、ラウェイなどがある。それ以外の格闘技では、拳のみで戦うボクシングはもちろんのこと、キックボクシング・ムエタイ・総合格闘技でもほとんど禁止されている。頭を当てる行為はバッティングと呼ばれ、ムエタイ以外は肘を当てる行為も含む。偶然にお互いの頭部が激突し、相手または両者が出血し試合続行不可能になるケースもある。
ボクシング等では故意に頭突きを犯す選手も存在する。もちろん反則であるが、お互いが打ち合う接近戦にまぎれて使用するとごまかされてしまうこともある。最悪、頭突きで相手が倒れ、気づかれずにKO勝ちになってしまうケースも稀に存在する。
従来の頭突きとは異なるが、相手のパンチを自らの額で受ける変則的な防御方法もある。これはまともに決まると、パンチを打った相手の拳が破壊されてしまう。ボクシング等では偶然にこの形になり、拳を負傷するケースがある。グローブが薄い総合格闘技や素手での喧嘩ではさらに効果は高いであろうが、リスクもあり勧められる技術とはいえない。
大道塾の空道においては接近戦で相手の道着を掴み、引き寄せながら攻撃を加える場面が多い。アゴに正確に頭突きを当てることができれば一撃でKOすることも可能である。 また道着をつかんだ状態で相手のサイドに回り、ボディに頭突きを入れるという使用方法もある、 空道では頭突きから投げ技の連携が使いやすく、一般的に投げ技が得意な選手が使用する事が多い。
ルール無用の喧嘩等では、頭突きは接近戦の武器として重要。最も硬い前頭部の頭髪の生え際付近を、相手の顔面(特に鼻)に当てる。パンチに比べると硬く重い頭部の効果は高いが、自らも頭部に傷を負うリスクも生じる。
[編集] その他
- 本田多聞が「側転ヘッドバット」を繰り出したことがある。倒れた相手目がけてまず側転を繰り出し、その勢いを利用してヘッドバットをかます…はずだったが、ヘッドバットをかける瞬間に完全に停止してしまい、側転の意味がまったくなかった。三沢光晴は「プロレス入りして一番面白かった」と評した。そのためか確認できる限り一度しか出されていない技。
[編集] 動物における頭突き
動物の世界においてもしばしば頭突きという行為は確認されている。
- ウサギ 牛やヤギといった自分より大きいものに対して跳ねながら頭突きをくらわし、撃退しているのが見られている。
- キリン ネッキングと呼ばれる長い首を活かした弧を描く頭突きをする。
- シャチ 海中である為、陸上獣類の頭突きとは異なるが、その威力は6tにもなる(人間の頭突きは2tにも達しない)。この頭突きを何十回もクジラに浴びせて殺し、食べる。6tという衝撃は硬式ボールを140㎞/hで投げるのと同等の破壊力であり、コンクリートブロック1個分を割る力を有している。