防災頭巾
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防災頭巾(ぼうさいずきん)とは、災害発生時において、頭部を保護するための簡易防具である。
[編集] 概要
防災頭巾は、防空頭巾を原型とした頭部を保護するための簡易防具で、丈夫な布製の長方形の袋に綿など緩衝材を入れたものを2枚張り合わせて、頭にかぶることができるようにしたものである。普段は座布団のようにして用い、被災時には頭にかぶって頭部を保護するために使う。その性質上、火災にも対応できるよう難燃繊維などを使い、火災の熱から頭部を守る際には水を含ませて利用できる製品が多い。
頭部から肩に掛けてを保護できるが、固くて重いものが衝突した際にはヘルメットほど防御力があるわけではない。しかし普段は座布団として身近に置いて置け邪魔になりにくく、また軽くて折り畳んで収納できるなどの点で優れる。耐熱性と言う面でも、繊維強化プラスチックなどの安全帽と呼ばれる一般的なヘルメットより、たとえ濡らしていなくても短時間であれば頭部を周囲の熱から守る効果も期待できる点で優れているといえよう。
日本では東海地震の予測される地域で1970年代頃から普及を見せ、南関東や静岡県などの小学校・中学校などでは標準的な学用品として全児童・生徒が所有している学校も見られる。また日本の国会議事堂では議員席の下に防災頭巾が備えられているという。これは同建物内にシャンデリアなど落下の危険性があるものが備え付けられているためとのこと。