鉄人28号の登場ロボット
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鉄人28号の登場ロボット(てつじん28ごうのとうじょうロボット)では、横山光輝の漫画作品『鉄人28号』に登場する架空のロボットと、そのリメイク版について列挙する。なお厳密にはロボットでないサイボーグなどについても扱う。アニメ版等の派生作品オリジナルのロボットについては各作品の項目を参照。
※ アイウエオ順で記載。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] アカエイ
不乱拳博士が人造人間研究の過程で生み出したサイボーグ生物。不乱拳に取っては失敗作だったらしい。
まだら岩近海に生息し、奇岩城やまだら岩の研究所の番犬・番人のような存在となっていた。体から強力な磁気を発して精密機械や電波を撹乱してしまう為、アカエイが現れると計器が狂ったり、鉄人が暴走したりする。群れを成して行動し、空も飛ぶ事ができ、地上に飛来し人を襲う事もあった。不乱拳の持つ笛によって、ある程度命令し操れるような描写がある。
弱点としては熱に弱く、火炎放射攻撃で撃退できる。また、時間帯によっては休眠している。
コミックスの違いで不乱拳に操られるシーンもなく、空に飛び去って登場しなくなる編集版も存在し、存在が曖昧になっていた。
また、完全機械のアカエイ号も存在し、こちらは空も飛べず、磁気障害等も起こさない。不乱拳が黒い潜水艦から完全コントロールで動かしていたが、鉄人に地上に投げつけられて破壊された。1機だけ登場した。
[編集] S国製ロボット
- S国製 ロボットA
- 樽型3本足機銃付き。「ピュルルル、ピュルルル」という音を発する。鉄人争奪戦の最中、警察の行動に横やりを入れる行動をとり、大塚署長を大いに悩ませた。まとまった数が量産されている。
- S国製 ロボットB
- 棘頭黒顔。スパイ団施設内で暴れ出した鉄人を止める為に、急遽動かした開発中のロボット。
- S国製 恐竜ロボット
- 日本の活動拠点を失いつつあったニコポンスキーが本国への救援要請で得られたロボット。巨大でいろいろな内部機能や能力を持っているが、S国では小型化技術がいまいち遅れている事の証明のようなロボット。内部に何人かの乗組員がおり、まるでUボートのような分業で動かしている。最初は生物に偽装した外観を持っていたが、1機は外観がはげ落ち、ロボットである事が露呈し、露呈した後は機銃や砲弾等を使用して攻撃した。また、内部はいくつかの部屋(ブロック)に区切られており、拉致した敷島博士を監禁していた部屋や脱出ジェット機格納庫、弾薬庫等が見受けられた。
[編集] ギド
砂漠の国の反乱軍が使用する、とげ付き甲羅を背負った多足ロボット兵器。反乱軍リーダーであるギドの名前を付けられた。ある程度量産され、まとまった数で行動する。砂漠での戦闘に特化しており、砂嵐でも行動可能で砂中を移動できる。半自律型ロボットらしく、リーダー・ギドの命令で行動していた。カブトガニのように腹部からの攻撃に弱く、それを鉄人やサターンに看過され敗れた。
[編集] ギャロン
世界征服を策謀する秘密結社ブラック団が使用する、黒い恐竜ロボット。口内に光線銃(熱線銃)を仕込んでおり、距離を取れば光線で、近づけば巨体の重量を駆使した戦法で鉄人に苦戦を強いた。漫画版では無線操縦らしいが、アニメ第4作や別作家の作品などでは内部操縦型が多い。
巨体の為に飛ぶ事が難しい(飛行自体は可能)ため、体を小型のパーツ群に分離飛行させ、目的地で合体復元して行動する。また、分離飛行は敵に対する目くらましの目的にも使用する。しかし、分解したパーツには本来の防御力は無いので壊れやすく、また「精密なロボットほどパーツを失った影響が出るはずだろう」という敷島博士の指摘により、分解飛行中を鉄人に狙われ、最後は機能不全から自爆して果てた。
[編集] 派生作品でのギャロン
- 『アニメ第4作』
- PX団専用ロボットとして登場。まだら岩海底のバギュームを海水ごと吸い取ろうとした。頭にコックピットがあり、首領のベラネードが乗り込んでいる。その他の設定は原作と同じ。
- 『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』
- 「ギャロップ」という名称で頭部パーツのみ登場。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- ソビエト連邦製のロボットとして登場。対ブラックオックス戦で損傷した鉄人を追い詰めるが、アリスに託されたブラックオックスとの協力攻撃の前に敗れ去った。なお、本作においては飛行機能はあくまでも示威用に過ぎず、長時間の飛行には耐えないと設定されている。
[編集] ギルバート
ドラグネット博士が作り出した、鉄人よりも高性能なロボット。
連載版では、宇宙開発目的で始めたサイボーグ研究の失敗から、自我を持つ電子頭脳搭載ロボット開発にこだわったが、あと一歩で完成を見なかったドラグネット博士が、かつての共同研究者である牧村博士の作り上げた、自我を持つロボット「ロビー」の電子頭脳を見てみたいが為にロビーと取引をして、日本の隠れ家で短期間で完成させた強力なロボット。完成を見るもロビーが鉄人に破壊された後であった為、ドラグネット博士は失意のうちに帰国しようと考えていた。が、ケリーの復讐が重なった為に、ギルバートはケリーとジョンソンの兄弟の手に渡り、彼らが追っ手の警察と正太郎の追跡を退ける為に使用される事になる。
後の光文社カッパコミックス版、及び同版を使用した秋田書店のコミックス版では「ロビーのロボット王国計画」の件がカットされた為、同コミックスの劇中では、ドラグネット博士が、宇宙開発目的のサイボーグ研究の失敗(超人間ケリーの事例)からロボット研究に切り替え、完成したのがギルバートとなっており、事件の冒頭もロボット博覧会会場からケリーによって盗み出されたことになっている。
鉄人やブラックオックスを凌駕することを目的として作られており、頑丈さと怪力は鉄人と同等かそれ以上、より高速で小回りの効く飛行能力、操縦者がある程度離れてもコントロールできる優れた遠隔操作技術、相対者と会話まで出来る操縦性を持ち、ブラックオックス並みの熱線砲を胸部に備えている。実際に鉄人と相対した時は実力伯仲し、正太郎の熟練された操縦技術を計算に入れてなお互角、ケリーの超近接操縦の優位性が加わった時には鉄人の敗北は時間の問題と思われた。ブラックオックス対策が万全でなかったため、最後は鉄人とブラックオックスのコンビネーションに敗れた。
[編集] 派生作品でのギルバート
- 『アニメ第4作』
- ドラグネット博士が月面開発用に作り上げた高性能ロボット。鉄人28号を超える事を目標に作り上げられたロボットで、パワー、スピード、リモコンの電波範囲、自律性、全て鉄人を超えている。胸には鉄人の装甲さえも溶かす溶解液が内蔵されている。両者の戦闘シーンでは、鉄人はギルバートのスピードとパワーに全く歯が立たず、腕をもぎ取られる。正太郎は操縦者であるケリーの注意が月ロケットに集中された一瞬をつき、月ロケットの噴射炎の中へ投げ飛ばすことで、ギルバートを破壊した。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- 改造手術によって操縦機と化したケリーの動作に反応して動く。その性質上、ロボット本体にコントロールシステムが存在せず、当初は未完成品と思われていた。ケリーがナチス残党のネルケと刺し違えた事により暴走、正太郎と鉄人によって破壊された。
[編集] サターン
某国製の戦闘用ロボット。内戦に陥った砂漠の国の国王軍が発注し製作させた。反乱軍が使うロボット「ギド」に対抗する目的で購入されたが、納入まで国王軍の戦線維持が難しい為、サターンが納入されるまでの代役に、正太郎と鉄人を拉致同然に誘拐した。操縦器は大きなトランク程の大きさで、レーダー探査、ホーミング攻撃、自律破壊行動等を行える高性能な兵器。鉄人よりも一回り大きいゴリラ型の体型に、腕から肩にかけて生やす角型熱線砲を装備し、飛行能力こそ無いが、敵と交戦して学習し、より強力な戦法を考えだす(これらの能力と行動と、ファイア二世等と似通った設計思想から、ビックファイア博士製作ではないかと考える人も居るが、明言はない)。
ギドを凌駕し、反乱軍や市民を無差別に殺戮したことで正太郎の怒りを買い、鉄人の攻撃を受ける。鉄人のロケットを破壊して追いつめるも、自らも熱線砲の角が破損し、その破損に気づかずに自身に熱線を放って自滅した。
[編集] 派生作品でのサターン
- 『超電動ロボ 鉄人28号FX』
- 同一機体との明言はないものの、酷似したロボットが「メタルサタン」という名称でアフリカ工業地帯で暴れる。
- 『アニメ第4作』
- 羽田空港にベラネードが到着した際に大塚署長らの警備陣を襲うが、鉄人に阻止される。鉄人に絡みつき自爆を図るが、鉄人はロケットの損傷のみの被害で終わった(この襲撃はビッグファイアと組んだベラネードの自作自演であり、前述の推測が反映されている)。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- 陸戦に特化したイギリスのロボット。パイプオルガン型操縦器で覆面の男らが操縦する。頭部を回転させることで地中を移動することが可能。武器は肩からのミサイル。ドイツの酒の神(バッカス)号と対決するが、鉄人28号によりバッカス諸共破壊された。
[編集] 人造人間モンスター
- 声優(アニメ第4作):鈴木琢磨
不乱拳博士が長年の研究で生み出した、死人の体と機械で構成されたサイボーグ。モンスターという呼称が正確な名称かは不明。「フランケンシュタインの怪物」がモチーフと云う鉄人の敵として、フランケンシュタインの怪物そのものを持ち込んだ形になっている。死体を繋ぎ合わせ、内蔵した機械によって甦生。怪力と異常なタフネスが武器だが、殺人犯の脳を使用した為に粗悪で凶暴になってしまったらしい。言葉も「アウアウ」としか発せないが、事態への順応力は高く、意外な知恵を発揮したり愛嬌のある仕草を見せたりもした。また、不乱拳博士はこの片言を理解翻訳していた。これら知能の障害を問題視した博士は、脳を科学者のものに入れ替えようと考え、敷島博士を狙ったため、正太郎及び鉄人と敵対することになる。また、モンスター自体が死亡しても、機械のように修理、蘇生手術を行えば何度でも蘇るため、この技術自体が恐ろしい発明であった。不乱拳の死後、この技術を解析した敷島博士が感嘆したが、研究資料などの細かい記録がなく、完全に理解するには至らなかった。その記録は黒覆面のスパイ団の手に渡り、不慮の死を遂げた不乱拳自体に用いられる事になる。
[編集] 派生作品での人造人間モンスター
- 『アニメ第4作』
- 戦時中「鉄人第二計画」として、不乱拳博士が自分の息子である「不 義久」の死体から作り出した人造人間。
[編集] 超人間ケリー
- 声優(アニメ第4作):原康義
人間の脳を用いて、宇宙環境に適応した機械人間の技術で改造されたサイボーグ、あるいは機械人間。ドラグネット博士が、電子頭脳ではなく人間の脳で機械をコントロールしようと考え、研究考案した技術で造った。
元々は博士の助手だったケリーが、研究の果てに心身を病んていた博士によって、実験の失敗を咎められ、無理矢理改造されてしまった姿。改造後は起動に失敗、死んだと思われて弟ジョンソンの手で墓地に葬られていたが、雷が墓に落ちたショックで蘇った。蘇生後、自らの変わり果てた姿に悲しみ、ドラグネット博士に復讐を誓い来日し、ジョンソンと共に博士を殺害、国外逃亡を謀る。
元々の人となりは温和だったが、雷や機能障害が起こると凶暴になって暴れ苦しむ。その姿を人に見られる事を極端に嫌い、全身を包帯で固め黒服にコートを羽織って帽子を目深に被っている。人間サイズながらトラック等を持ち上げる怪力に飛行能力をもち、弾丸では傷もつかない。また科学者助手だけあって、科学知識や機械技術も持っており、正太郎が敵わなかった人物の一人。最後はドラグネット博士殺害事件の罪を一身に被り、弟を残して鉄人に特攻して果てた。
[編集] 派生作品での超人間ケリー
- 『アニメ第4作』
- 本作ではドラグネット博士への復讐の気持ちはなく、ドラグネット博士と牧村博士を殺害したのは機能障害が原因とされている。争いのない宇宙へ旅立つという夢を抱いている。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- 本作では、ヒロインのアリスとともにドラグネット博士の養子となっている。ナチスに故郷を焼き尽くされたことで凄まじい憎悪を抱き、自ら望んで改造を受けた。全身に数百個の送信センサーを埋め込まれており、その動きに合わせてギルバートを操る。改造された際に養父の「ある発言」に激怒し、改造が終わった後で殺害している。その行動原理の根底には妹アリスへの愛情があったのだが、憎しみに歪められたために正しく実を結ぶ事はなかった。最期はナチス残党のネルケに装甲の隙間を銃撃され、彼女と刺し違えた挙句、(アリスの保護を優先したブラックオックスが彼女を遠ざけたために)義妹・アリスに看取られることなく死んでいった。
[編集] 鉄人26号
鉄人計画26号機。戦後鉄人を作り上げた覆面の男が、乗鞍岳で製作したモノと考えられる。
人間サイズでバケツをひっくり返したような円筒形のロボットで、28号製作資金調達にロボット強盗として運用され、設計者敷島博士の邸宅に押し入り、その父親を殺害している。当時の通常兵器に比べれば高性能なロボットである。
[編集] 派生作品での鉄人26号
- 『アニメ第4作』
- 回想シーン(空想シーン)にのみ登場。旧日本軍最後の反攻策として、敵国本土に直接巨大砲弾で複数送り込まれて暴れる無線操縦のロボット(大きさは鉄人サイズ)。しかし、実際には形にならず、劇中にも登場しなかった。
- 『超電動ロボ 鉄人28号FX』
- 新鉄人シリーズの1機として「鉄人26号ジャンボ」が登場。作品項目を参照。
- 『鉄人奪還作戦』
- PX団が秘密裏に完成させた対人ロボットとして登場。原作と異なり脚部が無く、胴体下のローラーによって移動する。ワイヤー状の腕部から電撃を放つ。そのデザインから原作者曰く「ソース瓶」。
[編集] 鉄人27号
鉄人計画27号機。人間の模倣という人型ロボットらしい設計で、顔の造型も人間を模している。戦車砲の効かない装甲と数十トンもある鉄人を軽々投げ飛ばす怪力など、通常兵器に比べると凄まじい性能を有し、自衛隊では歯が立たない。起動し暴れ狂う28号には敵わず一撃の下に破壊される。また、目くらましの発光能力なども有している。戦時中の開発では目的の完成度まで達しなかった為、28号を開発することになる。また「大型27号」という台詞から、26号とともに現れる黒いコートの男は人形サイズ27号であるという意見もあるが、この辺りについては不透明のままである。
[編集] 派生作品での鉄人27号
- 『超電動ロボ 鉄人28号FX』
- 新鉄人シリーズの1機として「鉄人27号サキガケ」が登場。作品項目を参照。
- 『アニメ第4作』
- 敷島博士が日本に帰国してから作り上げた27番目の鉄人。28号程ではないが完成度の高いロボットである。28号が暴走した際出撃し戦う事となるが、28号との性能差は大きく殆ど歯が立たなかった。だが鉄人を倒れさせるほどの威力を持つダブルチョップ、更には鉄人の目を自らが身に着けていた布で覆い鉄骨を使い殴打する等、動作の多彩さは28号にも匹敵する。28号と同じリモコン回路を使用しているが、操縦は工場に設置された大型操縦装置から行う。
- 『鉄人奪還作戦』
- PX団が戦前の「鉄人計画」を元に、21世紀の鉄人計画に携わる技術者を拉致し完成させたレプリカとして登場。オリジナルの27号は未完成のまま旧軍の地下施設と共に打ち捨てられている。
[編集] 鉄人28号
鉄人28号 (架空のロボット)を参照。
[編集] ドラグネット試作ロボット
上半身を白くしたブラックオックスのような形をしたロボット。来日に合わせ急造した割に鉄人と互角に闘う能力を持っていた。遠隔操作型で、ギルバートと同じ飛行装置を内部に組み込んでいる。ロビーに対してドラグネット博士の技術のデモンストレーション役に一役買ったが、対した活躍もせずにフェードアウトした。
[編集] 偽鉄人28号
ニコポンスキーの後続スパイ団が鉄人28号を手に入れる為に製作した、外見を似せただけのロボット。リモコンごと本物の28号とすり替えた。正太郎が一見して判らず、動かしてみて操縦の正確性に違和感を感じるまで判らなかったほど良く出来たフェイク。敷島博士の「ぶつければ判る」という判別法の為、本物の28号と全力でぶつかり合い爆発した。なお、背中のロケットだけは開発元なので本物とまったく同じである。
[編集] バッカス
不乱拳博士が鉄人に対抗する為に作り出した高性能ロボット。鉄人と正太郎に煮え湯を飲まされた博士が鉄人を倒す目的で製作を決意したが、成り行きで不乱拳と同行していたスリル・サスペンスが自分の子分を隠れ家に引き入れた以後、サスペンス一味が博士に突貫での製作を強要し自らの手中に収めた。なお版元によっては、これらの下りが変更されたもの(不乱拳博士が仕掛けたトラップのため、動き始めてすぐ大爆発してしまう)が後々まで採用されていたが、文庫版や2005年の完全版において、「少年」連載当時の構成に再編された。
バッカスは、鉄人の物語で初めて登場した「鉄人を倒す為に作られた、鉄人より強力なロボット」であり、装備こそ鉄人に準拠するが、各個の能力が鉄人を上回っており、鉄人は苦戦を強いられる事になった。
口から火炎放射をするなど、対人兵器もいくつか内蔵はしているが、基本は鉄人と同等かそれ以上、鉄人を凌駕する強力な飛行装置を内蔵したスマートな外観設計がなされている。不乱拳は、単身で設計から製作まで数週間で完成させている。不乱拳はバッカスと人造人間モンスターに対して「息子達で兄弟」という発想をもっていた。
劇中では、まずサスペンス一味の手に落ちたバッカスは、その能力を如何なく発揮し、数々の犯罪に手を染めていく。だが、不乱拳は自らの生み出した創造物が不本意な使われ方をするのが許せなかったらしく、より強力な操縦機器を作り出し、バッカスをサスペンス一味から奪い返す。しかし、正太郎達に追いつめられ操縦機の壊れたバッカスが、酩酊したかのように狂い暴れ始め、生みの親の不乱拳をその手に掛け、最後はその名の通り狂乱の果てに鉄人に敗れる。
[編集] 派生作品でのバッカス
- 『アニメ第4作』
- アメリカが製作した第一号ロボット。スペンサー大佐率いる技術班によって日本で実用テストが行われ、その一環として貨物列車を脱線させた(元ネタは松川事件)。アメリカは日本に比べるとロボット開発技術に劣っており、技術力の差はバッカスにも顕著に現れている。馬力や装甲に関しては少なくとも鉄人やオックスと同等であるが、操縦電波の範囲が数百メートル程度しかなく、少しでも操縦器から離れると暴走するか機能停止してしまう。また操縦器も鉄人のものよりはるかに大きく、寧ろ操縦施設に近い大きさで、母艦上から5、6人程度で制御する。主な武装は口に内蔵された火炎放射器で、暴走時これで東京沿岸部を火の海にした上、自らの母艦やスペンサー大佐たちまで焼き払った。
- 原作において最も鉄人より優れている、飛行能力を有さない。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- 少女楽団として日本に入国したナチス残党が操るドイツ製ロボット。フランケン博士が設計したもので、コントラバス型操縦器によって操縦される。日本に運び込む際には、分解された部品を演奏に必要な機材と偽り、楽団の舞台裏で組み立てられた。ジェット推進機により空中を自在に飛行することが出来、スピードを活かした戦法を得意とする。武器は口から放つミサイル。イギリスの土星(サターン)号と対決するが、鉄人によりサターン諸共破壊された。
[編集] ファイア二世
ビッグファイア博士が、ベラネード財団がダム建設の際にロボットを使用する事を知り、売り込み目的で作り出したロボット。博士の自慢である知能回路の自己学習能力、鳥メカによる索敵及び支援攻撃、熱線攻撃、発熱機能の他に、土建機能、コンクリート再生機能などを有する、攻撃的な土建ロボットである。自己判断で動いている事から高度に自律行動が可能であり、博士同様に自尊心すら持っているような描写もある。実際に、自分の悪口を鳥メカから伝え聞いて、正太郎をつまみ上げている。
先の敵ロボット達と一線を違えるのが、商業目的で量産化を前提とした商品である事である。売り込み目的のロボット見本市に赴き、ホワイト・バッファロー山への登山レースを強引に行い、最も早く帰還したロボットをベラネード財団査察団に買い上げるよう取り決めさせる。人目及ばぬ山中で参加ロボットを次々破壊するが、帰還機が遅い事からレースを危ぶんだ参加者が鉄人に協力を求めたため、カメラ記録目的で飛来した鉄人と戦うことになる。その自律性から動きの悪い鉄人相手に終始優位だったが、激しい戦闘で脆くなった氷雪から谷底へ落下し自滅した。事態を鳥メカから聞きつけた博士により、機密保持の為に爆破処理された。
博士自身の名前に二世をつけた名が示す通り、ビッグファイア博士は自作のファイア二世に深い愛情を注いでおり、二世の破滅を鉄人の所為だと思い込み、鉄人に復讐を誓うも、カメラに映っていた破壊活動を咎められ、逮捕された。
[編集] 派生作品でのファイア二世
- 『アニメ第4作』
- ブラックオックスの設計図をもとにビッグファイア博士が改造を施したロボット。外装を外した状態で工場を襲い、鉄人と戦う。この時は正太郎の無理な操縦のため、鉄人は惨敗する。黒部でのロボット性能競争に参加し、他のロボットを山中で全て破壊する。しかし、ニコポンスキーの操縦するブラックオックスが現れ、ブラックオックスのコピーにしかすぎないファイア二世は手向かうこともできず、外装を全て破壊される。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- フランスのグラン・フランム( = ビッグ・ファイア)教授が開発したロボット。本来はフランス語でフランム・ドゥゼームという名で、教授は英語で呼ばれることを嫌い、更に「息子」として愛情を注いでいる。操縦器は食卓型。両手に超長距離砲を装備し、鳥型ロボットによって相手の位置をつかむ。岩木山でイタリアの怪物(モンスター)号を倒し、鉄人をも追い詰めるが、ブラックオックスによって倒された。
[編集] ファイア三世
ホワイト・バッファロー山の事件後、保釈金で出所したビッグファイア博士が作り出したファイア二世の後継ロボット。鳥メカがなくなりパワーと装甲を重視した。性能についてはかなり鉄人に似通っており、パワー重視の接近戦用ロボットとなっている。また起動時の動作も鉄人と同じ。
二世同様、ベラネード財団への売り込み目的で作られたにしては攻撃的なロボットで、試験運用でムカデロボットや恐竜ロボットを血祭りにあげるなど、土建ロボットなのかすら疑わしいロボットである。基本的に高度な学習能力を有した自律ロボットであるが、きちんと教え込まないと誤った判断で行動する危険も孕んでおり、実際「工場を破壊する」ことを教えて犯罪に使用したまま、知能回路をリセットしなかった為に自社工場を破壊しかけるという事態を引き起こす。
前回の事件の為か、鉄人に対して研究をしていた博士が、その成果をもとに二世の機能をさらにパワーアップしたため、自律行動するロボットながらも、あらゆる面で鉄人を圧倒した。靴底に隠せる超小型リモコンに、鉄人以上のパワーとスピード、何より高性能な知能回路の学習機能、全ての面で鉄人以上でありながら、ファイア三世に足りなかったのは飛行能力と正太郎(正しい操縦者)で、操縦者の力量差により破れた。
[編集] 派生作品でのファイア三世
- 『アニメ第4作』
- 外装をはがされたファイア二世に急遽新しい外装を取り付けたロボット。圧倒的なパワーで鉄人に立ち向かい、量産型ブラックオックス軍団に自由を奪われた鉄人の胸部をむき出しにする。その後、エネルギーの切れかけた初期型ブラックオックスと戦い、圧倒的なパワーでブラックオックスを破壊する。しかし、村雨健次が操縦する鉄人に破壊された。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- グラン・フランム教授がリベンジのため製作したロボット。鉄人とブラックオックスのコンビによって一蹴された。
[編集] VL2号
スノー国から送り込まれたロボット兵器。鬼のようなデザインで、簡易な分解組み立てが可能な設計になっており、パーツ群をロケット砲弾で輸送(現代では弾道ミサイル攻撃と間違えられかねないが)、現地で組み立てて運用できるのが利点。飛行の際に脇の下からロケットを噴射するのが難点。質実剛健で鉄人以上のタフさ、飛行スピード、操縦性、自律性を誇る。また、手で触れた物に高電圧を流し込み破壊する能力をもつ。
潜入先での活動を前提とした設計であり、隠密行動を目的とする秘密兵器の類いに分類される。有効活動範囲は操縦器から半径10キロと制限があり、それが仇となって一味の行動を逆算されてしまい、組み立て現場に紛れ込んだ大塚署長に部品を抜かれた結果、自爆した。
量産兵器で、かつ戦闘性能に特化していない秘密兵器として作られたロボットが、鉄人以上の性能を持つ時代になった事を象徴するロボット。制限されているとはいえ、遠隔操作と独立行動性能は鉄人以上であり、一対一の戦闘で鉄人の腕をもぎ取る程である。
[編集] 派生作品でのVL2号
- 『アニメ第4作』
- 某国が梅小路綾子に供与した、人工知能ロビーによって京都全域の送電網を通して遠隔操作される高性能ロボット。鉄人と互角のパワーよりも、人工知能により自ら考えて行動できるスピードが脅威で、正太郎が一々操縦しないと動けない鉄人では勝負にならず、敷島博士にも「鉄人に勝ち目は無い」と言わしめるほどのロボットである。ただ、ロビーさえ破壊すれば行動不能にする事が可能で、敷島博士は鉄人の操縦器を改造し電波によって送電網にサージ電流を逆流させ、ロビーを破壊して勝利している(そして、VL2号 = ロビーは「お母さん」とつぶやきつつ「母」綾子の「胸に飛び込み」、共に炎の中に消えた)。
[編集] ブラックオックス
ブラックオックスを参照。
[編集] モンスター
ゴロギル博士が製作した、樽型の形状でとんがり顔にニヤリとした歯を見せる、大変インパクトのあるデザインのロボット。何の目的で設計したかは不明ながら、温和なゴロギル博士からは想像できない程、凶悪な能力を秘めたロボットである。飛行能力、火炎放射、同形小型ロボを集団で射出し、体当たり攻撃、地中潜行能力など、かなり多彩な機能を持ち、体格も鉄人より2倍大きく、力も鉄人が最大出力にロケットを追加して初めて地中から引っ張りだせる程強い。
強力な能力に目をつけた過激なテロ組織「十字結社」により強奪され、テロ行為に用いられる事になる。その為、悪用される事に恐怖したゴロギル博士が、正太郎個人に「モンスターを破壊してほしい」と願い、追って来た十字結社に殺害される。数度の鉄人との戦いの中で故障の生じたモンスターは、応急修理を終え鉄人に再度戦いを挑むも、頑健さで上回った鉄人の前に敗れた。
[編集] 派生作品でのモンスター
- 『アニメ第4作』
- 本編のストーリーとは無関係に、第1話の冒頭で鉄人と正太郎の活躍を描くためだけに登場したロボット。一撃で鉄人に破壊される。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- 十字結社の操るイタリア製ロボット。トラックの幌に設置された操縦器で操作される。兵器の一種と割り切って量産性と通常火力を重視した機体で、体内には大量の弾薬を満載し、頭部もミサイルと化している。全3体が登場、うち三号機は鉄人が倒し、その他はファイア二世が倒したとグラン博士は言っていた(実際に倒したのはブラックオックス)。
[編集] ロビー
- 声優(アニメ第4作):くまいもとこ
牧村博士が完成させた、自我を持つ人工知能を搭載したロボット。独特の黒い栗の様なボディに長い腕と3本の足という、人形(ヒトガタ)からは外れるデザインに人間(ニンゲン)型の思考形態を持たせている。
自ら物事を考える力を有しているが、起動初期の性格は子供そのもので、学習を積み重ねていく事で、いつかは人間が発想しない考えを持つに至ると思われていた。しかし助手である助川が、まだ善悪の判断がつけられないロビーに悪事と享楽を教えた為、ロボット強盗として巷を騒がせる事になり、事態を察した牧村博士が正太郎に通報し追いつめられる。強盗事件の最後に助川がロビーを裏切り爆破しようとするが、この事に気づいたロビーに殺される。ロビーは爆破により死んだと思われ、博士は「これで良かったかもしれない」と電子頭脳の研究を封印した。
実は生きていたロビーは、その高度に進んだ知能の為か、信頼していた親代わりの人間に裏切られた為か、人間そのものを見下す性格となっていた。ロボットの為のロボット王国を創る事を画策し、秘密裏に多数のロボット軍団を設計・製作、人間に宣戦布告する。人間を上回る知能と行動力は正太郎達を追いつめていくが、やはりどこか人間ではない思考の穴をつかれ、体制を覆される。
ロビーは、強力なタッグを組んだ鉄人とブラックオックスに目を付け、多種多彩なロボットを大量に生産はできても、人間の天才が造ったロボット以上の物は造れないならば、奪って調べて自らの軍団に加えようと考えた。奪う為に障害となったのが正太郎で、彼との駆け引きに苦慮している時に現れたのが、ロビーの電子頭脳に惹かれて来たドラグネット博士だった。博士との知恵比べのようなロボット戦の後、その才能を評価し取引に応じるが、正太郎の存在に危機感をつのらせたロビーは、正太郎暗殺を企てるも返り討ちにあった。損得や合理性を求めたり、感情のようなムラを見せたりと、人間くささも持ち合わせるロボットであった。
[編集] 派生作品でのロビー
- 太陽の使者 鉄人28号
- 本作最後の敵「宇宙魔王」の配下である異星ロボットとして登場。母星を魔王に滅ぼされており、表面上は忠誠を誓っていたが内心では復讐の機会を狙っていた。正太郎達が魔王の本拠へ乗り込んできたのを好機と見て、魔王の息子グーラを罠にはめたり正太郎達に情報を流したりして魔王を破滅に導く。復讐を果たした後は単身で宇宙へ旅立って行った。
- 『アニメ第4作』
- 京都において不乱拳博士とその弟子たちによって開発された人工知能、またはそれに遠隔操作される小型ロボット。弟子の一人梅小路綾子によって我が子として育てられる。ロビーは関係者の殺人を繰り返すが、それは暴走ではなく、「母」綾子を守るためであった。最後には鉄人に捕らえられ握りつぶされる。その後、ロビーは某国供与のVL2号を新しい体とし、「母を奪いに来た敷島博士の手先」鉄人と戦う。
- 『鉄人28号 皇帝の紋章』
- 暗号機エニグマの研究から偶然に生まれた人工知能として登場。「来るべきロボット戦争に勝利する」という命題を与えられ、皇帝の紋章を争奪する各国のロボットたちを密かに観察していた。核兵器の登場によりロボット兵器は無意味となると考え、核弾頭を搭載したロボット「溶鉱炉」(シュメルツ・オーフェン)を以って全面核戦争を引き起こし、全世界を焼き尽くすことにより唯一の勝者になろうとする。