電源パターン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コンピュータゲームでは擬似乱数を生成する際の種として、電源投入からの時間や、特定のコマンドの実行回数を利用する場合がある。この場合、電源投入から全く同じタイミングで同じ入力を与えていけば、毎回のゲームの出力は全く同じになる。これを電源パターン(でんげんパターン)、または略して電パ(でんパ)といい、これを積極的に利用する攻略法を電源技とも称する。
目次 |
[編集] アーケードゲーム
アーケードゲームのハイスコアを出すために利用される。この場合、同じタイミングで入力を与えるために、シンクロ連射などの装置を用いる。例えばクイズゲームならば、正答の選択肢の列は毎回同じとなるため、その列をあらかじめ調べておけば全問正解することができる。
全てのゲームで電源パターンが使えるわけではないが、上記のクイズゲームの例のほかにも、落ち物パズルのブロックの順番の制御や、対戦型格闘ゲームにおけるCPUキャラクターの出現順序の制御など、さまざまな用途に用いられる。
しかしゲームセンター等において一般客がゲーム機筐体の電源を操作することは通常は不可能であり、強引に行った場合は店側とのトラブルに発展することも考えられる。極々稀なケースだが、店側が筐体の電源スイッチを自由に操作できるように設置してある店舗もある。
[編集] 有名な電源パターン
- 初代セガテトリス
- 製造から一定時間が経過し、バックアップ用電池が切れた筐体で発生。電源断、もしくはテストモードに入るたびにブロックの出現パターンが初期化されて同じ順序で降ってくるようになる。これを利用した最短カウンターストップパターンが研究された。
- セガテトリス(通称新セガテトリス)では、レベル16以降の出現パターンが、初代セガテトリスで電源パターンを使った場合と同じようになっている。
- バトルガレッガ
- アイテムの出現順が電源断で初期化されて同じ順序になる。難易度の観点からアイテムを管理する必要のある今作にとってはほぼ必須の技と化している。
[編集] 家庭用ゲーム
主にコンピュータRPGにおいて、キャラクターやアイテムの出現(エンカウント)パターン、攻撃のダメージや成功率などを調整する手段として利用される。特に『ファイナルファンタジーシリーズ』をはじめとする初期のスクウェアのゲームにおいて顕著であり、これを活用した、一見すると成功率が天文学的に低いように思えるやり込みプレイ手順も確立されている。
一方、電源パターンの存在がプレイヤーを困らせることもある。例えば珍しいアイテムを落とす敵や、ランダムで能力値が決まるキャラクターの目前で一旦データをセーブし、望まない結果が現れた場合はリセットしてやり直すという手段を執るとしよう。これらと遭遇できる機会が限定されているのであれば効果的な手段である。しかし結果を決める擬似乱数が起動後の経過時間や操作手順(リセットごとに初期化され、かつ同一の条件下では同じになる値)のみに依存していた場合、「起動→検証→リセット」という動作の反復を短時間で効率よく行うほど、得られる結果は同じようなものばかりになってしまう。
有名なものに『ポケットモンスター エメラルド』の『エメラルドループ』と呼ばれる、"やり直すたびに同じような能力のポケモンばかりが繰り返し出現してしまう現象"があり、これが少なからぬプレイヤーを悩ませた。