非関税障壁
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非関税障壁(ひかんぜいしょうへき)とは、関税以外の方法によって貿易を制限すること。または、その制限の解除要件のことである。非関税措置と呼ぶこともある。
具体的には、輸入に対して数量制限・課徴金を課す、輸入時に煩雑な手続きや検査を要求する事。または国内生産に対して助成金などの保護を与える事などによって行われる。
また拡大解釈的には、輸出入に不平等な結果をもたらす、国特有の社会制度や経済構造を含む場合がある
[編集] 論議
自由貿易の立場からは、非関税障壁は消費者の不利益となり、市場の平等性を損なうという指摘があり、緩和・撤廃が望まれている。しかし、必要であるという指摘も強い。環境保護・労働者保護・生産者保護政策などを遂行する上で輸入に対して制限を設ける必要があり、非関税障壁は必要悪であるという論点がそれである。
- 公衆衛生を守るため、一定の規格を満たさない食品や農産物の輸入を認めない
- 労働者酷使によって価格競争力を得た製品を労働ダンピング商品として排除する(→フェアトレード)
- 宗教的理由(戒律、タブー)によって規範に反する製品を排除する
などが今まで行われてきており、近年では特に、
- 障害者(障碍者)保護を行わない国家・地域で製造された製品を排除する
- 環境汚染対策を十分に行わない国家・地域で製造された製品を排除する
- 遺伝子工学(いわゆるバイオテクノロジー)的手法を用いた農/畜産物を排除する
- 資源管理国際協定に従わない国家・地域で収穫された水産物(マグロが好例)を排除する
などの例がみられる。
これに対し、自由貿易の立場からは「自国の正当化のために非経済問題を悪用している」などの再反論が行われることが多々あり、多くの事例では当事国同士で紛争となり、さらには貿易摩擦へと発展している。
付き詰まるところこれらの問題は「自由貿易や資本主義は果たして完全に正しいのか?」という問いに集約されるため、個々のケースに対して明確な解を与えることは難しく、現実的には妥協点を求める形で論争は終結させられることになる。